レース
スタートではアストラエンブレムが出遅れ。
他の馬はまずまず揃った綺麗なスタートです。ウインブライトが好スタートですが、ほぼ誤差でしょう。
ソウルスターリング、マカヒキもあまり好ダッシュではありません。
マカヒキは元々抜群のスタートを切る馬ではないので、特に気になりませんね。
東京1800mですので、内側が有利ではありますが、12頭立てならそこまで明確な不利もなく、馬同士もスペースを保ちながら走っています。
さて、戦前だとヤングマンパワー辺りが行くかも?という位の展開が予想されていたように、明確な逃げ馬不在のレースです。
内からするするとソウルスターリングが先頭へ接近します。
その時のスタンドの盛り上がりたるやまるでG1。
1つ前のレースでレッドゲルニカが出遅れた時もでしたが、競馬は盛り上がってこそだと感じます。
各馬出足を伺いながらもソウルスターリングが先頭に立ちます。
続いて同じ三歳馬ダイワキャグニーにマッチレスヒーロー。
ヤングマンパワーは4番手辺りの外を回り、内からするするとマカヒキ、ウインブライトと続きます。ここまでが前という位置。
そこからスペースがぽっかり空いてリアルスティール。
内でワンアンドオンリー、外サトノアラジン。その後ろからグレーターロンドンと差し馬が並びます。ワンアンドオンリーは今日は差しを選択しました。何でもありですからね。
外に自由がある時のサトノアラジンは脅威です。
ここも素晴らしくいい雰囲気で追走しているなと思いながら見ていました。
後方にヒストリカルと出遅れたブライトエンブレムという展開です。
ソウルスターリングは気持ち先頭に立つ付近では力が入っていたように見えましたが、先頭に立ってからは思ったよりも普通に走っていました。
ペースとしても35.6 – 60.0ですので、逃げているということを除けば後半潰れる流れでは当然ありません。
チューリップ賞を59.4-33.8でまとめた馬です。斤量だけ考えればそこから1kgマイナス。
東京と阪神の違いこそあれ、この馬なら1:45.5位なら造作ないだろうと思いながら見ていました。
マカヒキは多少前に行ったのがどうでるか?とは思いましたが、ペースは馬場を考えるとスロー。追い込み身上の馬でも最後方からでは物理的に届かないという事になりますので、あの位の位置を取りに行くのは分かります。
リアルスティールは前半周囲を囲まれるでもなく、楽に走っていました。
前後にあれだけスペースがあれば騎手も苦労しないでしょうね。後は後ろを気にしつつ、被せられないように前を追えばいいだけです。
4コーナーをソウルスターリング先頭で向かいます。
その後ろでがっしり手綱を抑えているダイワキャグニーが不気味に忍び寄ります。
相変わらずのクビの高いフォームのヤングマンパワーとここまでは余力充分で後はどれだけ末脚が切れるか?です。
直線では暫くは前の2頭は馬なりで進みます。
ペースを考えれば、ラスト2Fまで待つのは悪くありません。後ろを待つ余裕はあるでしょうし。
ヤングマンパワーはバシバシ鞭を打たれていますが、元々がズバンと切れるタイプではありませんので仕方ありません。頑張るだけです。
後ろも待っている場合ではないので分かりますが、マカヒキの手が動いている割には反応が鈍いのが気になります。
サトノアラジンは4コーナーからずっと舌を出しっぱなしで走っています。
この馬はストライドが大きく、スピードに乗りまでの時間がかかりますが、この位置だと後は全力疾走をすればいいだけなので、非常に良いレース運びだったなと思いました。その前をリアルスティールがクビを下げて走っています。
ソウルスターリングが追い出しましたが、どうも走りにリズムがありません。
手前を替えてからすぐに戻しているように、ノビノビと走っていたオークスとは全く動きが違いました。
埒沿いだったのに加え、終始内に切れ込む素振りを見せているダイワキャグニーの存在も大きかったかな?
ダイワキャグニーは北村騎手が追っては顔を外に向け、体が斜めになった状態で前に進んでいます。隣からしたらおっかなびっくりになりそう。
ソウルスターリングが邪魔だったでしょう。埒にぶつける位の事ができたら真っ直ぐ走れたのに。
マカヒキはヤングマンパワーの後ろに入っていますが、それでもいつでも抜けそうな感じもせず、内田騎手が進路を選ぶとか以前の問題。
もちろん上がり勝負のレースで坂を上がって10.7という超高速ラップが刻まれている場所ではありますが、もう少しいい反応が出ないと楽ではないでしょうね。私はマカヒキ軸でしたので、ここらで終戦が見えてしまいました。
リアルスティールがサトノアラジンを待つようにしていながら外に出し、そこからの追い込み。
サトノアラジンはリアルスティールに比べるとシュンと動けないので、並べません。
残り100mでダイワキャグニーを交わしてリアルスティールが先頭に。
ソウルスターリングが内でもがいているというか、全能力を発揮したとは思えない走りで失速。
大外からクビを下げ、最後の追い込みが始まったサトノアラジン。
ヤングマンパワーも頑張っていますが、ここだと決め手不足が露呈しています。
マカヒキは前に遮るものはいませんが、うーん…。
2着だったサトノアラジンは終始舌を出しながらのギャロップ。
クビを下げ、大きな馬体で大きなストライドは相変わらずの美しさ。舌だけがもったいない。
外になれば良いというタイプで、全力疾走からグーンと加速するまでの時間が多少かかるため、前を遮られたりする能力発揮ができないリスクを伴いますが、ここに来て完全に本格化しました。
以前はかかったりもしていましたが、最近はそんな素振りも見せず、この距離のこのペースでも問題ありません。
マイル~2000mでこの末脚のキレを出せる舞台設定さえあれば、必ず突っ込んでくるでしょう。
今回も上がり32.6。極限に近い上がりを軽々と出しています。
府中2000mでも可能な限り外という稀有な馬ですが、安田記念だけに留まるとは到底考えられません。
ほとんど写真には写せずにしれっと3着に突っ込んだグレーターロンドン。こちらも上がり32.6。
脚もそうですが、賞金不足で次がどうなるか分かりませんが、この馬も文句なしにG1級の素質。
サトノアラジンの後ろからじっくり追走し、こちらは比較的ピッチ走法に見える走り。
「もう1列前で」というのは簡単ではないですが、賞金を考えると少し早仕掛けをしても良かったかなと思います。
正攻法でいい走りでしたが、相手を考えると、正攻法過ぎた感じもします。
ダイワキャグニーは東京専用馬の割には真っ直ぐ走れないのがネックです。
騎手もかなり気を遣っていますし、内に邪魔せずによく走り切りました。
時計だけ考えればこれ位は走れて当然で、前に行ける脚質もそうですし、G1でも穴を出しそうな雰囲気があります。
距離はマイルで走らせてみたい、というか春は安田記念、秋は天皇賞と目標が明確な分、マイルまで走れないと走る場がありません。
ヤングマンパワーは結果的にはキレ負けですが、今年の中ではマシな走りでした。
「G1になると大崩れする病」なので、なんとか秋のG1で良い所を見せて欲しい1頭です。
大きくて好きな馬でスニッツェル産駒。日本での後継になるためにはなんとかタイトルが欲しいですね。
リアルスティールが最後はサトノアラジンをクビ差抑えての勝利です。
勝ち時計1:45.6。上がり32.8。
前半からかかる素振りも見せずに楽に追走し、直線も待つ余裕を見せていました。
お隣で鞭がバシバシ入るサトノアラジンと馬体を併せてからスッと1馬身出たように、元々操縦性が高い馬でしたがこちらも休んで随分と良くなっていたんでしょうね。
調教で栗東坂路50秒を切る時計が出ていましたが、元々が緩そうな馬でしたので、5歳になってこちらも素質に身体が追い付いてきたのかもしれません。
天皇賞秋は絶好の舞台です。
昨年はモーリスにやられてしまいましたが、今年の方が雰囲気もいいですし、今年こそはでしょうね。
敗れた組だとソウルスターリングが着差こそ0.5秒ですが8着と掲示板外に沈みました。
逃げただけではない負け方ではありますね。
内から抜くのは既に阪神JFでも体験済みですが、オークスで最後フラッとなりながらも跳ねるように手前を替えたシーンはありませんでしたので、内で包まれて馬が躊躇したのかな。
どちらにしてもオークスっぽく走ってはいなかったので、負けたとはいえ何かが向いていない可能性があります。
上がり34.0止まりで、過去の時計を見ても33.8が最速だったのを見ると、スローの流れが根本的に向かないのかもしれません。
牡馬と走るとどうしてもいつもの走りが見えなかったメジロドーベルのようなタイプなのかもしれません。
桜花賞もそうですが、たまに意味不明のポカがあるタイプなのかも。
サンプルが少なくて全く分かりませんが、天皇賞で何となく見える気がします。
少なくともかつてのオークス馬と遜色がないという走りには見えませんでしたので、能力的に通用しないというのは考えにくいです。
私は天皇賞では狙います。外枠に入った方がこっちもよさそうですけどね。
もう1頭。マカヒキです。
スローの上がり勝負となればこちらは大得意だろうと思ったのですが…。
上がり33.0位は普通に出せると思っていただけに、33.3止まりの6着には正直「あれ?」という気分。
多少内田騎手がコースを選んでいたシーンがあったのは事実ではありますが、それでもねぇ。
天皇賞は枠にもよりますが、下げてエイシンフラッシュさながらの直線一気を見たいです。
サトノアラジンみたいなレースでもしないと復活は無さそうに感じました。
レース後ガッツポーズをするデムーロ騎手。G1のような盛り上がりでしたので、思わず芝で帰ってきそうな勢いでした。
この日はデムーロ、ルメールを買っておけばいいという位の結果でした。
上手い騎手に有力馬が集まるのは勝負の世界だけに仕方ないにしろ、どうにかなりませんかね。
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