第34回マイルチャンピオンシップ(G1・京都・芝1600m・やや重)
東京は晴れていい天気になりました。京都もそんな感じに見えます。
馬場は思ったより回復したというべきか、回復が間に合わなかったというべきか悩みます。どちらとも言えそうです。
時計は9Rの2歳500万下の1400m戦で1:23.6。
とりあえず+1秒と言っておけば大体問題ないと思います。
上がりはそのレースでも勝ち馬34.3ですし、これで「重い馬場で力を発揮できなかった」という言い訳はしにくい。
予想はこちらから。毎度ながら下手です。
パドックは適当に見ています。
サトノアラジンは相変わらず大きくて見栄えがします。クルーガーもピカピカ。
スイスイ元気よく歩いていたのはレッドファルクスでしょうか。
エアスピネルは落ち着いていいですね。この馬はパドックで落ち着きを欠くとレースでも出てしまうので、いい雰囲気に見えました。
そういえば車で競馬をラジオで聴きながら毎度乗馬から帰ってきますが、そこの血統コーナーで「レッドファルクスにも注目。理由は父であるスウェプトオーヴァーボードが死んだから」と言っていました。確かに「死んだ種牡馬の仔は走る」とは言いますが、それ違くね?と。
返し馬はさっぱり。この辺は現地とは違います。
サングレーザーは落ち着いていていいですね。まだ足りない気もしますが、雰囲気は出てきたと思います。
そして太陽に照らされるとレッドファルクスが眩しい位綺麗な真っ白です。
混んでるんでるのかな?
良い季節の京都ですからね。紅葉でも見に行った方がいいと思います。
スタートは本当に綺麗に揃いました。
最内ブラックムーンとサトノアラジンが後ろに下げましたが、それ以外は明確に遅れはありません。
マルターズアポジーはレーヌミノルレッドファルクスにも遅れたスタートでしたので、逃げ馬としては失敗の部類でしょう。
外からムーンクレスト、ウインガニオン、真ん中からレーヌミノルやダノンメジャーが出ていく中、先頭に立つまで200mかかったマルターズアポジーが予定通りハナを主張していきます。
先頭に立つマルターズアポジーを追う内からヤングマンパワーにダノンメジャー、ムーンクレストといった馬達です。
外目からウインガニオンに内からアメリカズカップ、間から好スタートから無理せず下げた感じになったレーヌミノル。和田騎手結果的には素晴らしい騎乗ですので、冴えてますね。
エアスピネルの隣に武豊騎手ジョーストリクトリ。
その後ろにサングレーザーとイスラボニータ。イスラボニータは思っていたより後ろになってしまったなと思いながら見ていました。
レッドファルクスがいてクルーガーがいて、追い込みのガリバルディが内へ。
その後ろにペルシアンナイト。外からグランシルク。
後方2番手にサトノアラジンがいて、最後方に少し離れてブラックムーンという展開です。
前半3Fは予想通りの34.6。
そこから46.7 – 58.6ですので、馬場を考えればマルターズアポジーは十分自分のペースとも言えると思っています。
スタート直後にイスラボニータががっしり抑えているのに対してエアスピネルは少し促すようなシーンがありました。
私はイスラボニータの方がより自在性があるというか今回に関しては走りやすいかなと思っていましたが、先にポジションを取られた印象です。先行馬の見ながらいい位置に収まりました。
一方で大外ペルシアンナイトは思い切り下げました。
1000m付近までがっしり抑えていたのが印象的です。
追い込みでここまで出世してきた馬ではありませんが、この作戦というか感覚がここまで勝てる騎手所以ですかね。まさかここまで下げるとは思いませんでした。
下げて同厩舎のサトノアラジンと入れ替わります。
サトノアラジンは下げるしかないですからこの位置は仕方ありません。
ただ、4コーナー手前で外から進出した時、一緒にクルーガーは動きましたが、サトノアラジンが動いていてもグランシルクとブラックムーンは動かず。結果的にはサトノアラジンは少し早かったし、ロスも大きかったのかもしれません。後ろから差されてしまっていますし。
前の方だとレッドファルクスが坂の下りで加速がイマイチ。
マイル戦もそうですが京都外回りの特徴である坂の下りの難しさです。
サングレーザーが問題なく走っているように見えている中、おっつけていましたので、やや加速についていけなかったのかも。
エアスピネルはレーヌミノルの外、ウインガニオンの内をしっかり回り、直線へ。
ウインガニオンを外埒のように使い、直線入り口で一気に抜き去って外を開けるというような使い方。潰れた馬の正しい使い方を見た気がします。
直線入り口でそのウインガニオンを抜くために一歩余分に外に出ることになったイスラボニータ。それに加えてサングレーザーが前をカットするように外に押し出していますので、イスラボニータとしては2頭分余分に外へ膨れる事に。今回のレースの鍵は実はウインガニオンだった気がしてなりません。
直線向いてマルターズアポジーが粘っていますが、先行馬が悉く伸びを欠いているだけで、いつ飲み込まれてもおかしくないような脚色に。
外からレーヌミノルを一気に抜き去ったエアスピネルですが、G1レーシングの勝負服が併せ馬で追いかけます。
一旦はアタマ差位サングレーザーが出たものの、そこからグイっとどこから来たの?という状態だったペルシアンナイト。
エアスピネルが悲願のG1制覇まで後1秒という所で並ばれ、最後クビを下げた所でペルシアンナイトが僅か勢いがありました。斤量1kg差は厳しいというのが大方の見方でしたが、このハナ差は1kgの差だったように思えます。
勝ち時計1:33.8で前後半46.7-47.1のほぼ同一のラップとなり誤魔化しのきかないレースになりました。
父はハービンジャー。母はゴールドアリュールの妹でもあるオリエントチャーム。
G1は初制覇もありますが、陣営がかなり丁寧に使っていて、ダービー後しっかりと得意の距離であろう舞台にシフトチェンジをしてきたのも立派だと思います。
ダービーは距離、シンザン記念と富士Sは雨が原因と言えなくもないですが、データ上不利な3歳馬、大外。デムーロ騎手の神通力が無限に続くとは思えず、ここは潰えても「仕方ない」も言える条件でした。
スタートから下げてから内目に進路を取り、4コーナーでグランシルクやらサトノアラジンやらが追って外から上がっていく中、ただ1頭一切追うことなくレッドファルクスの真後ろにつけてヒタヒタ。
直線は外の開いたスペースを横断し、エアスピネルの後ろへ。
サングレーザーと馬体を併せるようにしてイスラボニータの進路を完全に塞ぎ、後はエアスピネル目指して一直線。
3歳で制覇したのはサッカーボーイ、タイキシャトル、アグネスデジタル。
サッカーボーイはその後走れませんでしたが、走った2頭の活躍は言うに及ばず。
勝ち切るのは相当難しい事ですし、エアスピネルを京都マイルで一気に差し切ったパフォーマンスは素晴らしいものでした。
2000mでも走れますので、スプリントよりのマイラーではなく、大阪杯や宝塚記念、天皇賞秋でも十分いいレースができそうです。
2着のエアスピネルはこういうキャラでしょうね。
そう考えてあげないといけないと思うようにします。
レースは文句なしでしょう。これ以上何を望めばいいのか?というのが考えるだけ無駄な走りをしています。
強いて言えばレーヌミノルの外に出すとき必要より余分に1頭分位外回ったか?と思うシーンはありましたが、それ位。
抜かれたと言えハナ差。重馬場でも走れるので、来年の夏はジャック・ル・マロワ賞⇒ムーラン・ド・ロンシャン賞と行ってくれれば面白いのにな。
サングレーザーはもっと弱者のレースをするかと思ったらなんのその。王道も王道のレースでした。
五分のスタートから出たなりの位置をキープし、4コーナーできちんと外目。
最後は抜かれてしまいましたが、ペルシアンナイトをもう一度抜こうと鞭に応えて頑張っています。僅かですが差を詰めていますので、来年はもっと…を期待してもいいと思いました。
レーヌミノルは桜花賞馬としてマイルに戻って復活の走りですね。
ヴィクトリアマイルではかなり期待できそうな走りをしました。
好スタートから先行策を取り、最後は歴戦の牡馬と同い年にやられましたが、エアスピネルに交わされてからもう1回頑張ったのはこの馬の競走馬としてのレベルの高さを感じます。
もちろんこの位の時計の決着になったというのもレーヌミノルにとってはプラスだったはずではありますが、それでもあわや馬券まで到達するとは思っていませんでした。
イスラボニータは良くも悪くも普通に回ってきただけ。
最後まで差を詰めていますし、負けたとはいえ0.3秒。ただ、何度も「流れ1つで」を繰り返していますので、ここはもう少し攻めて欲しかったです。
具体的にはエアスピネルの隣をキープしてほしかったな。重馬場とはいえ完璧に負けた相手が隣にいましたので、もっと何かできなかったかなと思ってしまいます。
レッドファルクスは距離ではなく坂の下りに戸惑ったのかそこでの後手が響きましたかね。
ゴール前は少しは鈍っていますので、50m位得意な距離から外れているかな。
仕方ありません。
サトノアラジンは全く良い所なく敗戦。
4コーナーで動いたのは分かりますが、追ってから34.8止まり。
直線入り口では同じ位置だったブラックムーンや、直線でイスラボニータの後ろに入って進路を選ぶロスがあったグランシルクにあっさりやられていますので、あの天皇賞の後遺症がもしかしたらあったのかも。こればかりは分かりません。
激しいゴール前でした。
そこだけは予想通りです。
それにしても8着までの名前を見ると福永騎手、和田騎手以外は全てカタカナ。
12Rもムーア⇒福永⇒M・デムーロとマイルCSのワンツースリーの騎手を入れ替えただけ。
外国人ジョッキーが凄いのか分かりませんが、ブラックムーンやクルーガーもしっかり上位に持ってきていますし、この結果を見ると仕方ないと思わざるを得ません。
馬券はイスラボニータからなのでハズレ。まぁこんなもんです。
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