写真で振り返る 第31回根岸ステークス レース回顧




スタートから向正面

スタートでコーリンベリーが滑ってしまって大きく出遅れてしまいました。
大外ノボバカラも出が悪く、カフジテイクも追い込みということもありますので、こちらは出遅れというよりはゆったりとしたスタートです。

押してモンドクラッセが先頭を奪います。
初めての1400mですが、スタートも決めて積極的に走ります。

2番手に外からグレイスフルリープ、内でブルミラコロ、ニシケンモノノフ、ラブバレットと先団を形成。

少し離れてベストウォーリア、内目にラストダンサーに芦毛タールタンの外からベストマッチョ。
出遅れてしまったコーリンベリーが内に入りながら中段まで巻き返し、外からグレープブランデー。
グレープブランデーが砂を嫌がっているのか顔を外に向けて抑え気味。外からノボバカラ。

内からスルスルとブライトラインがいて、外目にカフジテイク、キングズガードにエイシンバッケンという展開です。

ペースは前半35.0ですので、しっかりとしたペースです。
前が楽なペースではありません。

道中は前もそうですが、カフジテイクはスタートから外決め打ちのような騎乗でした。
スタートして下げて外へジワジワと進路を取り、パトロールビデオではコーリンベリーが内へ入った動きもあってクロスする動きがとても綺麗です。ちょっとしたカドリールのような。

エイシンバッケンに一度外から押されて内に押し戻されそうになりましたが、コーナー手前で前のグレープブランデーが内に行った所で少し外へ出し、被さられにくい位置に。
エイシンバッケンが無理すれば外から被せることも可能でしょうが、カフジテイクは止められても自分も勝てません。

走っている後ろに砂煙が舞いますので、馬も騎手も大変ですね。
顔を外に向けている馬も多かったので、幾ら歴戦の古馬とはいえ、直撃を続けられると気持ちの面で厳しい所もあると思います。

 

直線

モンドクラッセが先頭で直線へ。
余力十分には見えますが、楽なペースでもないですし、ある程度のスピードを求められる距離なので、モンドクラッセとしてはどこまでスピードを出せるか?の戦いです。

カフジテイクは大外へ。
ベストマッチョはベストウォーリアの外にいますが、反応はイマイチでした。4コーナーでは少し置かれるシーンもありましたし、まだまだかもしれません。
エイシンバッケンは少し内側を選択します。

エイシンバッケンの所を見ていましたが、一度タールタンとベストマッチョの後ろが1頭分スペースがありました。
そこで一歩先んじていたキングズガードが進路を外に切り替えてエイシンバッケンの前へ。
これで私の複勝も万事休すと思い、後は伸びそうなベストウォーリアに視点を切り替えてレース観戦。

ここでベストウォーリアがほぼ前を捕えに行きます。
モンドクラッセもかなり粘っていますが、ラスト1Fになり急激にラップのダウン。
ただ力があるために簡単には沈みません。いい粘り見せました。

外からカフジテイクがすっ飛んできましたので、今度はそちらへ視点の変更。
エイシンバッケンはブライトラインとベストマッチョの間しかないので、そこをこじ開けて走りました。

ベストウォーリアが先に抜け出すと同時にカフジテイクが射程に入れました。
深いというかパサパサダートを物語るように、ベストウォーリアの右前脚の蹄が完全に埋まっています。
これは馬も大変でしょう。海岸沿いを全力疾走するようなものなので、ある程度のパワーが求められます。

ニシケンモノノフ、キングズガード、エイシンバッケン、ブライトラインという所も追い込んできていますが、前との差はあります。
この距離の重賞級とそれ以外との差が少し出たと思います。

ベストウォーリアは負けてしまいましたが、この距離はまだまだ安定して走ります。
58kgを背負っていますし、抜け出し方も全く衰えは感じません。
ただ、どうしても誰か決め手のある馬やスピードがある馬に負けてしまいますね。
レースも好スタートから好位置を走り、追い出してから反応して抜け出すというレースをしていますので、悪い所もありません。
中央G1を勝つとなると10点満点の武器が欲しいですが、どれもこれも9点みたいな馬なので、最後の決め手は運でしょう。
あまりローテーションを詰めて良い馬じゃないですが、経験ない訳でもありませんので、何とか頑張ってくれると思います。斤量も減りますし。

エイシンバッケンは何度もブレーキをしながらもゴール前で一気に他の馬と違いを示す脚で駆け抜け、上がり34.9で3着。
よくぞ縫ってきてくれました。
最後はベストマッチョを押しのけて出てきましたので、岩田騎手が「らしくなってきた」かな。ただ、無理矢理ではないので、納得です。
キングズガードが外を選択したところのロスが無ければもっといい勝負だったと思います。初重賞ですが、十分やれそうです。

キングズガードはレースそのものは特に気になりませんが、直線でずっと外の手綱を開いて乗っていたのが気になりました。
「左回りがちょっと苦手」というような感じのコメントもありましたが、その辺でしょうね。
多分気を抜くとささってしまってどうしようもないかもしれません。よくほぼ真っ直ぐ走らせたなぁと感心。

ニシケンモノノフはいい感じに見えましたが、並べず。
中央の重賞だと一歩足りませんね。

モンドクラッセが負けましたが距離を考えたら悪くありません。0.8秒差ですし。
ただ重賞だとこちらも少し負けてしまうのが続いているので、路線が難しいですね。1200mでも逃げられる気がしますが、粘り込むにはスピード不足を露呈しそう。

地方からのラブバレットも直線結構粘っていました。
スピードもありますし、交流競走でも人気以上に走っていますので、これからも頑張って欲しいです。

ベストマッチョは連勝ストップで初の大敗。
ダートで一気に突き抜けるのは難しいので、勝てれば昨年のモーニンの再来か?でしたがそううまくいきません。

勝ったカフジテイクはレース上がり36.1の所を34.5の脚でまとめて差し切りました。
強かったですし、非常に鮮やかな勝ちっぷりでした。珍しい位のダートの直線一気。

乗り方はもう追い込むだけですので、「伸るか反るか」の丁半博打。

父プリサイスエンドはグロリアスノア以来の重賞制覇。
トウショウボーイから始まり、ラシアンルーブル、スキャン、プリサイスエンド。面白い血統ですね。Mr. Prospectorの4×3とNijinskyの4×4。
関係ないですが、Arrogate(アロゲイト)はMr. Prospectorの4×4です。

今回の時計も悪くないですし、ダート1600mは重馬場だったとはいえ1:34.2の持ち時計。
少し軽い方が良いと思いますし、やや重位であれば積極的に狙いたいと思います。

 

ダートのスタート地点は改善したらいいのに

今回もそうですが、ダートの出遅れで「滑ってしまう」というケースがあります。
コーリンベリーが滑るように遅れてしまいましたが、パサパサな砂場で1歩目ですので、これはあり得ます。人間だってそうですし。

決して反応しなかったとか、フラフラとゲート内でしていたとかでもなく、両脚を揃えてきちんと静止状態で反応しているにも関わらずです。

ゲート内だけはジョウロで水を撒いて少し湿らせるとか、少しグリップを効かせるようにしてあげられないものでしょうか?
今回はコーリンベリーが横に滑っただけなので落馬はしませんでしたが、ダートのスタートでの落馬はこれ原因もあります。

乾燥注意報がでるような天気の場合、何かできないものですかね。
少しだけ水で濡らすだけで違うと思うんですけどね。