写真で振り返る 第34回フェブラリーステークス レース回顧




レース

久々のG1のファンファーレでしたが、晴れて良い盛り上がりだったと思います。

で、スタート。

外のピンク帽子2つがとても積極的ですし、ニシケンモノノフも好スタートを切りました。
サウンドトゥルーにゴールドドリームもあまり良くありません。
コパノリッキーもマイルで逃げるとなると、スタートとしては失敗というか速くないです。元々そんなにスタートダッシュの良い馬ではないのもあり、「今回もリッキー先手は難しい」というのが20m位走って分かりました。

芝からダートに入ります。

外の芝コースを存分に使った感じのインカンテーションと押して押してのニシケンモノノフが先頭でダートに入ります。
ある程度インカンテーションは行くだろうと思っていましたが、ここまで行くとは思いませんでした。

結果インカンテーション先頭でニシケンモノノフ2番手という私の戦前の展開予想は潰えます。
恐らく逃げるであろう馬がいる場合ですら当たらないのだから、走ってみないとわからないものだということです。こんな所でショックを受けていたら競馬なんて続けられません。

少し離れてコパノリッキー、外からケイティブレイブ、間にモーニンと続きます。
アスカノロマン、内で今年はそこまで包まれなかったホワイトフーガにベストウォーリアと中段はややばらけています。

ゴールドドリームにキングズガード、やや押しながらノンコノユメが追走し、内でブライトライン。

やや顔を外に向けてのエイシンバッケンにサウンドトゥルーが内、外にカフジテイクとデニムアンドルビーという展開です。

道中砂が激しく舞い、エイシンバッケンやブライトラインも少し顔を内に向けたりしています。
これは大変ですが、水を撒く訳にもいきません。

ゴールドドリームはスタートあまり良くなかった割に道中いい位置取れました。
これはある程度ペースが流れたのもありますし、追い込み身上の馬がハッキリ下げているのもあって中段が比較的タイトな状況になりませんでした。
スタート直後からジワジワと外に出していき、向正面の3コーナー手前くらいではキングズガードが横にいますが、前にも多少スペースがある外目を確保できました。

道中は流れました。
インカンテーションがここまで積極的に進めるとは思っていなかったのもありますが、最初の600mが34.0。
昨年時計の出る重馬場で34.1ですし、これより速いのはメイショウボーラーとトウショウギアがぶっ飛ばした2006年で33.9があるだけ。
もちろん追走も楽ではないですが、前も楽ではありません。600m通過した時点でモーニンのストライドが早くも怪しくなっています。

そこから少し緩めて、46.2-59.0。
インカンテーションは4コーナー手前位で後続を引き付けた逃げになります。

そこでゴールドドリームは前にアスカノロマンがいて、外にキングズガードがいました。
あれでキングズガードが「王の楯」名前の通りゴールドドリームを抑え込んでいたら出れなくてアウト、の場合も考えられたと思います。
アスカノロマンがケイティブレイブの真後ろに入って外が開いた状態なので、キングズガードさえやっつければ直線で詰まる事はなさそうです。
外のキングズガードとの接触もあったと思いますが、ペースが緩んだ4コーナー手前で強引一歩手前位の勢いで押しのけて先にアスカノロマンの外へ。
この辺の嗅覚と言いますか、勝負勘なのか分かりませんが、これがG1で勝てる騎手なのかなと。

実況も言っていますが、ゴールドドリームがグーンと上がる下地が出来上がりました。
その後ろにノンコノユメもいますが、こちらは道中から押したりしていましたが、反応の鈍さが目立ちます。

砂煙舞う中、4コーナーへ。
今度カメラを買い替えしようと思っているので、この辺りの絵ももう少し綺麗に撮れるかなー。

前を走るエイシンバッケンが外に出したため、その後ろのカフジテイクも同じように大外へ。
なるべくコーナーで外走りたくないのはヤマヤマですが、あの位置にいる以上前の影響を受けるのは仕方ありません。

直線もそうですが、特に前に砂を直撃で被せる馬がいるという訳でもないのにコパノリッキーは顔を外に向けて走っていたのは気になりました。

そんなこんなで直線です。
ニシケンモノノフが素晴らしい走りを見せて先頭に立ちます。

コパノリッキーの武騎手が素手もしくはガッツポーズに見えますが、鞭は持っています。
カフジテイクが大外で最内から大外に持って行ったサウンドトゥルーと一緒に追い込み体制です。

インカンテーションが潰れ、ニシケンモノノフが気持ち内に入ったのもあり、コパノリッキーとの間にベストウォーリアの進路が出来上がります。
道中流れに乗りつつも、内でじっくり溜めたエネルギーをここで解放。過去ない位ベストウォーリアにとっては良い展開だったと思いました。私はこの時点でベストウォーリアの勝ちだと思いました。

が、ベストウォーリアが意外に前を手こずり、ゴールドドリームが一気に馬場の真ん中から先頭へ。
コパノリッキー、モーニンと過去のチャンピオンは後方へ沈みました。

両者がニシケンモノノフを交わしてマッチレースに。
特にデムーロ騎手の右鞭が凄まじいものでした。

なんと言っていいのか分かりませんが、馬上で真っ直ぐではなく身体の左を前にして、斜に構えるような位置で乗り、強い右鞭。
左右に馬もおらず1頭で抜け出し、多分疲れからだと思いますが、ゴールドドリームが手前を替えた時に外によろっとしました。
それを許さんと言わんばかりの鞭。

デムーロ騎手、戸崎騎手の右鞭が写真では揃っています。「直線の叩き合い」というようなシーンです。

ベストウォーリアは負けてこれで5回連続の2着。
フェブラリーステークスも4着、3着もあって今回2着。今回は勝ったと思いましたが…。

内でじっくり構え、直線もほぼロスもありませんでしたし、コパノリッキーの後ろで直線少しスパートを待ったのも良かったと思います。
最後までしっかりと伸びました。それでもクビ差2着ですので、「運がない」と言ってあげた方がいい気がします。

エイシンバッケンはカフジテイクより一足先に動き、直線見せ場もありましたが4着。
ゴール直前には岩田騎手の左鞭にも内側によれてしまっていたので、疲れたんでしょう。
ただ1600mでもしっかり伸びていますし、まだまだダート界では若い5歳。今後の成長に期待したい馬です。
カフジテイクに差されたのはG1での実績の差、重賞勝ちの実績の差でしょうね。

ニシケンモノノフはラスト1F位まで粘っていました。
この流れについていき、切れる脚ではなく粘る。意識的にポジションも取りに行っていましたし、ナイスな騎乗でした。
大体どんな相手でもこれ位負けるのは特性でしょうかね。

ノンコノユメは道中と直線入り口とかの反応が悪いので、後手後手に。
カフジテイクが上がり34.9に対し36.0。
追い込み馬としてカフジテイクより先に頭角を現しましたが、セン馬になって以降流れに乗り切れません。あの感じだと長めの距離の方がいいとは思います。

サウンドトゥルーは直線大外。
最内で突っ込めるものでもありませんし、内枠は乗りにくかったと思います。

モーニンは…。
4コーナーで既に手応えがなくなり、スピード型だと思うのに前半から追走に四苦八苦。
Henny Hughesの仔とかイメージですが急激に良くなって急激に下がるような気がしているので、全然上がってきませんでした。調教とかではない何かあるんでしょうか?分かりません。

コパノリッキーはスタートもイマイチで並ばれて終戦。
絡まれると脆いですし、全体的にレースが向かなかったということもありますし、今の感じだとマイル以上が望ましいでしょうね。

大外から上がり34.9で追い込んだカフジテイクが3着。
ラスト11秒台で走っていますが、こういう追い込み馬で安定して勝つというのはそもそも簡単ではありません。
ゴール前で内にささっていますし、余力もあるような無いような感じですからね。
前に行けば前に行ったで同じ脚が使えるわけでもありません。
津村騎手が「失敗した」と言っていますが、この馬の良さを出すにはこうするしかないのであれば、この走りで心中するしか無いと思います。

勝ったゴールドドリームは4歳馬ですが若さを感じさせない安定した走り。
4コーナーで蓋をされずにフリースペースを確保したのが大きかったと思います。
東京1600mはお手の物ですし、亡きゴールドアリュールに捧げる素晴らしい1勝でした。
勝ち時計1:35.1も素晴らしく、この馬は軽いダートで左回り(大回り)が好きみたいですね。
大井や園田では同年代にもやられていますし、今まではまだ不明な部分もありましたが、本格的に競馬場で選ぶ馬かも。

デムーロ騎手は色々とパフォーマンスがあっていいですね。
エンタメの側面もあるので、何もないよりはあった方が好きです。

ちなみに、予想は本命を外したので即NGです。
他の馬のチョイスはそこまで外していませんが、本命外しちゃダメですね。