写真で振り返る 第52回フローラステークス レース回顧




レース

はてさて、全然予想もしていないのでタガノアスワドが逃げてくれるだろうという位の気持ちでスタートでした。

スタートは内で4番のレッドミラベル、真ん中でビルズトレジャー、外のニシノアモーレがやや悪かったです。
タガノアスワドが好スタートから最初のコーナー前で先頭に立ち、外からヤマカツグレースで1コーナー。
最初のコーナーでモズカッチャンが内に切れ込んだタガノアスワドがザクイーンの前に入った影響で少し詰まりました。

これで国分騎手は戒告とのことですが、モズカッチャンは仕方ないにしろレッドミラベルは別にこれが影響か?とは思います。
後ろで引っかかって前に行ったのをカットはされた形にになりましたが、そんなに影響はあったのかな。

そもそも東京2000mというコース形態上、多少内に切れ込むのは仕方ありません。
ワンターンで芝2000mを作れなかったのが…という事が先に出てしまい、戒告は仕方ないにしろ、あまり強く責められませんね。

そんなこんなで1コーナーを過ぎ、タガノアスワドが先頭でヤマカツグレース2番手。
外からフローレスマジックが3番手にしっかり取り付き、内で抑えながらザクイーン。
アロンザモナ、ピスカデーラと続き、内にモズカッチャンで外にキャナルストリート。

ディーパワンサと並んでまだ力が入ってそうなレッドミラベル。
少し空いてレッドコルディスにホウオウパフュームが内で脚を溜めています。
ビルズトレジャー、アドマイヤローザにドリームマジックが内で。外からメイショウササユリ、ニシノアモーレから離れてラユロットという展開です。

道中印象的だったのはタガノアスワドが先頭でも掛かっているような乗り方になっていた所です。
先頭で走る難しさもあり、初めての競馬場で先頭を走るというのはいくら今までずっと先頭を走った馬とはいえ大変なのかと思いました。

それでもきっちり狙い通りのスローペースを刻んで37.1 – 61.5。
タガノアスワドはもっと抑えることが楽にできると最後まで切れるとは思いますが、抑えるのに苦労してしまった印象はあります。

2番手のヤマカツグレースもフローレスマジックも前がいるのでしっかり楽な感じで走れていました。
開幕週の東京でこのペースだと後方組は楽ではありません。

後方で人気のホウオウパフュームが内目から徐々に外へ。
その走り、コース取り自体に無駄はありませんでした。ペースが上がって外のスペースができたら外へ、というのを繰り返しながらロスは最小限に留めていたなとは思います。
とはいえ内外ほぼ差のないコースなので、それ自体ロスと言えばそう。追い込み馬の宿命です。

モズカッチャンは内でザクイーンの後ろでこちらは最短距離を追走。
4コーナーの雰囲気だけで言えばフローレスマジック有利な展開と見ていました。

直線に入ります。

タガノアスワドが逃げていますが、ほぼ持ったままの手応えでヤマカツグレースとフローレスマジックが追いかけます。
タガノアスワドは残り400m付近で顔を外に向けて半強制的に手前を替えていますが、そこから伸びがありません。
テクテク小股で走っているように見えていた時に比べ、大きなストライドだったと思いますが、リズムが遅いというかどうもキレという点でイマイチ。

モズカッチャンは内に入ったので、前が壁になり、外もザクイーンがいて厳しい所ですが、タイミングよく隣がバテ、前がバテました。
フローレスマジックの外からキャナルストリートが一瞬伸びかけましたが、ゴールに向かうにつれて顔が外を向きだしてしまい、レッドコルディスと並んだ所で大きく失速。道中から直線までは悪くありませんでしたが、ブロードストリートのようにはいきません。

ヤマカツグレースが非常に滑らかに先頭に立ちます。
フローレスマジックが手応えの割にそこまで伸びず、差が詰まりませんでした。

左鞭を入れながらヤマカツグレースが粘ります。
その後ろでひっそりと息を潜めてタガノアスワドの外へスッと持ち出したモズカッチャンがいます。
アロンザモナも人気が無いですがOP勝ちの桜花賞出走組の意地を見せ、頑張っています。そりゃ簡単に桜花賞のゲートに入っていません。

モズカッチャンカメラみたいな感じですが、内の手綱を開きながら外へ。
内の手綱を開き、やや左(内側)へ乗り、右鞭を持って大きく急激にいかないように制御しながら外へ行っているのが印象的です。
外に行くから左鞭で外の手綱を開くとかしてしまうとキュイーンと動いちゃいますので、後ろにも迷惑です。
私は手綱で制御してしまう癖があるので、こういう考え方は見習いたい所です。

ゴール前は激しい大接戦。
先に抜け出したヤマカツグレースもバテている感じはありませんが、フローレスマジックも外から来られて再度火が付いたように前を追いかけました。
この感じの絵は好きです。追っている感じが出てて。

タガノアスワドはペースもありましたが、バテたように見えてもバタバタにならず、ここまで食らいつきました。
スタートの反応も良く、先手を容易に取れるのは魅力的です。
今回は4着でオークスは厳しいですが、この感じなら見たかった1頭ですね。
そこまで大きく結果に影響したとは思いませんが、もう少しだけ前半気楽に走れれば、ペースは申し分なかっただけにその状態ならどうなの?を見てみたかったように思います。

レッドコルディスは内に行ってみたり外に行ってみたりとフラフラを制御しながらの直線でした。
最後脚色が同じになってからは意外に真っ直ぐ走っていたので、寄られるとイヤなのかも。
それでも11番人気5着ですので、立派です。

アロンザモナは桜花賞出走馬らしく良い粘りを見せました。
元々距離がどうか?とも言われていたと思いますが、そこはトップと走ってきた経験が違います。
そう簡単にフローラステークス組が桜花賞組を逆転できないというのが分かります。この上にいるのが桜花賞上位陣です。

ホウオウパフュームは直線でダイナミックな走りはしていましたが、前を差を詰める程の違いはありませんでした。
中山で34秒台前半は素晴らしいものの、東京でも同じ脚だと他の馬も出せてしまいます。
ただ、これだけで中山向きとかそういう事ではなく、今回は何かと向かなかったという風に思えば良いと思います。
単純な直線の切れ味勝負だともしかしたら分が悪いのかも。

ディーパワンサは走るたびに悪くなっている感じを受けます。
距離は多少長くてもこのペースです。見せ場がここまでない馬ではないと思いますので、立て直しができればいいですが…。

2着のヤマカツグレースは2番手から非常にいい走りでした。
抜け出してからもしっかり走っていましたし、ある程度スローで気楽に先行できるというのはオークスではマイナスに働く事はありません。
きちんと逃げ馬が出てきてくれればいいですね。自分から行くというのはなかなか大変ですし。
今回は目標もあってスタートから非常にスムーズなレースでした。

3着のフローレスマジックはいい感じで4コーナーに見えたものの、直線は弾けず。
マジックストームの仔らしいっちゃらしいですが、オークスでも崩れなさそうな反面、勝ち切るイメージも沸かず。
外からモズカッチャンが勢いよく上がってきたら一緒にスピードを上げているので、本気で走ってないかもしれませんね。

モズカッチャンは内からするすると抜け出し、ゴール前は素晴らしい脚で33.9の上がり。
これで3連勝でオークスです。
今回は内枠でじっとできた所、直線で外がタイミングよく開いた事は確かに恵まれましたが、切れ味は十分見せました。

母系は母の母の母であるBright Tiaraからすると、母の母であるベストブートはココシュニックの妹。
ココシュニックはステファノスのお母さんですので、そういう流れ。

時計自体は2:01.3ですし、昨年みたいなほぼ間違いなくオークスでも好勝負、という感じは受けません。
ディアデラノビアもほぼ前残りの競馬を33秒台の脚でぶった切りました。ペースなどはそれに近いのですが、迫力はそこまでとは言えません。
フローレスマジックからの差を単純に測定していいものでもないので、展開が向けば馬券内に…位の位置にはいるかなぁ程度が妥当かなと思います。

これも観戦しての印象ですので、そんなに当てにはなりませんけどね。