レース
スタートは大体各馬五分に出ました。
キタサンブラックは前走はタイミングが奇跡的に合わなかっただけで流石に上手です。
内でシュヴァルグランも前走とは見違える好スタート。これが結果的に…となる訳ですからスタートは重要です。
レイデオロは少し押していましたので、ちょっと反応が乗り切れない中でスタートを切ってしまったのかな?と思います。
サトノクラウンやマカヒキ、イキートス辺りがこの中では後手です。サトノクラウンはやや伸びあがるような格好になってしまい、元々そこまで上手じゃないですが、ダッシュ不足です。
キタサンブラックが先手を取り、昨年みたいなゆったりした流れになりそうな1周目ホームストレッチ。
外でラストインパクトの戸崎騎手が内を気にしているように、他の馬の出方を伺いながら、「誰か鈴を付けに行ってくれれば…」というような出方だったと思います。
ディサイファもそこまででもないですし、逃げ馬と聞いていたギニョールも、予想通りあのスタートではキタサンブラックには先に行かれてしまいます。
シャケトラも逃げ馬って訳でもないですし、同厩舎だからといってラストインパクトも潰れに行く義理もありません。
それを見越したのか手が一気に動いてワンアンドオンリーが動きます。
栄光のダービー馬とはいえ人気はもはや無いに等しく、単勝は280.8倍にまで下落。デビュー2戦目の未勝利で260.1倍で大穴を演出してからのダービー馬に上り詰めましたが、ここであの時の人気を下回るとは…。ここはキタサンブラックに楽をさせないという役回りになりました。切ないです。
1頭だけまるで最後の直線のような騎乗でした。
そんなこんなで2番手がワンアンドオンリー、3番手ディサイファという隊列になります。
ラストインパクトはそこまで行かず、ギニョールも行かず。
その内側でじっくりと構える白い帽子がシュヴァルグラン。好スタートから内をゲット。この位置にレイデオロが収まると思っていましたが、白帽子同士で随分と逆転していました。
先行集団を見る形で少し抑え気味のソウルスターリング。シュヴァルグランの後ろの走路をレイデオロ。
後方にマカヒキとサトノクラウンがつけ、サウンズオブアースにこちらもスタートが気合が乗らない感じのアイダホが凱旋門賞から一転後方に。こんな出が悪い馬だったっけか?
最後方にイキートスとレインボーラインという隊列で西日差し込む1コーナーへ向かいます。
1コーナーの馬場は見た目もそうですが、かなり土が舞います。
毎年ジャパンカップの時はそうであるといえばそうなのですが、今年は毎週のように雨が降った影響があったと思います。ここまで土が舞うのは珍しいです。
時計は出ているとはいってもデコボコほど怖いものはありません。
人間もそうですが、脚を捻ってしまったりしまいます。フラットの走りやすい馬場というのは高速馬場と連動されてなぜか嫌われる傾向がありますが、フラットの馬場でスピードが出る方が安全です。
各馬向正面へ入ります。
キタサンブラックが先頭で少しリードを保っています。
ディサイファとギニョールが2番手3番手。ワンアンドオンリーが4番手で内でシュヴァルグラン。
外からシャケトラがいて、引っ張っているのが続いているソウルスターリング。内でブームタイムが続きます。
ラストインパクトは中段の位置。そしてレイデオロ。ほぼ真ん中に位置しました。
ヤマカツエースがその後ろ、マカヒキとサトノクラウンの緑帽子が並び、後方にアイダホ、サウンズオブアース。イキートスが後方2頭目で最後方に追い込みに賭けるレインボーラインという展開です。
ペースは大体戦前の予想通りですが、キタサンブラックが逃げている中では割と流れて36.3-60.2。
昨年の入りが13.3で今年は13.0と似たようなものですが、あまり落とせずに1000mを通過しました。
昨年はここから2Fを12.5-12.7と楽をさせ、少し離して逃げていたのもあり、後続を引き付けての走りができていました。
今年はすぐ後ろにディサイファとギニョールがつけており、下げるにも下げにくい展開です。12.1-12.3と0.8秒の差が最後にのしかかってきたような気がします。
そこそこ流れているので、隊列が大きく変わる事はありませんでしたが、ソウルスターリングがなんか窮屈そうな走りを続けていました。
前後左右囲まれてしまって苦しいのは確かではありますが、リズムが悪かったという印象です。
レイデオロは内側にいましたが、コーナーワークでヤマカツエースの間のスペースができるとスッとそこへ入り後はじっくり。
3コーナー手前でラストインパクトが遅れたと同時にソウルスターリングの外へ。比較的外が伸びる馬場になっていましたので、ここまでは文句なしの位置取りです。
その外から被せるように並んでいたマカヒキより先に仕掛けたサトノクラウン。マカヒキは結局馬群の中へ。反応が鈍いので、サトノクラウンに先に行かれてついていけていません。
4コーナーでディサイファとギニョールの手応えがキタサンブラックに並びかけるようなものでもなく、ワンアンドオンリーも並ぶことができずに失速。
先行馬はキタサンブラックを除いて総崩れのような展開になって直線に入ります。
サトノクラウンは大外からグーンと上がってくるところまで元気が良かったですが、直線に入るとレイデオロにスッと内を取られ、苦しそう。
ソウルスターリングも前内外が壁になっていて前がディサイファ、外にワンアンドオンリーなので、内しかありません。その内をスッとシュヴァルグランが抜け出します。完全に後手に。
マカヒキは後方でラストインパクトに体当たりをして過怠金が出ているように外に出せずにレイデオロの後ろを通るしかないという状況に。
そんなこんなでシュヴァルグランは外がディサイファというのもあり、すんなりスペースを確保。キタサンブラックが突き放してくれたおかげでスペースは沢山ありました。
キタサンブラックが突き放し、外からヒタヒタとシュヴァルグラン。
その外から右鞭で反応するレイデオロ。
マカヒキはその後ろですし、サトノクラウンはレイデオロに並んで振り切られてしまっていますので、ここから逆転は難しい展開に。さすがのデムーロ騎手もどこかで止まります。
大外からアイダホもなかなかしぶとく走っています。しぶといのは内のヤマカツエースも。距離もそうだけど全然東京は向かないと思っていたのですが、意外にいい走りをしています。
残り200mで大体射程に入れたシュヴァルグラン。
キタサンブラックは残り200m付近から一気にダウンしてしまいました。
レイデオロに関しては、右鞭で一気に反応し過ぎたのかシュヴァルグランの後ろに入りそうになり、進路を外に立て直すというロスがありました。
僅かではありますが、もったいなかったなと思います。
ソウルスターリングはこの辺りで脚が上がってしまい、走りが前ではなく上に伸びあがるように走っていますので、苦しくなってしまったのかな。
マカヒキも走っていますが、そもそもキタサンブラックと並ぶ位置までいません。
ヤマカツエースも残り200mを切った所位から走りが乱れだしてしまいました。やはり距離も長かったのでしょう。
キタサンブラックは残り100m付近から右鞭でよれ、武騎手が左に持ち替えています。
こんなキタサンブラックを見るのは最近だと記憶にないですね。宝塚記念はこういう理由じゃないので、疲れたんでしょう。
この独特の鞭(肘)の使い方は絵にはなりますが、キタサンブラックが苦しんだ証でもあります。
ただ、左鞭を入れてからしっかり真っ直ぐ走るのは流石です。これはこの馬の強さも同時に見た気がしました。
キタサンブラックは負けはしたものの、落鉄もあったみたいですが、それでも1:12.3 – 1:11.6 = 2:23.9で3着。
負けたけど凄い馬だと思います。テイエムオペラオーもジャングルポケットに負けて強しを感じましたが、そういう馬ですね。
目標にされ、ペースも落とせず、それでいて直線後続を突き放して最後は捕まったもののラストも12.2でまとめています。
前半ほんの少しこれより落させたら、後続をシャットアウトしていた可能性もあります。あとは有馬記念だけですが、本当に厄介な馬になりました。敵として戦っていた連中は清々する事でしょう。
有馬記念も真ん中より内側ならほぼ間違いなく3着圏内にはまとめられそうで、ラストまで頑張って欲しいです。
2着になったレイデオロに関しては、左鞭一発ごとに反応し、手前を替えてから最後は素晴らしいピッチ走法でキタサンブラックを交わしました。
元々こういう馬ではありましたが、ダービーと神戸新聞杯でああいうレースをしたので、今回もと思いましたがなかなかこのクラスで内枠だとそうもいきませんね。
それでもさすがダービー馬の走りでしたし、中山でこそのタイプだと思っているのは変わりませんので、まだ秋2戦。是非3戦目を期待したいです。
直線で内にささったのがもったいなかっただけで、道中の走りは内枠からじっくり乗ってタイミング見計らって外へ、外へという素晴らしい走りでした。
本命で勝ってくれれば最高でしたが、仕方ありません。
マカヒキは4馬身離された4着。
4コーナーの反応の悪さは馬場のせいではないですね。あそこで動きが鈍いから置かれてしまうのであって、悪くないですが、特別良くもありません。今回も着順こそ悪くないですが、勝負には加わっていませんし。
血統面、体格面からマイラーと言う人もいますが、このズブさでマイルだと置かれてしまってアウトでしょう。この位の距離の方がまだ誤魔化せます。もどかしいですね。
アイダホはちゃっかり5着。
前半からイマイチの走りでしたが、直線はばてませんでした。スタミナはありますし、ハイランドリールの弟だけに高速馬場も割と大丈夫。
これだけ走れれば来年も来てもらいたいです。淀みなく流れ、スタミナ不足の連中がズルズル下がったのでこの馬の良さも出ましたかね。
レインボーラインはアイダホと併せて伸びてきて6着。
相手なりに走る馬の典型みたいな成績になっていますが、どうしても展開待ち、馬場待ちなので辛い所でしょう。
上がり34.6はレイデオロと並んで1位タイですが、もう少し器用なら…。スタミナはあるんだからもったいない気がします。
ソウルスターリングはラストの落ち方を見るとこの距離のこのペースだと距離が辛いですね。
オークスの感じだとこなせると思ったのですが、道中もっと気楽に走れないとなかなか安定して勝てなさそうです。どうしたものでしょうかね。
サトノクラウンは最近忘れかけていますが元々ポカも多い馬ですし、ラストは止めていますので着順は大負けですがこんな事もあります。
4コーナーの雰囲気だけはありましたが、あそこまででしたね。
この馬も中山でこその馬だと弥生賞の時から思っていますので、是非有馬記念で。
シャケトラは期待したものの、有馬記念で変わるか?が疑問に。
ここらで片鱗を見せるかと思っていたのですが…。宝塚記念で先行して割と頑張ったので先行しているのかもしれないけど、もう少し溜めて日経賞みたいなロングスパートみたいなのはどうなのかな?
レイデオロに離されてから急に萎んだ感じなので、そういう馬なのかなぁ。
勝ったシュヴァルグランです。ガッツポーズでゴール。見事でした。
内枠をフルに活かした好騎乗でした。
スタートを決めて終始内を通り、直線で早めに外に持ち出して、とお手本のようなレースをされてしまいました。解説なんておこがましいです。
ハルーワスウィートはこれでヴィルシーナ、シュヴァルグラン、ヴィブロスと3頭のG1馬を出すという素晴らしい活躍。
佐々木さんは馬主業でここまで活躍していたら、もう横浜DeNAの監督みたいなことは無理でしょうね。「今日G1だから」とかで監督不在とか考えられませんし。
ゴール後のウイニングランでも少し驚いたシーンもありましたが、基本はジョッキーが手を上げようがボーっとしているような様子。
いい子だなと思いました。
馬券はレイデオロの複勝と単勝だったので、少々マイナス。
トータルで75%位の回収率だったので、健全な遊びです。
今回の開門の感じから、これはそろそろ…と思うようになったのは事実ですので、キタサンブラックと共に引退か、ダービーだけに絞るかを考えないといけないですね。
真面目に。
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