レース
スタートでディサイファ、キタサンブラックも良くありません。シャケトラも悪いですね。
あまり音声が聞こえない中見ていたので、私は早々にキタサンブラックを見失いました。
前にいると思っていたのにいない。「どこにいるの?」と。思い込みは怖いです。
キタサンブラックはスタートのゲートが開く直前にバタバタっと。
前脚を上げてしまったので、当然グリップが効かず。これでは遅れるのも止む無しです。
内のサクラアンプルールやリアルスティールがいいスタートを切り、外からミッキーロケットも積極的です。
その外からグングンと加速していくロードヴァンドール。シャケトラもリカバリをしました。
サトノクラウンは内側キープ。その後ろにキタサンブラックがつけます。
内に入れたのは出遅れたディサイファ、サトノクラウンとキタサンブラック、そしてレインボーライン、グレーターロンドン。
キタサンブラックとグレーターロンドンを除けばそれらしいメンツです。グレーターロンドンとしたら下げると外に出しようがありません。
ロードヴァンドールが内を開けて走ります。
キックバックで大きな芝の塊みたいのが飛んでいますので、かなり走りにくそうです。
ロードヴァンドールがペースを一応は握りますが、後ろと一列になっていませんので、一応先頭というだけ。
2番手にサクラアンプルール、ミッキーロケット、シャケトラ、リアルスティールと続きます。
内目からサトノクラウン、ネオリアリズムやヤマカツエース、外目にソウルスターリングで大外がワンアンドオンリー。
最内のスペースをグレーターロンドンでサトノクラウンの後ろにキタサンブラック、レインボーライン。
後ろの方にステファノス、カデナ、内側をディサイファ。
後方にマカヒキとサトノアラジンというような展開です。
ペースは一応は38.6-1:04.2。馬場を考えれば平均ペースという感じでしょうか。
前が楽をしたとは言えません。比較的流した方ですね。
これをもっとスローに落とすという選択は多分無いでしょう。走っているだけで大きくスタミナを消耗する状態ですので、「行ってみて、もしこれが得意なら」に賭けるしかありません。特にロードヴァンドールやサクラアンプルール、ミッキーロケット辺りはそうでしょう。
早めに仕掛けることになったグレーターロンドン。
内がポッカリと前がいませんので、行こうと思えば行けてしまいます。
コーナーまでは我慢してそうですが、ややかかりましたかね。僅かでも前が開いているので、スイスイ進んでしまいます。
4コーナーでワンアンドオンリーやカデナ辺りが失速します。
マカヒキも後方でエンジンがなかなか着火しない走りでしたし、サトノアラジンはもう追いかけるのが精一杯という様子。
早めに先頭に立つグレーターロンドンですが、すぐ外にサトノクラウン、後ろにキタサンブラックとレインボーライン。
大外へ振ったサクラアンプルールは綺麗な勝負服のまま4コーナーに入りました。ロードヴァンドールは外々なのは走りやすいとは思いますが、内にどんどん入られてしまい、4コーナー手前で先頭を奪われた上に外に膨れて順位を落としてしまいました。この相手を更に直線で抜き返すのはほぼ無理です。
シャケトラ、ミッキーロケットなども外の馬場が良いのは分かりますが、ここまで外に膨れて走るのも楽ではないでしょう。
内からスルスルと抜かれてしまいました。
直線でキタサンブラックがグレーターロンドンを押しだします。
外へ外へグレーターロンドンを押し、馬場の比較的良い場所へ。
グレーターロンドンが遅れたのを確認して更に外へ。サトノクラウンも外へ行っている内に前に行かれてしまいました。
その後ろから泥にまみれたレインボーライン。
サトノクラウンとサクラアンプルールの間のスペースが出来ていたので、そこを突いたリアルスティールですが、やはりこの馬場で切れ味が削がれます。
コース取りは文句なしですが、抜くというのが至難の業です。バテますもの。
最内ディサイファが頑張る中、キタサンブラックがサトノクラウン相手に1馬身半位前に出ます。
サトノクラウンとしては坂の上りでシュンと離されたのが勝負を分けました。上がりはキタサンブラックが38.5に対してサトノクラウンが38.6。
一瞬でも1馬身半近く離したため、不利と言われる事無くサトノクラウンの前に出る事が出来ました。
これでサトノクラウンは内か外に行くしかありません。真っ直ぐ走るという選択肢が削がれました。
ここが大きな勝負所でした。
サトノクラウンは内に行くという選択を。
馬の性質もあるでしょうし、迷いなく内にいれているのでロスはありませんでした。
そこから鬼神の如く追うサトノクラウンのミルコ・デムーロ騎手。あの追い方は今まで見たことがありません。ここから300mの追い方はとても印象的でした。
この辺りでグレーターロンドンは脱落。大外からソウルスターリング、マカヒキも落ちることなく走れていますが、前とは大きな差があります。
リアルスティールもグレーターロンドンは振り切っていますが、レインボーラインと同じ脚色に。疲れたでしょうね。
前の2頭のマッチレースに。
その後ろに左鞭を派手に振るう岩田騎手のレインボーライン。その後ろで走りそのものは毎日王冠に近くクビをグッと下げて前に進むリアルスティール。
サトノクラウンの左脚を着けた時に大きな水飛沫が見えますので、これにへこたれるようだとこの馬場は走れません。
サトノクラウンは負けたものの期待に応えるいい走りでした。
内をヒタヒタとついていき、直線で馬場の良い所へ。そこからキタサンブラックに前に入られる所までは理想通りでしょう。
渋った馬場でもへこたれず、この血統の良さが出たように思えます。
キタサンブラックをゴール前かなり追い詰めていますし、デムーロ騎手の右鞭連打にこんな馬場でもよく反応しています。
これだけ渋った馬場を走れるなら、アスコットとかで見て見たくはなりますね。今年の英チャンピオンSと大差ない時計ですし。
3着のレインボーラインはステイゴールド産駒、頑張りました。
前の2頭と一旦は離された差をきっちり詰めています。ゴール前は同じになってしまいましたが、これ以上はなかなか望めません。
こちらも前半内を選択「できた」組。いくら外が伸びる馬場とはいえ、あまりにも外だとロスが大きすぎます。
4着のリアルスティールは馬場がなぁ。
内外離れた真ん中を突っ込めましたが、前走33.0を切った切れ味は出せませんでした。
最後疲れてしまったようにレインボーラインと差が開き、マカヒキに詰められていますので、距離もこの馬場だと僅か長いかな。もちろん2000mは普通に走れると思いますが、時計的に2200m近いので、前の連中とはスタミナ負け。でも走りは本当に良くなっているので、疲れてなければJCでも。
5着のマカヒキはエンジンのかかりが悪いのが目立ちます。
馬場のせいもあるでしょうが、4コーナーであんなに離されてしまっては届くものも届きません。
あれだけ外回して38.6と馬場を考えれば素晴らしい脚を使っていますが、勝負所での反応がもっと鋭くないと復活は随分先かな。
ダービーの時は前が開くと同時に出られたのですが、どういうレースがいいのか。ファンとしても悩ましいしもどかしいです。
6着にソウルスターリングが入りました。
一瞬大きな走りで反応したのですが、そこから一気に萎みました。
前半外目でじっくり走れていましたので、やはり東京は外がいいですね。
直線ではオークスのように手前をくるくる替えるシーンもパワーも無かったとは思いますが、それでも一瞬魅せた反応。これからも期待をしちゃいます。
グレーターロンドンは積極的に行かざるを得ない感じでどんどん前に行き、勝負賭けてましたが力尽きて9着。
溜めてどうこうの馬場じゃないし、母父ドクターデヴィアス、近親のキセキの血を信じて走ったんだと思いますが、58kg背負ってキタサンブラックにプレッシャーをかけられてしまい、苦しかったか。
最後はキタサンブラックがクビ差凌ぎました。
ラスト14.0で走っているので、天皇賞であれだけ走ったキタサンブラックとはいえ、さすがに疲れたのでしょう。
それでも大きなストライドは乱れませんので、大きくペースダウンしない強みが発揮されました。
勝ち時計2:08.3。
最速の天皇賞春と最遅の天皇賞秋。どちらも制覇したというのは奥深さが他の馬とは1枚も2枚も違います。
スゴイとしか言いようがないです。
直線の運び方も武豊騎手もさすがですが、それに応える馬がとんでもないです。
サトノクラウンを坂の上りで一瞬で突き放せるのは世界広しと言えど、もちろん重馬場の鬼が欧州にいますが、そのクラスでもやってみないと分からないという条件です。
スタート失敗もこの馬場だからこそリカバリがあそこまでできたのであって、パンパン良馬場なら違ったでしょう。
全体的に今日のキタサンブラックに向きました。
ほんとダメな馬は全然ダメでした。
サトノアラジンはゴール後すぐ停止。カデナ、ワンアンドオンリーも同様。ステファノスも向正面まで走れず。
馬場はかなり悪いというのが分かるように、ヤマカツエースの下の1コーナー付近がほぼ下が見えています。JCは仮に晴れてもパワーのいる馬場になるはずです。
ウイニングランをするキタサンブラック。
その後ろで死力を尽くしてぐったりしているように走っているサトノクラウン。
着差はクビ。タイム差なし。
その中での明暗。これが勝負の世界ですかね。サトノクラウンとはこれで4勝2敗。
負けた時はどちらも他の馬にも負けるキタサンブラックの2度の惨敗ですので、サトノクラウンからするとキタサンブラックに勝っている気がしないでしょうね。
キタサンブラックはこれでG1を6勝目。
ブラックタイドの後継なのは間違いなく、ディープと同じ血統背景ですが、ディープ後継とは一味違う母父サクラバクシンオー。
母の母の父にはダートでも活躍馬を多く出しているジヤツジアンジエルーチ。
自信はパワーに加えて天皇賞春をレコードで駆け抜けるスピード。
一体どんな馬を出すのか?というのは興味深く、種牡馬として渋く、不思議な馬になりそうな感じがします。
残り2戦。しっかり走ってもらいたいですね。
馬主が北島三郎さん、武豊騎手ということでやはり華があります。
歌うというのは難しいのかもしれませんが、残り2戦のどちらか、歌うシーンがあれば、って思います。
「特別扱いするな!」という声はあるかもしれませんが、私は特別扱いしていいと思っています。
競馬はエンターテインメントでもありますし。
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