スタート~4コーナー
好スタートは内のソルヴェイグが切りました。内で田辺騎手促す感じで非常に積極的です。
ピンク帽2頭(ミッキーアイルとネロ)も好スタートから予定通りの先行策です。
勝ったからもありますが、デムーロ騎手のレッドファルクスも押しながら前に行っています。これは想定外でした。
内のビッグアーサーも五分のスタートからスッとソルヴェイグの後ろへ。ここまでは予定通りでしょう。
他はレッツゴードンキが思いのほか下げたのが気になるのと、昨年はいい位置に入ったサクラゴスペルも後ろになってしまいました。
ベルカントはスタート直後にシュウジに寄られ、2歩目位で狭くなるというアンラッキー。1列後ろになってしまいました。
逃げ宣言をしてましたので、外からスーッとミッキーアイルが先頭に立ちます。
最初の2Fが11.8 – 10.5。
平均的なスプリント戦です。
しかしビッグアーサーがかかってどうしようもありませんでした。
クビを振りながら走ってますし、いくら1200mと言えどもなかなか厳しい前半になってしまいました。
これは前走逃げた影響か?というと正確には分かりません。
ただ、前走逃げる形になりましたが、スノードラゴンが外から来た時に反応した結果たまたま前に馬がいなかったから先頭に立ったというようには見えました。
「前走逃げたから」ではなく「前走の時には既にそうだった」という方が正確な気がします。
誰かに寄られた、ぶつけられた、ペースが遅すぎるなどなど要因はあるでしょうが、ほぼどれにも当てはまらないので、勝手に前に突っ込んでいます。
ちょっと抑えが利かない馬になってしまったような気がします。
ジョッキーの意思を完全に無視して馬が行ってますので、これは大変だと思いますよ。
内枠だからこんな感じになりましたが、外枠で前がいなければミッキーアイルと並ぶところまでは行っていたでしょうね。
1200mは競馬としては短いと言っても人間でいうと私は600m走(そんなのないですが)だと思っているので、呼吸を止めて走れる距離ではありません。
短いからと言って押し切れるものではありません。
ミッキーアイルの刻んだペースは私の想定33.5より少し速い33.4。上々の読みですね。ここでの0.1秒は誤差です。
非常にこちらはスムーズに走れていました。
2番手の内のソルヴェイグもじっくりと抑える位の走りだったのは驚きました。
伊達に1:08.0を切る持ち時計と53キロではありません。このスピードは魅力的です。
後方組だとレッドアリオンが外向いて走ってました。
このペースであの後方であんな抑えてどうするの?って思います。コーナーでレッツゴードンキとダンスディレクターとの間のスペースが消され、後ろに下がってしまいました。
レッツゴードンキの前のスペースがあったので、入る位でいかないと勝てないと思うんですけどね。
私が出資者なら怒ります。
4コーナーで痺れる手応えだったミッキーアイルとソルヴェイグ。
ほとんど見えてませんでしたが、外からレッドファルクスとスノードラゴンの芦毛もいい感じに上がってきました。
後方だとレッツゴードンキが顔が内を向いているので、岩田騎手こだわりの最内戦法に。
ここまでこだわるのは好きです。トコトンこだわってほしいです。
正直これはミッキーアイルだろうと思いながら4コーナーを見ていました。
直線
4コーナーまでは1頭分開けて走っていたミッキーアイルは直線手前でしっかりと閉めました。
ソルヴェイグが前に行きにくい位置です。隣のシュウジとも力差がありませんし、イヤな位置ではあります。
シュウジも左鞭で閉めながら走っていますので、ここまでは「開かない!」と思いました。
ネロも走っていますが、ミッキーアイルとの差が詰まりません。サトノルパンもかなり頑張っていますが、G1でもうひと踏ん張りが利かないのがエリモピクシーの血なのかも。
ビッグアーサーは左右完全に行き場を無くし、ここでサトノルパンとレッドファルクスの間を狙いましたが、厳しいです。
1頭分しかないので、少しでも前がよれたらアウト。そして実際にネロが右鞭で外に行った関係でスペースがあっさりと消されました。
初めから内を突くのは現実的ではないですし、1つ前のレースもあの辺が伸びていたので、賭けるなら悪くないと思いますが、中山の直線は短いです。
レースとは関係ないですが、光が当たるとスノードラゴンは真っ白です。
残り200mでビッグアーサーは内に進路変更をしました。顔が完全に内へ。
ここで斜めに走ってますからね。ギャロップで真っ直ぐ走らないのであれば、躓きやすくなりますわな。
当たり前ですが、乗馬のキャンターだってコーナーの方がこけます。これも内が開いている以上、仕方ないでしょう。
ただ、これだけレースプランがメタメタになると、いくら強くても勝てません。
ソルヴェイグも500キロあるシュウジを押しのける感じで外へ進路を取りました。
これは馬が立派です。怯まない性格なんでしょう。押し負けませんでした。
ネロも走ってますが、キレ味というと…。
やや一本調子の所があるので、ここでギアが変わらないもどかしさ。
走ってる場所は伸びそうな所ですし、悪くないものの差が詰まりません。
同じことがシュウジにも言えて、この馬は1回も上がり34.0を切っていないように、決め手にどうしても欠けます。
中山は1Fズバッと切れる馬が強い傾向があるので、どうしても切れ負けてしまうでしょう。
スピードがあう上に一本調子の馬は強くなると止まらないものですが、まだまだなんでしょう。
外のレッドファルクスがデムーロ騎手の追うのに合わせてストライドが一気に伸びてきました。
重心も低く、体全身を使った1歩が大きい走りをする馬なんですね。
坂を上って多くの馬が苦しくなる中、全く他の馬とは違う走り。
もちろんデムーロ騎手の追い方も凄まじいものを感じましたが、ここまで切れるとは…。
ゴール前50m切ってから2馬身位ひっくり返していますので、33.5の上がりのラスト50mで0.1秒以上違ったでしょう。
乗り方もすごいですね。
ほぼ馬のクビに捕まっているような追い方で、馬の重心が低いのでそうせざるを得ないのでしょうが、明らかに1人だけ背中が低いなって思いました。
ゴール前は大混戦。
6着のネロまで0.1秒に収まり、ブービーのダンスディレクターまでが0.5秒差。
前半の平均ペース、最後少し疲れる馬場というのがこの混戦を生んだのでしょう。もっと時計が出る馬場ならミッキーアイルが勝ってると思います。
これがスプリント戦らしいゴール前でしょう。
普通は何馬身も差がつきません。ほぼ同じくらいのスピードの馬が走るんですから。
勝ったレッドファルクスは母の母レガシーオブストレングスですので、名門の血です。
父がスウェプトオーヴァーボードですので、ダートに行くのは仕方ないでしょう。
正直私はここまで追い込みが決まるとは思いませんでした。
やはりスタート直後にある程度位置を取ったのが大きかったと思います。
スプリント戦なので、乱ペースにならない限り追い込みは基本届きません。スタート直後の動きが勝負を分けたと思います。
勝ち時計1:07.6は馬場を考えるとG1としておかしくないものです。
着差もそうですが、スプリント戦線の混戦は変わらずですね。
混戦を断ち切ってくれるかと思ったビッグアーサーは散々書いたので特にありません。
今回はレースの流れに乗る事無く終わりました。次が結構重要だと思います。次も前を追いかけてしまう様だと、本格的に逃げ馬になるか?とか考えないといけませんし。
ミッキーアイルは良い逃げでした。これを続けていればいつかは良いことあると思います。
松山騎手とあってると思います。が、この馬こそ典型的な一本調子の馬なので、押し切るには何か自身のプラス要素か後ろのマイナス要素がないと苦しいです。
ソルヴェイグは穴馬っぽくしっかり走りました。
こういう馬が内枠に入ると来年も気を付けないといけません。スピードもあるので、今後の成長に期待します。
レッツゴードンキが上がり最速で32.9を記録しています。
随分いい子になりましたが、こちらはスピードが足りていません。ダート行けば面白いと思うんですよね。ガッツあるし。
ダンスディレクターは4コーナーで外に膨れて内に切れ込んだりしてましたので、全くいい所がありませんでした。
もう少し見せ場があると予想しましたが、1200mの純粋なスピード勝負だと、もっと遅くならないと今のところはダメですね。
純粋なスプリンターじゃないので、少し長めの距離を試してもらいたい馬です。
帰ってくるときにデムーロ騎手が敬礼ポーズっぽいことをしていました。
一日署長を務めた流れなのかな?
戻ってくるときも優勝レイをかけてもらった後も普通にしてて、普段はフワっとしたスプリンターなんでしょう。
来年統一を果たすかどうかが楽しみですね。中京勝ってますし。
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