写真で振り返る第52回スプリンターズステークスレース回顧

レース

6F戦なのでアッという間です。
好スタートはナックビーナス、ラブカンプー。
少しワンスインナムーンはこれで遅れたというのは厳しいですが、この中ではやや遅れ。
ダイメイプリンセスがこの中では出負け。でもほぼ差はありません。最内白帽子のラインスピリットも非常にスムーズな位置取りをすぐできました。
ファインニードルもスタートよくジワジワと外へ。ナックビーナスの外まで馬を持っていきました。

ナックビーナスを制してラブカンプーが行き、それも制してワンスインナムーン。
さすがにスピードと加速は素晴らしい。負けたけど良い行きっぷりです。

内からラインスピリットが不気味です。セイウンコウセイは悪くないですが、行きっぷりと言う点ではもっとあっても…という感じ。
押している割には前に進んではいません。

思ったより前にいた赤い帽子のアレスバローズ。
スタートはそこまででもなかったですが、内のが下げたのもあり、すんなりある程度のポジションを取れました。
ここまでの雰囲気は悪くなかったですし、作戦としても悪いとは思えません。

先行馬を見る形で外からじっくりとファインニードル。
この馬の良さが出ていますね。スタート上手だし、逃げ馬を射程に入れながら進める事ができる強みです。

内から盛り返したヒルノデイバロー。
出が悪かったですが、四位騎手が押して押してここまで持ってきました。ただ下げて包まれて後方よりは、という意図は見えます。

この後ろから中団後方組ですが、ラッキーバブルズがいて、内にスノードラゴン。
キャンベルジュニアと続き、出遅れたものの巻き返したダイメイプリンセス。
内に入れなかったレッツゴードンキと並んでレッドファルクスは大外。
ティーハーフがいて、最後方にムーンクエイクという展開です。

少しワンスインナムーンが後続を離したとは言え精々3馬身。
それでいてこの馬場で11.7-10.3-11.0=33.0はさすがに速い。ラブカンプーで33.2。
ファインニードルの位置でも33.8ですし、ムーンクエイクで34.5です。

1:07.0付近の時計が出る馬場ではありませんので、後半前に行った連中は苦しくなることも考えられます。
が、後ろも決して楽をしていませんので、後ろ過ぎても届かないのがスプリント戦です。
ある程度の位置で進めるというのは言うのは楽ですが、簡単ではないですね。

結果的にラブカンプーやラインスピリットの位置は絶好でした。
前がしっかり行ってくれたのもあり、すごくスムーズ。

一方でセイウンコウセイが外々を終始回され辛い展開です。
ナックビーナスと内外入れ替わったのは出足が悪かったのもありますが、内に入れる事も出来ず、前にも行けずで苦しくなりました。
4コーナー手前の手応えで「苦しいな」というのが見て取れました。

後方だとラッキーバブルズの故障もそうですが、レッドファルクスは鞭が入っても全然反応している様子もなく、追走だけ。
ムーンクエイクはラッキーバブルズの故障もありの大外ではあるものの、全然ついていけていません。
馬場も影響したでしょうし、レース選択がチグハグ。出資者は文句言ってるでしょうね。安田記念⇒スワンS⇒マイルCSで良かったのに。もったいない。
レースに参加しただけでした。

後方でラッキーバブルズがレースから離脱する中、ワンスインナムーンが先頭で4コーナーに。
外から青い勝負服に青い帽子、ファインニードルがスルスルと上がっていきます。その前のアレスバローズもここまでは悪くないと思います。
後方から黄色帽子のレッツゴードンキは内を突けずに外へ。仕方ないですけどね。

4コーナーでもペースは落ちず、4F通過が44.3。
昨年ワンスインナムーン自身が逃げて刻んだペースより0.5秒も速い。
勝ち時計が同じならまだしも、＋0.5～1.0秒は見込まれる馬場を考えると、再度まで維持するのは至難の業です。

それでも大崩れなく6着まで粘ったワンスインナムーンは立派だと思います。
1000m通過までは先頭でしたので、最後は疲れて12.9かかってしまい、1:08.7。
スタートがもう少しだけ綺麗に決まれば、あと30m位は粘っていたかもしれませんが、それでもこの着順は変わらなかったかな。
行き切ったのは悪くないのですが、今回はいい目標にされてしまいました。

ナックビーナスもこの時点ではいい雰囲気でした。
結果早仕掛けなのかもしれませんが、後ろも迫っていますし、仕方ない面も。
直線最後疲れてしまってワンスインナムーンにも遅れた7着。
結果的に一度もワンスインナムーンより前に行けなかった時点で、ここでは厳しかったですね。道中セイウンコウセイの動きが鈍いと見るや前に行き、入れ替わってロスなく進めることができていたので、これ以上何をすればいいのか？というレースだったと思います。

セイウンコウセイは4コーナーでは手応えなく失速して12着。
馬場とかではなく、スタートから反応が悪かったです。
調子が悪かったのか？少なくともいい雰囲気で走れている瞬間もなく、負けるべくして負けました。ペースとかそういうのじゃないと思う。

残り200mで真ん中ラブカンプーが先頭に。
その後ろで前が詰まったラインスピリット。ただ、適度に溜めが出来て良かったと思います。
大外からファインニードルが加速を開始し、アレスバローズが失速していきます。間にヒルノデイバローが重巧者もありますが、スルスルと。
アレスバローズは全然この手の馬場がダメなんだと思っています。これは度外視したいです。

この後ろにレッツゴードンキがいますが、今年は枠も含めて向きませんでした。
昨年も全くロスなく進めて2着でしたので、今年もそれをせめてしないと苦しい中、外から。
内に入るタイミングがなく、むしろもっと思い切って外出してしまっても。
走っているコースは悪くなかったですが、今年も及ばず。ダイメイプリンセスの位置を走れたらどうなっていたか？位ですかね。

そのダイメイプリンセスは出遅れも挽回し、終始内。
直線も内を走っていましたが、開かないので外に出したらヒルノデイバローにぶつかってしまいました。
ヒルノデイバローはあれがなければ8着とはハナ差ですので、賞金は違っていたはず。とはいえ15番人気。よく頑張りました。
ダイメイプリンセスも人気ないから思い切って行けたのでしょうが、スピード能力は負けていませんでした。

最後までラブカンプーが粘ります。

3着にラインスピリットが入ってくれました。
馬券的にはこれで大きく勝てました。
スタートから終始内を走り、直線も内。10Rのスマートシャヒーンも同じようなコース取りで予行演習をしていましたし、これ以上の結果は望めません。
詰まったのはプラスだと思います。あそこで無理できず、結果最後にバテた馬を捌いたので、ロスは少なく済みました。
高速馬場ではなかったことと、枠的に先行がしやすかったのもありますが、そこは4000勝ジョッキーでした。

外から１歩また１歩と差を詰めるファインニードル。
坂を上ってからの脚は際立っていました。

３歳牝馬のラブカンプーが頑張って２着を確保。
ショウナンカンプ産駒で夏も休みなく走り、この結果。これは立派です。
スタートがトコトン上手で、1200mの鬼として頑張ってくれるでしょう。この前向きな気性が続く限り。

スタートから上手くワンスインナムーンを前に行かせ、直線で早め先頭から押し切りを狙いましたが、最後は決め手の差が出てしまいました。
セントウルSからファインニードルは斤量マイナス1kg、ラブカンプーはプラス1kg。前走１馬身半。今回クビ差。
1kgは１馬身とか単純なものじゃないってことです。

最後は勢いよく上がり34.5でまとめたファインニードルが春秋スプリント制覇です。

勝ち時計もこの馬場で1:08.3なら悪くないですし、坂を上がり切った後の末脚は他馬とは全然違いました。
今年に入って香港で負けた以外は国内スプリント戦で負け無しの４連勝。
本格化までに時間がかかっただけで、この１年の成績だけなら過去のスプリント王と比較して遜色ないどころか主要重賞を４勝は相当強くないとできません。

スタートも上手でいい位置をポンと取れますし、追走も無理なくできます。
それでいて直線は毎回しっかり伸びてきます。物凄く切れるというタイプではないですが、ジワジワ差を詰め、簡単に止まりません。
どこまで長い活躍ができるか分かりませんが、少なくとも今は崩れなそうですし、展開は自分からいい流れに乗ることができそうです。

マークオブエスティームの肌にエンドスウィープの仔アドマイヤムーン産駒。
種牡馬としても非常に面白そうですし、期待しています。

一方で香港からの遠征馬ラッキーバブルズが競走中止。