写真で振り返る 第37回フェブラリーステークス レース回顧




レース

好スタートを切ったのはケイティブレイブとモズアスコットなんですね。
やはり好スタートは重要だってことだ。

ノンコノユメも普通に出ていますし、大きく出遅れてしまうような馬もいません。
そこから芝の切れ目にかけて各馬の激しい位置取り。

ワイドファラオ、アルクトス、スピードのあるブルドッグボスなどが先手を主張し、インティはそれを見る形。
何が何でもでも先頭ではないレースをしていたものの、すんなり先頭を走れた昨年とはこの時点で勝手が違います。

モジアナフレイバーは芝スタートとこの距離だと忙しいタイプということもあり離れた最後方。
ケイティブレイブは少し押しながらポジション取りをしていました。これも結果としては良かったですね。
ワイドファラオとアルクトスが並ぶようにして先頭を走ります。

道中はじわっと前と後ろが離れる展開。
丁度モズアスコットを中心に前と後ろが分かれたようになりました。

ペースは34.6で前半通過。
こうなると逃げ切るのは厳しいペースです。
インティの昨年が35.8、コパノリッキー1勝目が35.5(2番手)、トランセンドが35.7。
もちろんコパノリッキー2勝目の34.3(2番手)というのもあるっちゃありますが、基本的には35.0を超えないと逃げ馬には厳しいレースです。

ワイドファラオ、アルクトスが先頭で走り、タイムフライヤー3番手。
ブルドッグボス、インティ、ミッキーワイルド辺りが続き、少し離れてモズアスコットがポツンと。その後ろでマークするようにケイティブレイブとデルマルーヴル。
後方に追い込み勢のノンコノユメ、サンライズノヴァにワンダーリーデル。
キングズガードとモジアナフレイバー、ミューチャリーといった展開。

砂煙が舞い、ぱさぱさダートです。滑りそう。

3コーナーのカーブに向かうところで、インティが内にいたタイムフライヤーに曲がった瞬間に2馬身位遅れました。
内外の差は当然あるものの、スピードの乗りがイマイチだったのでしょう。あんなに遅れてしまうと挽回するのも大変です。
4コーナーで並びかけようとしていますが、並べません。そこから並べる馬ならあんなに遅れてない。

こう見るとモズアスコットが完全にポツリ。
外にも行けますし、内もストレスが少なく走れる位置にいます。勝てる馬、勝てる騎手ってこうなのよね。

アルクトスが先頭で直線に入ります。
ワイドファラオ、タイムフライヤーも粘っていますが、インティは苦しそう。
その内側に持ったままでモズアスコットがインティがバテて外が空くのをを待ってます。

外からヴェンジェンスも追い出していますが、前を抜く感じもせず、その外のピンク帽子2つが飛んできそうな勢いです。
特にワンダーリーデルはここで「来た!」と思いました。
サンライズノヴァは例によって外に持ち出しての直線。これがこの馬の良さを引き出すレースですからOK。

アルクトスは残り200mで一杯に。
ペースも流れましたし、ワイドファラオと先頭争いが最後まで決まらない位の感じでしたので、息を抜く走りができませんでした。
引いても良かったかな。ワイドファラオが折角行ってくれているのだから、どうぞと譲ってしまえば違った展開だったかもしれません。
ついでに自分が3連複の軸の1頭にしてしまったのもある。すまぬ。
もう少し軽めの馬場か、1400mなら全然違うと思いますので、そこで巻き返しですね。スピードは十分あるので、スプリントでも見たい1頭です。

タイムフライヤーが頑張って5着。
かつてのホープフルSの勝ち馬ですが、地味に頑張っています。
抜群に切れる馬ではないので、こういう削り合いは得意だと思いますが、こういうレースをしてG3で勝てるか?というと別問題。
G1だと意外に走るけど、G3だと少し緩くなる分、切れ負けて勝てない典型のような負け方に見えました。
「このタイプは長めの距離のほうがいいかなー」と思うとペースが落ちて消耗戦にならずに負けそう。難しいタイプですよ。信じるものがいつかは救われる馬に見えるものの、いつかは不明。

インティは直線半ばで早々に失速して最後は追わずにゴール。14着と大崩れ。
気難しそうな馬であることを差し引いても負けすぎ。3コーナーの動きの悪さは今日のバイオリズムが悪かったのか?
無理に先頭走ったら潰れるペースなので引くのは合理的判断としてわかるものの、ある程度玉砕覚悟の方がいいのかもしれません。
マイルだと昨年位すんなり先手が取れることの方が少ないので、マイルを走る場合はこれは付きまといますね。

タイムフライヤーの外からモズアスコットが余裕綽々で追い出しました。
その後ろからワンダーリーデルの前に出たケイティブレイブ。ああ、これは外れた…と思った瞬間。ケイティブレイブは買ってない。

そのワンダーリーデルは期待して買ったものの惜しくも4着。
一瞬「お!」と思ったものの、最後疲れてしまいました。
ゴールに向かうにつれて明らかに走りに上下動が出ていますので、完全に疲れましたね。よくやった。
外回すしかない枠順ですし、作戦としてはやむなし。
東京マイルなら巻き返せるかと思いましたが、このメンツで外回して差し切れたり、それに近い走りができればG1勝ってますね。

サンライズノヴァも大外からすっ飛んできて上がり35.3と最速を記録。
さすがにこの舞台で前半流れればいいレースはできます。リピーターが強いレースですし、東京マイルは得意なやつはとことん得意です。
来年7歳になりますが、無事ならまた狙いたい。いい走りでした。

抜け出すモズアスコット。
その後ろで鞭を叩くケイティブレイブ、ワンダーリーデル、サンライズノヴァ。
フォーリー騎手だけちょっと違う感じなのがなー。いや、いいのよ。別に。

モジアナフレイバーやキングズガード、ノンコノユメといった前半10番手より後ろの馬がいい着順にいますので、やはり追い込みペースでした。
モジアナフレイバーはさすがにこの距離は短いと思っていましたが、6着を確保しました。走りますね。
こういう馬が地方にいると、帝王賞などがとても面白くなります。調子を落とさずに頑張ってほしい。

抜け出したモズアスコットに最後まで食い下がろうとしたケイティブレイブ。

ケイティブレイブは見事でした。
当然力があるのは知っていますが、東京大賞典で8着、川崎記念も6着と敗戦。
そもそも東京マイル自体がこの馬にとってはベストな舞台ではなく、プラタナス賞3着はあるものの、ヒヤシンスS、フェブラリーSと馬券外。
道中砂を浴びつつもモズアスコットの後ろの位置取り。4コーナーですぐ外を走っていたデルマルーヴルがなぜか大きく膨れ、外がぽっかりと開いたという事も大きかった。
直線はワンダーリーデルを待ちつつ追い出し。スタミナはこちらの分があったのもあるでしょう。ワンダーリーデルを突き放し、サンライズノヴァを凌ぎました。
この馬がいなければ当たっていましたが、このレースをされたら仕方ないという走り、騎乗でした。東京マイルじゃ買えないよ。

後続を突き放し、2馬身半差で圧勝のゴールを駆け抜けるモズアスコット。
フランケル産駒のトップランナーですな。写真もおよそピッタリ。

精彩を欠いた2018年秋~2019年があり、年明けてダート挑戦。
やけくそになったか?と思ったらあれよあれよの2連勝でG1制覇。
父はフランケルですが、母父にヘネシーがいるから試してみるかというダビスタ的発想じゃないでしょう。多分。
スピードの落ちが顕著に出てきて、芝では厳しいという判断だったのか?

レースとしては先行馬を見る形でじっくり。
先行集団と後方集団の間にポツリといたのは見事ですし、直線外回せる脚はあったと思いますが、内が潰れるという判断もあったでしょう。楽々内を突いてきました。
この日のルメール騎手は手が付けられませんでした。
8レース騎乗して馬券外1回もないとか。。。今日ほど「ルメール買っておけばいい」を感じたことはない。

時計は出る流れではありましたが、1:35.2は優秀です。
ぱさぱさの中、最後までしっかり走り切っていました。少し雨が降った稍重だと本当に強いかも。

ウイニングランです。
耳を前に向けて、とてもいい子。

写真も前を向いてピシッと撮られていて、さすがG1馬の振る舞いでした。

それにしても競馬場は疲れますね。
いい運動になります。

フェブラリーSの表彰式準備時のタイムラプス。
70年代風に仕立てました。こういうのを競馬場では次から撮ろう。写真とかもういいや。