第33回マイルチャンピオンシップ(G1・京都・芝1600m・良)
モーリスやロゴタイプといった直近の古馬マイルG1馬が不在だということもあり、軸が全く定まらないメンバー構成となりました。ロゴタイプは出ても同じですが、いるといないとでは重みが少し違います。
最終的にはサトノアラジンが1番人気にはなりましたが、混戦を示す通りに3連単は8番人気位から100倍を超えます。
このメンバーで3頭連続で並べてくださいとか4コーナーから買っていいと言われても厳しいかもしれません。
ブログとかを見てみると、「低調なメンバー」と言う方も多い印象を受けます。
モーリスがマイル路線を制圧して2年。今年で引退ですし、丁度時代の切れ目。
そういう時は往々にしてこういう感じになりますので、新しい王者誕生に期待しています。
「またダノンシャークかー」というような結果になると少し寂しいかなっていうのが戦前の思いです。ダノンシャーク陣営及びファンには申し訳ありませんが。
予想はこんな感じです。まず人の予想、特に私の予想はあてにしない事が重要です。
ブログなんぞ予想風な「読み物」です。真面目に読んじゃいけません。本当に自信があれば誰にも言わずにコッソリ買います。
馬場としては同日の2歳500万下秋明菊賞が1.22.0の逃げ切り勝ち。
昨年のアットザシーサイドが1:22.6でマイルCSの勝ち時計1:32.8。
一昨年のムーンエクスプレスが1:20.5でマイルCSの勝ち時計1:31.5。
大体去年と同じ位かな。
パドックの印象は各馬綺麗です。当然G1ですから。
その中ではイスラボニータはいいですね。綺麗な馬ですが、今回もとてもステキに見えました。
サトノアラジンもゆったり歩けています。この馬も見栄えがします。
ミッキーアイルはダラダラ歩くタイプですが、今回は少し気合が入っていたかなって見えます。少し心配です。
天気も晴れてよかったと思います。
紅葉の季節ですし、京都は混んでるんだろうなぁと思いを馳せて秋のG1。
外枠から好スタートを切ったミッキーアイル。ネオリアリズムが前に行きました。ネオリアリズムがここまで積極的に動くとは読み切れず。
白い馬体のスノードラゴンもかつての追い込み一辺倒ではなく積極的です。
サトノアラジンもいい位置を取りに行き、私が「多分いいだろう」と思ったヤングマンパワーは自分の想定よりは1列後ろになってしまいました。
対してロードクエストとダコールが下げました。これは予定通り。
ミッキーアイルが素晴らしい反応から先頭に立ち、テイエムタイホーも追いかけますが無理はしません。
すんなりミッキーアイルが先頭で2番手ネオリアリズム。
ウインプリメーラ、スノードラゴンと続き、最内からこちらも積極的に動いているディサイファ。
外目にサンライズメジャーと続きます。
クラレントとイスラボニータと並んで追走、中段にフィエロ、ヤングマンパワー、外にサトノルパン、最内にサトノアラジン。テイエムタイホーがこの位置まで下がり、ダノンシャーク。
後方に外にガリバルディ、内でロードクエスト。マジックタイムがいて最後方にダコールという展開です。
ミッキーアイルが逃げていますので、ペースは上がらないのは想定通りでしょう。34.4 – 46.1という非常に楽なラップを刻みます。
速過ぎず遅過ぎずの適度なペースのため、無理に追いかける事もなく、掛かってしまうような馬もいません。
スタートがロードクエストが悪すぎるのは気になりましたし、スノードラゴンが積極的になったとはいえ、ここまで積極的になるのは考えものです。
あくまでも末脚ありきの馬なので、ここまで攻める必要はないのに…と思いながら前半を見ていました。
中段がごちゃごちゃしていたので、サトノアラジンが懸念された通り抜け出して来れるか?は多くの方にとって心配だったでしょう。
多頭数、ややスローの展開、内枠、粘る事が想定される逃げ馬の存在。
内枠のメリットデメリットはありますし、必ずしも「内ならいい」というものではありません。
ネオリアリズムはスタートは後手でしたが、外枠であり、ミッキーアイルが前に行ったためスペースがありました。そこから追って場所を取りに行きましたが、あれが枠が真ん中とかだったら殺到されて行けなかったと思います。
やや内を開けながらミッキーアイルが逃げ、坂を下る所付近からグッと内を詰めてコーナーへ。
後は逃げ切るか?それとも差し馬は割ってこれるか?の勝負です。
直線は逃げるミッキーアイルにネオリアリズムが早めに手が動きましたがそこから粘ります。
一度は並びましたが、ごちゃごちゃっと。
ミッキーアイルがよれた影響もあり、ディサイファやサトノアラジン、ダノンシャーク辺りが不利を受け、それを横目見ながらイスラボニータがこちらも内に切れ込みながら伸びてきます。
ゴール前は並んで頭差だけ出た所がミッキーアイル久々の1着入線。
2着にイスラボニータ、ネオリアリズムがその後ろでした。
当然審議です。
そしてこの結果には納得しにくい人は多いかと思います。
少なくともディサイファとサトノアラジンからすると怒り心頭でしょう。
私はミッキーアイルは降着にすべきだと思います。少なくともディサイファの後ろ。11着。
逆転できたと認めなかったという事は理屈では分かります。
不利を受けたタイミングがゴール5秒手前位だったので、そこから1馬身半程度の差を逆転するには単純計算でざっと5秒間で0.3秒位上回らないといけません。
例えば不利関係ないガリバルディの上がり34.6に対しミッキーアイルが35.6。
600mで1.0秒上がりが上回るということは逃げ馬とほぼ最後方からの追い込み馬との差です。
単純に6分割したとして、100mで0.2秒程度でしかなく、ゴール前で鈍ったとはいえラストは12.3で走っています。
その相手に残り80m地点位から0.3秒も上回る可能性は低く、確かに逃げているミッキーアイルを交わすと明確に言えないのも分かります。
しかし、伸びかけた時に2回大きなブレーキがかかっていますし、ディサイファに至ってはあの位置から結果的には10着まで着順を下げています。
サトノアラジンもミッキーアイルはどうであれ、ネオリアリズムを交わせない事はなかったでしょう。勝ち馬を交わせなければダメなのか?というのはかなり大きな疑問です。
例えば将来デュランダルやアグネスデジタルのような馬が出現し、ゴール前猛然と追い込んでこの事象があったら認めるのでしょうか?その基準は何?ゴール前のスピード計測していて、その差を判断してるの?してるなら出してよ?となるでしょう。
感情だけではいけないと思う一方で、逆転できないと認めたからには何かエビデンスが欲しいというのが競馬ファンの思いです。ブログのネタにもなります。
とはいえ勝ちは勝ち。ミッキーアイルの逃げ切りです。マイルG1の2勝目です。
逃げ切りはダイタクヘリオスまで遡りますので、レアケースです。
勝ち時計1.33.1はこの馬らしい時計です。強調できるものではありません。
この馬は東京1マイルも久々の逃げ切りをしていましたし、結構歴史を塗り替えています。
NHKマイルカップの勝ち馬でその後古馬になってマイルG1を制したのも初とのこと。
絶妙なペースで逃げた段階で、ゴール前までは確定できました。
この馬の時計はこれが大体精一杯です。1:33.0付近のマイラーなので、これより流れたりすると苦しい。「そこそこの良馬場」というのも向きました。
最後手前を替える寸前で大きくよれたのは余力の問題もありますが、かつてこの馬はラチにすごい勢いで寄っていく馬でした。
元々がそういう馬で、最後まで自力で真っ直ぐ走るのは苦手。NHKマイルカップも結構フラフラしてるので、記憶している人もいるかもしれません。
今回は大きい所で出てしまいました。
イスラボニータは好スタートから中段につけ、最後は素晴らしい脚でした。
ペースもやや遅くなったのもこの馬には向いたでしょうし、スタートも最高でした。
あれで差し切れないのがこの馬らしいっちゃらしいです。相手なりに走る馬の典型です。
ネオリアリズムはスタートから前に行き、ゴール前まで粘りました。
今まで後ろの方でクビを上げてガチャガチャしてそのまま負けるレースが何度かありましたが、前走逃げて、今回もマイルで先行していい結果が出ています。
そういう馬なんでしょう。自分のリズムで走れれば結果を残せるタイプなんだなと記憶するようにします。マイル~2000mと幅広い活躍ができそうです。
ダノンシャークは8歳馬ですが京都1マイルは庭ですので、自分の家に帰ってきた感じなのかな?それ位しかありません。
今年唯一馬券になっているマイラーズカップもこの舞台ですし、「京都1600mだから」というしかありません。スタートから内に徐々に入れ、4コーナーで加速しながら回りました。
松山騎手の上手なエスコートだったと思います。
サトノアラジンは菊花賞の時は浜中騎手騎乗で大きく詰まって6着。あの時のシーンがよぎりました。今度は加害馬に乗っているとは。
どちらにしても内枠が苦しかったですね。大外回せればいいんですが、この枠の巡りだと最後方まで下げないと外に出ようがありません。
この馬も色々な意味でついていない馬です。
ロードクエストは最内を狙ったのは間違いはないと思いますが、これ位の上がりでは厳しい。
元々持ち時計もなく、スピード不足は心配していましたが、誤魔化せなくなってきてしまったかな?
1:32.0付近になると出番が無さそうなので、今回は向いていると思った割には案外でした。
もしかしたらもう少し長い方がいいのかもしれません。
ディサイファは最内からでしたが、スノードラゴンが最内に行き、それ以外の各馬内を少し開けていたポケットに丁度入っていました。前半最内だった割にプレッシャーもなく、前も適度に開け、横にイスラボニータと適度に良い馬がいるというベストポジションに収まりました。
直線の不利は影響がかなり大きかったので、着順はどうでもいいですが、もう7歳です。フィエロと共に刻一刻と時間が無くなります。
良い血統なので、もういいんじゃない?って思う一方で、ここまで走るから諦めきれないでしょうね。
ガリバルディは最後上がり34.6とレース最速を記録した脚で猛然と外から追い込んできましたが、0.4秒差7着まで。戦法はこれしかないので、仕方ないでしょう。
もちろん最速に意味はありません。ただ、安定して追い込めるようになっているので、展開が向かないとどうしようもない一方で、展開がハマりそうであれば無視できない1頭になってきたと思います。
マジックタイムも大外ぶん回しているので、厳しいレースです。
着順程負けていませんが、レースには参加したとは言いにくい負け方。
走りそのものはヴィクトリアマイルは十分勝ち負けなのは分かります。追い込み馬の宿命ですが、ややスローになってしまうと前がバテないので、捌けないまま終わります。
ヤングマンパワーはスタートから何か行く気が見られず、正直スタート直後から諦めムード。
体は減っていても512kgある馬ですし、そこがここまで影響するとは思えません。
自分の時計分走っていないのではどうしようもありません。流れに全然乗れていませんでした。流れに乗ってなだれ込んでこその馬がこんなレースをしたらそりゃこうなります。
後味は悪いレースになったのは残念です。事故が無くて良かったと思います。
浜中騎手は「2016年11月26日(土)から2016年12月18日(日)まで23日間の騎乗停止としました。」とのこと。
これは長い。こんな長い騎乗停止させる事象なのに?とまた疑問が出てしまいます。JRAもこういう場合はもう少し説明すべきだよなーって。
馬券はハズレ。
ネオリアリズムは分かりませんでした。こういうのは多少荒れるのを見越して少額買う方がギャンブルにハマらないのでいいと思うようにしています。
だから展開予想で「楽しむならミッキーアイル単複」とか自分で書いておいて買わない。困ったものです。
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