2017 キングジョージ レース回顧と他のレース




2017 King George VI And Queen Elizabeth Stakes(G1・アスコット・1m3f211yds・Good To Soft)

2017年のキングジョージです。

展望記事はこちらから。

この夏の重賞展望。クイーンS、キングジョージ、ジムダンディ。

2017.07.28

キングジョージが近づいて盛んに天気予報が競馬サイトに流れていましたが、馬場としてはGood To Soft(やや重)
カメラに水滴がつくように雨が降りしきり、やや重でも比較的重めには見えます。

そんな中8ポンド7ストーン(54kg弱)で登場のEnable(イネイブル)。
対するは9ポンド7ストーン(60kg)で出走する古馬陣。

比較的重い馬場の時は斤量差が出ると言われていますが、雨の状態を盛んに気にしていたのも分かります。
最近軽めになった印象すらあるアスコットでは分が悪くても、重くなれば自身も得意ですし、斤量差も活かせます。

レースはHighland Reel(ハイランドリール)と並んでEnableも好スタートを切りますが、ジョン・ゴスデン厩舎でゴドルフィンのMaverick Waveがペースメーカーを務めます。

ゴスデン厩舎はジョドモンドファームのEnableとゴドルフィンのJack Hobbs(ジャックホブス)を抱えていますので、1粒で2度おいしい馬です。

やや掛かり気味にも見える2番手のEnableに後ろというか外に徐々に出しながらHighland Reel
3番手にこの馬場が走りにくそうな青い勝負服Jack Hobbs。
4番手からはごちゃごちゃですが、兄の真後ろに付いたオレンジ丸のIdaho(アイダホ)。
その後ろの白帽子がUlysses(ユリシーズ)、集団の最内の青い勝負服Benbatlベンバトル)はダンテS勝ちで英ダービー5着の3歳馬。

後方は黄色が目立ちますが、黄色と黒の染分け帽が昨年エイシンヒカリをプリンスオブウェールズSで沈めたMy Dream Boat(マイドリームボード)。この馬は重馬場大好き。
黄色の星がついてる帽子がDesert Encounter(デザートエンカウンター)。前走エクリプスS3着馬。
もう1頭の最後方の青い帽子が南アフリカから参戦のSixties Song(シックスティーズソング)

この馬場なので、キックバックがすごいことになっています。
Enableはしっかり押さえ、外から徐々にHighland Reelが前に。途中から2番手に上がります。

コーナーの所で人気の3頭が並びますが、最内Jack Hobbsが道中からそうでしたが、走りにくそうにしています。
そこでは頑張って前に行きましたが、こんな所で仕掛けてペースメーカーを捕まえに行くようではいい結果は出そうにないな…という感じに見えました。
Highland Reelも終始外で4コーナーで前の2頭に離されましたので、この馬も硬い馬場が得意なケースが多いので、動きを見ると影響はあったように思えます。

直線はJack HobbsEnableが並んで走ります。

しかし、早々にJack Hobbsが潰れ、大外Highland Reelも差が詰まりません。
Enableが先輩牡馬後目に突き放していく後ろで、本格化して来たUlyssesが2番手に上がり、偉大な兄を振り切ったIdahoが3番手に。
しかし、後続とはどんどん差が開いていき、終わってみたら4馬身半の圧勝。

2着にUlysses、3着にIdaho。
4着は勝ち馬から9馬身1/4差でHighland Reel
Jack Hobbsは直線失速しペースメーカーにも差し返されて30馬身1/2差のブービーに沈みました。

それにしてもEnableの変貌ぶりには驚かされます。
ニューベリーでShutter Speedに負けていたのは今にして思えば何だったんだろう?

馬場状態が味方したとは言いませんが、ゴスデンさんも言っています。

She’d have won on good ground. She can handle anything. She’s won on Tapeta, good to firm and now soft to loose.

彼女にはいい馬場状態だった、と。タペタでも勝ってるし。

ゴスデンさんは3回目のキングジョージ制覇です。

Gosden was winning his third King George in seven years, the first with Enable’s sire Nathaniel. Taghrooda went on to contest the Yorkshire Oaks and Arc, finishing second and third, and Enable is set to follow the same path.

最初の勝利は彼女の父でもあるNathaniel(ナサニエル)
そしてアイキャッチ画像にもしている同じく3歳で圧勝したTaghrooda(タグルーダ)

コメントでは、タグルーダと同じパスを通る、と言っていますので、ここからヨークシャーオークス→凱旋門賞となるでしょう。
タグルーダは2着→3着と一歩届きませんでしたが、こちらはどうなるでしょうか?

デットーリ騎手は「どんな馬場でも走れるからさ」と言っていましたが、高速決着がどうなるか?は未だ不明。
2:36.22という勝ち時計でしたが、これはかなり遅く、2000年以降これより遅かったのは父の勝った2:35.07。

今年も良馬場なら高速決着となるであろうシャンティイ。
走りの素晴らしさこそ分かっていても、そこは一筋縄ではいきません。
日本馬が行くと「馬場が…」とか言われるのに対し、欧州馬だと言われる事が少ないですが、欧州だって当然ピンキリ。
この馬に関しては当然「馬場が合うか?」で考える必要がある馬だと思います。

凱旋門賞は一気に1番人気に躍り出ました。当然ですね。英愛オークスにキングジョージ。その全てで4馬身以上の差なら文句なし。

Highland Reelは馬場が合いませんでしたね。
やはり高速のスピード決着に持ち込めないと苦しい。

Jack Hobbsは道中から気にしていたように見えますし、今年のキングジョージはメイダンで勝てるタイプの馬では苦しかったと言わざるを得ません。
とはいえここ2戦はかつてない程の負けっぷり。この馬は凱旋門賞ではなく英チャンピオンSだと思いますが、昨年以上戦えるか?は疑問です。

ハイライトです。
日本もこういうのがあるといいんですけどね。
ドレスコードとかないので、絵にならないかもしれませんが、それでもいいじゃない。

 

その他のレース

アルゼンチンのサン・イシドロ競馬場で1000ギニーと2000ギニーが行われました。
さすがにアルゼンチンの馬は全然知りません。

Gran Premio Mil Guineas(G1・サンイシドロ・1m・Heavey)

1000ギニーです。

勝ちっぷりが良かったと思います。2着に9馬身差。
勝ったのはGiuliet Seattle(ジュリエットシアトル)で父はSeattle Fitz。
調べても全く分からん。競馬の世界は広いなと思いました。

 

Gran Premio Dos Mil Guineas(G1・サンイシドロ・1m・Heavey)

2000ギニーです。

こちらも全く分かりませんが勝ったのはGrito De Amor(グリトデアモール)。「愛の叫び」って意味ですかね。
多分1戦1勝。これが2戦目。2着に13馬身差。父はEmperor Jones。

1番人気はデビュー2連勝中のPuerto Realという馬だったらしいですが、6着。