クイーンエリザベスⅡ世カップ レース回顧




Audemars Piguet QEII Cup(G1・シャティン・芝2000m・Good)

香港のクイーンエリザベス2世カップです。
英語のままの方がコピペが楽なのと、QEIIって本家でも読んでるのに、そう記載した方が正しいだろうと。

今年はネオリアリズムが出走しました。
こちらがトレイラー。英語圏はこういうのが多いですね。良し悪しもあると思いますが、競馬好きの方はG1はこういう方が重厚感があって好きというかな。

馬場は1つ前の1400m戦のクラス3(1000万下位か)で1:22.03。
割と普通の馬場という印象です。

レースは見た人多数でしょうが、こちらから。

スタートでDictonが遅れたのはいいとして、それよりなによりあれだけ追い込んでいたPakistan Starが3番手位にいたことでしょうか。
ネオリアリズムもペースが遅いのに耐えきれないかのような雰囲気を醸し出しながらの1コーナーです。

先手を取ったのはThe United States。2番手に外からじっくりとBlazing Speed。
3番手の内にPakistan Starがいて、その後ろにWerther。
内からするするとリカバーしたDictonの外からネオリアリズム。

後方にはSecret WeaponにDesigns On Romeという展開です。

スローにも程があるスローペースで逃げました。
最初に28秒台の数字が出た所で「は?」と思いましたが、そこからも上がらない上がらない。
前半1000m通過で大体1:08.0。
1400mで1:22.0が出る馬場です。日本のやや重位と考えると、それはそれは遅い。

そこでモレイラ騎手の判断です。
抑えても無駄という感じで残り1040m付近から進出します。
この日そこまでで7レース全てに騎乗し3勝2着2回。そりゃ勝てる騎手と馬かもしれませんが、勝ちますね。
ペースもへったくれもない流れなので、スイスイと先頭に立ちます。

そこから一気にペースアップ。
後半5Fは全て11秒台が刻まれて、前後半がザックリ68.0 – 56.5 = 2:04.59。
後半が12秒近く加速するとか聞いたことがありません。前半と後半が別物過ぎてどう評価したらいいんだろう?と本気で悩むレベルです。

直線に入ると後続に差をつけることは当然難しいですが、抜かすのもまた難しいです。
後ろのBlazing SpeedとWertherが追いかけますが、大外からPakistan Starが最後一気の伸び脚。
ゴール前50mでBlazing Speedが脱落し、外からPakistan Starが追い詰めるもネオリアリズムにクビ差及びませんでした。

これでルーラーシップ以来の日本馬勝利です。
日本のG2馬なら世界中どこでもG1を勝てますので驚きはありませんが、スロー過ぎる流れに驚きました。
少頭数は少頭数なりの難しさもありますね。

Pakistan Starはラスト22.0を切る上がりを繰り出していますので、そこは立派です。
ただ、この流れでもコーナーで遅れるのは相変わらず。
こういうのを見ると勝ち切れないのも分かります。

勝ち時計はこのレースは2010年以降では最も遅い、訳ではなく2番目。
最も遅かったのは2010年のヴィヴァパタカが勝った時で2:04.97。この時の先導はネヴァブションでした。

勝ち時計が全てではないものの、天皇賞を見た後だとイマイチな感じは否めませんね。
ネオリアリズムもここを勝ったからどうってこともないですが、とりあえずタイトルホルダーとして宝塚記念とかに出てくれると面白くなりますね。