写真で振り返る 第38回ジャパンカップ レース回顧




第38回ジャパンカップ(G1・東京・芝2400m・良)

行ってよかった。久々に感じるレースでした。

アーモンドアイの走りに背筋が凍った。あんなの生で見た中ではトレヴ以来の衝撃。
純粋に「ここまで走るのか?どういうことだ?」とゴールするまで不思議な感覚で見ていました。

ゴール後、ゆったりと(力を出し切って疲れたのかもしれませんが)大外の埒沿いを歩くアーモンドアイの姿は、本当に素敵でした。

前年比で入場者数も売り上げもマイナスだったみたいですが、レースは締まって素晴らしかったです。
朝は寒かったですが、昼間は暖かく厚手の上着は要らない気候。日差しも強く、写真は影が出来てしまう厳しい天気です。

競馬場の様子

朝から混んでいました。

並んでいる組は多かったですし、なかなかハードな場所取り合戦でした。
さすがに寒くなり、防寒を多少失敗。あんなに並んでて今更失敗してどうする?ですが、毎年寒い時期に並ぶのはJCと有馬記念だけで、JCはどうも記憶が…。
スキーに行くと「あれ?インナーって何着るんだっけ?」と思うのと一緒(なのか?)。行ってみないと分からない。

競馬場もすっかり秋の装いで、紅葉も鮮やかに色づいています。

最近はロンジンが協賛していますので、ロンジンの文字が多くあります。
スポンサーにして金出してもらえばいいのに、って思いますが、そういうものでもないですね。

途中の出来事

3Rの2歳未勝利2000mでレコード決着に。
これは相当時計が出る馬場だなと多くの方が思ったと思います。さすがにこの時期の2歳戦でもう少しで2分切るというのは出過ぎ。

勝ったヴァンランディはハッピーパスの仔なんですね。
2着のセントレオナードはリリーオブザヴァレーの仔ですが、こちらはそろそろ勝ちそう。

4Rの新馬戦ではマルセリーナの仔、ラストドラフトがデビュー勝ち。
この時のレース上がりが33.5。上がりも出る馬場です。ここまで時計が出ると、ジャパンカップも少し流れれば一気にレコード決着もあり得るという位の馬場に感じました。

で、内馬場の場所取り映像。
意外に静かだなと思いながら見ていました。

事件と言えば6Rでスターリバーが放馬。
まる2周東京競馬場を走り切り、最後は家に帰るような感じでスタスタと芝を横切り、捕まり、取り消しに。
疲労が著しいというのは2周目のスピードダウンで見て取れます。

ただ、走りながらスタンドへ向けてカメラ目線を送る仕草はなかなか愛らしいものもあります。
走っている裏で延々と有馬記念のファン投票の順位が流れているのもシュールでした。

オリエンタル賞でサトノキングダムが驚きの1:44.7。
幾らなんでも毎日王冠でも勝てる時計が1000万下で出てしまうと、「高速馬場」と言わざるを得ません。
これにより故障云々はありませんが、この乾燥した気候がそうさせたのか、昨日から一気に高速化が進んだ印象でした。

レースが近づくにつれ人がみっちり。
前年比マイナスとは言え10万人近いレースは数える程。
さすがに混んでいました。

パドックは例によってほぼ見ていません。
アーモンドアイもいい感じで歩いていたと思いますし、サトノダイヤモンドも久々に多少は見て悪くない印象でした。
サンダリングブルーが少し跳ねていましたが、芦毛というのもあり発汗もよく分からず、まぁこんなもんじゃないという程度。知らないし。
ウインテンダネスもゆったりとというよりは元気一杯。気負っているとは言いませんが、タイプですかね。

返し馬です。ここから少し真面目になります。

アーモンドアイ(3冠牝馬)

誘導馬より前に登場。
出てきた時はクビを上下するシーンもありましたが、キャンターにおろしてからは非常に落ち着いた走り。
牡馬に包まれるよりは
1頭先出しも良かったですかね。

 

サトノダイヤモンド(一昨年の菊花賞、有馬記念)

うーん、まぁ悪いとかはないですが、皐月賞の時は「これは!」と思った印象に比べると違う印象だったのは事実です。
凱旋門賞の時はほぼ無視していい位のデキだったと思うので、良い頃として3歳春と比較すると何となく「普通」。
少なくとも自分の第6感にはあまり響かなかった、という位ですね。別に馬からしたらどうでもいいと思うけど。

 

スワーヴリチャード(今年の大阪杯)

走り出す時に気を使っていましたが、走り出してからは割と普通。
ややかかり気味に走る馬ですので、少し元気がいい位は特になし。馬体は夕陽を浴びて本当に綺麗。

 

キセキ(昨年の菊花賞馬)

自分の印象だと天皇賞の時からですが、ツル頸にして走ります。
後ろ脚の筋肉とか大きくて見栄えがします。いい感じで走れていました。

 

ウインテンダネス(目黒記念勝ち)

多くの馬がゴールから離れて行く中、唯一ゴール付近まで来ようとして、途中で止めて向き直したらこれ。
いい感じで荒ぶっています。鬣が素晴らしい。ま、発汗がある訳でもないし、これしてから走ったら普通だったので特にありません。
ゴール前まできちんと歩くのが本馬場入場だと思っていますので、それだけでも敬意を表して。

 

京都11Rが終わり、あと少し。
外国馬2頭と寂しいですが、騎手だけ見ればルメール、デムーロ兄弟にモレイラ。ビュイックにベリー、そしてムーアに服部茂史。

最終的にアーモンドアイが1.4倍での1番人気です。
ディープインパクトが1.3倍、テイエムオペラオーが1.5倍、シンボリルドルフが勝った時で2.0倍、ジェンティルドンナ2連覇の時が2.1倍。

秋の空にファンファーレと歓声。
賛否あれど、これも日本のジャパンカップの風物詩でしょう。




3 件のコメント

  • 自分も現地で観戦できました!
    本当に素晴らしいレースでしたね
    まさに力勝負!
    全馬が力を出し切ったレースでした
    自分としては、ゴール後に放心状態になったような感覚は、ウオッカの勝った天皇賞以来です
    頑張った馬たちに”ありがとう”と言いたい

  • いつもすてきな観戦記、ありがとうございます。

    素晴らしいジャパンカップでした。テレビ観戦ながら、「良いものを見せてもらった」という余韻がしばらく続きました。ルメール・ジョッキーの騎乗はお見事としか言いようがありません。去年のダービーでのレイデオロといい、レース展開に応じて臨機応変に対処できる彼ならでは騎乗でした。

    それにつけても思うのはアーモンドアイの両親のことです。父ロードカナロアはG1をとりあぐね、公営出身の騎手に乗り替わってスプリンターズステークスと香港スプリント2連覇を成し遂げ、G1を6勝して種牡馬への道をたどることができました。母フサイチパンドラもエリザベス女王杯こそ獲ったものの、ジャパンカップは5着。いずれも乗っていたのは今年の“ダービージョッキー”でした。もし当時ルメール騎手がいたらどれほどの戦績を残せたことでしょう。

    ルメール、デムーロの両外国人騎手がやってきて、ようやく日本競馬にも光明が見え始めました。こんな胸躍るレースをこれからも観ていきたいものです。

  • 更新お疲れ様です。

    サイキョウクラウドの名がここで出ますか(笑)

    ヌレイエフのクロスが効いてるんですかね(笑)

    もう、ジャパンカップは走破タイムが現実離れしていて混乱しています。

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