第153回天皇賞(春) レース回顧。キタサンブラックが長距離の頂点へ。




スタート~1周目

スタートはキタサンブラックと外のサウンズオブアース、ゴールドアクターがいいです。
ゲートが開く直前にトーホウジャッカルが暴れてましたが、開いたらすぐ出たので良かったと思います。

外の2頭は人気も背負っていたし、早いうちにポジションを取りたいという思いもあったでしょう。
少なくともスタート直後は上手くいきました。ただ、そこは3200m。そこからが勝負です。

キタサンブラックがすんなり先頭でヤマニンボアラクテが2番手、内でじっくりとカレンミロティック辺りが前です。
1周目の坂の下りではゴールドアクターでしょう。
外からマイネルメダリストがスーッと上がっていった所で口を割りました。
マイネルメダリストに熱くなったかはわかりませんが、スタート直後から熱くなってしまうとスタミナ以上に集中力が持続しないと思います。
長い距離を走るにはある意味ではダラダラと走ることが求められます。1周目で厳しい戦いになりそうな気がしました。

スタートして1コーナーまでにトーホウジャッカル、タンタアレグリア、マイネルメダリスト辺りでごちゃごちゃっと。
タンタアレグリアは1列後ろになってしました。コーナー手前でごちゃごちゃするところですが、これが競馬ですかね。

サウンズオブアースは外目から積極的に入り、先頭を見る形の4番手か5番手辺りに。
比較的スムーズにポジションを取れたと思いましたが、昨年の結果と今年の結果を考えると、58キロと距離の複合技で乗り切れない馬なのかも。

トーホウジャッカルも掛かり気味ですが、この馬については前走の負けっぷりが走る気がないように見えたので、「今日はやる気ありそう」と思いました。

アドマイヤデウスがスタート直後からインへスーッと行ったので、さすが岩田騎手です。

ペース

お見事だと思います。
さすがにこれは武豊騎手のペースの作り方はお見事としか言いようがありません。
天皇賞3200mを4分割しますと、過去良馬場で行われた10年の平均は以下の通りになります。
天皇賞春ラップ

48秒後半×2回で1600m流れ、そこから800mは50秒台前半と2秒程度落ち、最後800mは46秒台中盤と4秒程度加速してフィニッシュするというのが天皇賞です。
ざっくりいうとこういうレース。

それに対して今年は 49.7 – 48.6 – 50.4 – 46.6

絵に描いたようにきっちりと刻みました。ラップとしては「ザ・天皇賞春」です。
これを先頭でやられたら、基本的には負けることはほとんどありません。
キタサンブラックが勝った菊花賞は途中の中弛みが入り、この馬の持ち味が発揮できたからではないかと思いましたが、今回の天皇賞については全くそういう事がありません。

最初の1Fを除いて13.0を超えていませんし、力で押し切りました。着差以上に強いと思います。