レース
スタートはナムラビクターが後手ですが、それ以外の馬は揃った綺麗なスタートです。
大外のクリソライトもそうですが、ホッコータルマエも積極的に仕掛けています。
アスカノロマンも前に行き、コパノリッキーは逃げる感じは見せずに出たなりに無理せず走ろうというような走りです。
内に入れたアムールブリエ。
ノンコノユメもどん尻では当然届きませんから、先頭集団から離れた6番手。
サウンドトゥルーはスタート直後に若干促しましたが、それ以上に無理せずに最内へスーッと入りました。
クリソライトは昨年も2番手から2着にしていますし、意識的に出していきました。
スピード勝負になるよりはスタミナ勝負になった方が分がいいでしょうから、作戦としては分かります。
クリソライトがアスカノロマンを抜いたらアスカノロマンがグッと力みました。
これが大きく響いたとは思いませんが、前走に比べると厄介な展開にはなりそうな1コーナーでした。
コパノリッキーは非常にスムーズに走っていたと思います。
ホッコータルマエは外目からコパノリッキーを見る形で進めました。理想通りに近いのではないでしょうか。
スピード感を感じる1コーナー手前の写真です。
アスカノロマンの太宰騎手が少し後ろ体重になっているので、思ったよりヒートアップしてしまったのかもしれません。
向正面でクリソライトは特に絡まれる事無く逃げていました。
気になったのはコパノリッキーでしょうね。
掛かっているのではなく、スピードを抑えているような感じに見えました。
馬が前に前に行きたがっている様子ではなく、鞍上が「無理しなくていいからスタミナ温存しよう」と指示してきちんと従っている風な走り。
6歳になって更に円熟味を帯びてきました。
サウンドトゥルーが後方から内目をジワジワ進出し、ノンコノユメも向正面で多少騎手の手が動くのはいつも通りです。
サウンドトゥルーは個人的には好きな騎乗です。
前半2F目位までは無理せずじっくりと乗り、恐らく馬群がばらけるであろうことを予測して狙って最内へ。
そこからペースが落ちた所でジワジワ前との差を詰めるというのは追い込み馬としてはセオリー通りです。
最内を走っているので距離のロスも少ないですし、ある程度無理なく差を詰められたと思います。
ペースは前半が36.0 – 62.2。
時計だけ見ると平均ペースですね。
ラップを書き出すとこうなります。
12.5- 11.2- 12.3- 13.4- 12.8– 12.5- 12.7- 12.2- 11.5- 12.4
このレースの特徴的だったのは赤字の所。2Fで26.2は帝王賞ではなかなか見ない数字です。
この部分だけで見ると過去10年で最も遅いです。
きっちりと落としたので、上がりがある程度出せそうなレースになりました。
レースとしては62.2 – 61.3 。
ちょっと落ちた所があるものの、トータルで見ると極めて普通の帝王賞というラップです。
2F目の11.2というのはなかなか速いです。
これを超えるのはあのスマートファルコン以外は見ないので、やや無理したかもしれません。
クリソライトは昨年の方が時計だけは勝っていますが、先頭を取りに行った所が少し無理があったかも。
3~4コーナーでコパノリッキーが先頭に立ち、逃げていたクリソライトとアスカノロマンが早々に脱落。
外からホッコータルマエとその外から鞭を入れてノンコノユメにその後ろからサウンドトゥルー。
直線はコパノリッキーは1人旅でした。
4コーナーで少しだけ手を動かしただけで先頭に立ち、そこから持ったままで後続を離す勢いですから。
ホッコータルマエもノンコノユメも追い詰めるに至っていません。
ラップが少し落ちた所がありましたので、こういう時は大井の大きい所を勝つには11秒台の脚が求められます。
先頭で11.5のラップが出てますので、芝でも十分なのに不良馬場のダート。差を詰めるのは難儀です。
残り100mでは圧勝ムードでした。
ノンコノユメも後続との差を広げているので、文句なしにいい走りをしました。
ただ、レース運びが自在にできるコパノリッキーとの差が出たと思います。でもまだ4歳馬ですから。ダート界では若造です。
コパノリッキーは文句なしの走りでした。
時計はもっと出てもこの馬だけは対応できたでしょうね。
好スタートから好位を取って、4コーナーで一足先にスパートして差をつけ直線で離す。言う事なしです。
爆発力のある短距離向きのスピード馬ではないので、これ位の距離の方がいい気がします。
「前にいつでも行けるぞ」とアクセルを吹かしながら走れているので、乗ってる方は楽だろうなと思いました。
体も547キロと大きくなりました。夏にかけて普通は汗が出て体重が落ちるものですが、どうしたんでしょう。
ノンコノユメは上がり36.5とコパノリッキーに0.4秒遅れましたが、直線は差が広がりもせずだったので、4コーナーでの分でしょう。
これ位捌けるといいですが、後ろから行く馬だけにどうしても相手次第の面も。
もう少しシュッと反応できると違うんでしょうが、それだとこの馬らしくもないですね。
サウンドトゥルーは4コーナーでそのノンコノユメにも遅れました。
反応が悪かったですね。東京大賞典はスーッと4コーナーで前に行っていたので、なんかイマイチでした。
ホッコータルマエは最後の離され方は徐々にピークが過ぎてきてしまったかなという敗戦です。
いい時ならもっとコパノリッキーに並びかけて行けたと思いますが、追い出してから遅れてしまいました。
毎回粘り強く走る馬なので、一気に衰える事はないでしょうが、こういう敗戦が多くなりそうに感じます。
ユーロビートは後方から追い出した感じは良かったです。
時計的にはこれ位は走れてもおかしくないですし、もっとペースが乱れればあと1つ2つはある走りでした。
勝負に加わったとは言えませんが、意地を見せたと思います。
アスカノロマンは1コーナーまでがスムーズだった割には力が入っていたとはいえ、脆かったです。
今年に入ってからは逃げる必要もなくなり、フェブラリーSでは追い込んで3着してますので、どんな流れでもいけると思ったんですが…。
4コーナーで早々に潰れるとは思いませんでした。
クリソライトも負け方としては不本意でしょう。
そこまで特殊なレースではなかったと思うだけに、無抵抗であっさりと負けたのが不思議です。前半を考えるといくら何でもバテ過ぎです。
カクテル光線に照らされて、黄色の勝負服と栗毛の馬体が映えました。
ピントが若干ずれていますが、まぁそういうものです。
これでG1とJpn1合計で7つ目のタイトルです。見事な走りです。
ブリーダーズカップのダートマイル挑戦という話も出てましたが、サンタアニタパーク競馬場は1マイルの勝ち時計が1:35.5位の競馬場です。
数字だけなら対応できそうですので、見てみたい気はします。
ちなみに、出走してきそうな1頭としては昨年のBCスプリントの覇者Runhappy(ランハッピー)。
今年は距離を伸ばしてくるんではないかと。なんせこの馬、目標が2017年1月28日に行われる第1回Pegasus World Cup(ペガサスワールドカップ)だから。
あのレースは1800mなので、わざわざ昨年と同じ1200mは走らないと思います。
ちなみに、昨年末のサンタアニタで行われたマリブSです。このレースは1400mに距離を伸ばしてきました。
まぁこれはまだ先の話でしょうが、こういうのを考えられるのは良い事です。
行くなら是非頑張って欲しいですし、行かなくてもチャンピオンズCもまだ取ってませんから。再々チャレンジでも十分面白いです。
一先ずはおめでとうございます。
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