Breeders’ Cup Juvenile Fillies(G1・1 1/16 m Dirt)
昨年はSongbirdですし、2012年にはBeholderもいます。
出世レースと言えばそうですが、2歳戦ですから。
昨年ほど力が抜けている馬は居ないので、混戦模様です。
レースは好スタートを切った人気のNoted And Quoted(ノーテットアンドクオーテッド)が逃げます。
2番手に外から掛かり気味にChampagne Room(シャンペンルーム)、緑のSweet Loretta(スイートロレッタ)辺りも前です。
ペースはそこまで速くありません。
前はじっくり走っていたと思います。それにしてもサンタアニタパーク競馬場のバックはシャンティイとは違った美しさです。
4コーナーから大外をAmerican Gal(アメリカンギャル)が上がっていきますが、その前をChampagne Room。
直線は抜け出したChampagne RoomをValadorna(ヴァラドーナ)が追い詰めますが、少し届きませんでした。
勝ち時計1:45.12。ちょっと例年に比べて遅い感じがします。
馬場はスプリントでも見てみないとわかりませんが、そんなに強調できるタイムではありません。
勝ったChampagne Room(シャンペンルーム)は父がBroken Vow(ブロークンボウ)。$25,000(250万円位)の種馬です。Unbridledの仔。
子供のG1勝利は初?じゃないかな。しかし世界には分からない馬が多いです。
荒れました。買うレースではありません。
Breeders Cup Filly & Mare Turf(G1・1 1/4 m Turf)
ヌーヴォレコルトが出走しました。
予想などは別途書いていますので、そちらで。
ヌーヴォレコルトはいいスタートでした。
ダートを横切りながらCatch a Glimpse(キャッチアグリンプス)が先頭で外からAvenge(アヴェンジ)。
スタート直後が上から撮られていますが、Queen’s Trustも悪いですし、Seventh Heavenは少し押しながら前に。
Lady Eliはやや窮屈にクビを上げるシーンがありました。
馬場も相当良いでしょうが、ペースが流れました。
23.10 – 46.16 – 1:10.11 – 1:34.12 – 1:57.75です。
4コーナーで逃げるAvengeを直線向いたら一気にLady Eliが襲い掛かります。
その後ろからコーナーワークが見事だったQueen’s TrustとSeventh Heavenが追いかけます。
直線は先に抜け出したLady Eliに外からQueen’s Trustが追いかけ、ハナ差勝ち。
昨日のBCディスタフのような美しいハナ差です。
Queen’s Trustは思い切って下げたので、ラストが切れました。
1600m~ゴールまでの400mの各馬のラップは以下の通りです。
- Queen’s Trust 22.94
- Lady Eli 23.21
- Avenge 23.72
- ヌーヴォレコルト 24.21
前半から考えるといくら後方にいたといっても、Queen’s Trustのラスト22秒台は立派としか言いようがありません。
勝ち時計の1:57.75はBCレコードです。デットーリ騎手は12回目のBC勝ちとのこと。
これでデビュー戦以来の勝ちで8戦2勝。G1は初勝利。
母父がKing’s Bestで父がDansili。お母さんがQueen’s Best(クイーンズベスト)ですので、日本にも同姓同名がいます。
ヌーヴォレコルトはやはり外枠もありましたし、日本でもどちらかと言えば下がり気味のパフォーマンスの中での挑戦だったので、ちょっと苦しかったかもしれません。
それでも前半から果敢に前に行き、1マイル通過時点で5番手ですから、一応勝てる位置には居たと思います。疲れましたか。遠いしね。仕方ないと思います。
結果は勝ち馬から7馬身半差の11着。見ての通り外枠で道中前に行った3頭はビリから3つ。こういう競馬場です。
ただ、こういう挑戦は立派ですので、チャレンジしてほしいと思います。
馬券的には日本は8億円位売れたらしいですし、日本だと 5 – 1 – 4 – 2の人気順で決まっていて、3番人気はヌーヴォレコルトということを考えると、日本の競馬ファンは異常に上手です。
「日本馬」という情を抜いて、損得勘定だけでやったら多分4番人気までで決まったでしょうね。
Breeders Cup Sprint(G1・6 f Dirt)
短距離も難しいのは相変わらずです。
A.P.Indian(エーピーインディアン)とか、Masochistic(マソチスティック)とかが人気です。
Joking(ジョーキング)とLord Nelson(ロードネルソン)が取り消しています。
好スタートを切ったDrefong(ドレフォング)についていくMasochistic。
飛ばします。これぞスプリント。入りの2Fが21.49。
そこから22.54 – 24.76 とラップは当然落としましたが、このスピードレースの面白さもあります。
1000m通過が55.98。ラスト13秒近くかかるのも分かります。
勝ったDrefongは父がマイル~10Fで活躍したGio Ponti。種付料は$12500なので、120万位。
前走キングスビショップS(G1)を好時計勝ちしていましたが、ここも快勝。6戦5勝。5連勝でG1も連勝しました。
2着はMasochistic、3着はスタートゆっくり出て道中後方、最後外から追い込んだMind Your Biscuits(マインドユアビスケット)です。
人気の1頭だったA.P.Indianは4着まで。
スピードレースなので、ある程度前に行かないといけませんが、3着にしれっと追い込んでくるというのが競馬です。
少頭数の内から伸びるパターンです。こういうのは気を付けないと。
Breeders Cup Turf Sprint(G1・6 1/2 f Turf)
もう出走馬しかわかりません。
もちろん知っている馬もいますが、仮にこのレースが馬券売り出されても買うのが困難です。
2頭取り消していますが、それでも14頭もいます。無理。
スタートでKarar(カラー)が出遅れました。後はみんな飛ばすだけです。
コースがクネクネと。
最初に右にカーブをして、そこから左。ダートも横切って走ります。ヘンテコなコースです。
21.41 – 43.08 – 1:11.33。
いくら何でもこれは速すぎます。馬場が…。
2着にはそれでも内ピッタリを走り、最後いい脚を見せたOm(オーム)。
この馬は道中最後方ですので、内を上手に走りました。
勝ったObviously(オブヴィアズリー)は8歳馬です。30戦14勝。
BCマイルだけですが、4回走っています。
2012年のアロヨセコマイル(G2)では日本のトレイルブレイザー相手に勝っています。もう歴史ですね。
Breeders’ Cup Juvenile(G1・1 1/16 m Dirt)
Three Rules(スリールールス)に注目しています。主にフロリダ限定戦を走り5戦負け無し。全て圧勝。
前走はずっと先頭で走り、2着に10馬身差。1700mの勝ち時計1:44.63は決して悪くありません。
日本で言えば地方競馬で圧勝続きで中央へ殴り込みのようなイメージです。成り上がりストーリーとしては面白いと思います。
父は種付料4500ドル(45万円)のゴーンアストレイ。自身はG2勝ちしかなく、最も稼いでいる産駒がこの子という種馬です。
当然相手は主流を走ってきている馬達だ。
ブリーダーズフィーチュリティーS(G1)を3馬身差で圧勝したパイオニアオブナイル産駒のClassic Empire (クラシックエンパイア)。
サンタアニタのフロントランナーS(G1)を3馬身差で逃げ切りを収めたGormley(ゴームリー)。
前走イロコイS(G3)を8馬身3/4差でぶっちぎりの圧勝をしたNot This Time(ノットズィスタイム)。
混戦です。
レースはSyndergaard(シンダーガード)が先頭で1コーナー。
2番手にClassic Empire、Three Rulesと続きます。Not This Timeは5番手です。
4コーナーから早々に先頭に立つClassic Empireが突き放します。それを追い込むNot This Time。
2頭以外は完全に離されてしまいました。
前の2頭だけが1200m~1600mまでで25秒台前半の脚に対して、ほかの馬が26秒台~27秒台なので、この差も仕方ありません。
それだけ2頭のパフォーマンスが特筆すべきものでした。
3着以下が6馬身3/4差ありますので、マッチレースです。
逃げたSyndergaardが4着、Three Rulesは6着でした。
時計は例年より少し良い感じです。
ジュベナイルフィリーズが悪かったですが、ここは良いと思います。
Breeders Cup Turf(G1・1 1/2m Turf)
凱旋門賞馬として日本でも一躍有名になったFound(ファウンド)は、2着の多いシルバーコレクターとしての姿の方が有名です。
今年のG1は凱旋門賞こそ勝ったものの、それ以外の5戦で2着というのはもはや職人芸の域。
迎え撃つ北米のエースは、今年から北米に主戦場を変えたFlintshire(フリントシャー)。
この馬も2着が多く、欧州時代は「勝ち切れない馬代表」のような馬でした。
移籍後の今年は力を発揮して3連勝していましたが、前走は圧倒的人気も2着に敗戦。「北米でも2着」という姿を今年初めて見せてしまいました。
「どちらが勝つのか?」も注目ではあるが、「どちらが2着か?」にも注目です。
Highland Reel(ハイランドリール)の逃げ切りでした。
これは楽に逃げられすぎです。誰も追いかけていない単騎逃げ。この馬場で前半60秒少し超える程度。後続は反省する内容ですね。
1マイル通過位から離しています。この競馬場では前に行けば粘れます。ましてやキングジョージを勝っている馬です。
12秒のラップを淡々と走りました。
24.83 – 48.00 – 1:12.70 – 1:36.16 – 2:23.00
1200m通過時点では1馬身1/4差しか無かった差が、1600m通過時点では6馬身1/4差に広がっています。
確かに23.46とペースをHighland Reelは上げましたが、トータルでは12秒のラップを刻んでいますし、6馬身以上離されてしまう程のペースではありません。
そこからもう1つギアを上げ、4コーナーの地点では既に後続とは決定的な差をつけました。
Foundは終始10番手位の内。スタートは躓いてしまいましたし、そこから下げて最初の1F通過時点で11番手。
ペースは置いておいて、馬場を考えると下げ過ぎですね。スタートは躓いたものの後手ではなかったので、ややチグハグでした。
2着にはFlintshire。また2着。多分G1での2着は8回目。シルバーコレクターの本領発揮です。
3着には追い込んで来たFound。
4着にはUlysses(ユリシーズ)が入りましたので、1、3、4着がガリレオ産駒。もう1頭のMondialiste(モンディアリスト)は最下位でした。
毎年欧州馬に馬場を貸すだけですので、今年もFlintshireは元欧州という事を考えると、そういうレースです。
アメリカ芝の長距離なんてマイノリティもマイノリティですし。
このレースを最後にFoundは引退。ご苦労様です。Flintshireも引退。時代は変わります。
🏆 Prix Marcel Boussac
🏆 Royal Whip Stakes
🏆 Breeders’ Cup Turf
🏆 Mooresbridge Stakes
🏆 Prix de l’Arc de Triomphe👏 Found is retired. pic.twitter.com/7hwFg7jYK3
— bet365 (@bet365) 2016年11月5日
Breeders’ Cup Filly & Mare Sprint(G1・7 f Dirt)
2016年は全てランクの高いレースではないものの5戦3勝2着2回、そして3連勝中のHaveyougoneaway(ハブユーゴーンアウェイ)。カタカナで書くと変です。
Songbirdの2着が2回あるCarina Mia(カリーナミア)。
ごはんとか食べたりダラダラタイムだったので、あまり印象に残っていません。次のマイル~クラシックを楽しむためにはそういう時間は必要です。
Carina Miaも全然出てこないし、全て同じテンションでこの日は無理です。現地行った時でも中弛みしました。
勝ったFinest CityはCity Zip産駒の4歳牝馬。
11戦4勝でG1は初勝利です。
ヴァニティーステークスではビホルダー、ステラウィンドの3着もありますし、前走はフィリーアンドメアターフで3着だったAvengeの2着です。
Breeders Cup Mile(G1・1 mile Turf)
BCマイルを連覇した牝馬は2頭。
キングマンボの母としても有名なミエスク、3連覇を達成したゴルディコヴァ。
歴史に名を残す名マイラーと比較して、Tepin(テピン)も決して劣るものではありません。
前走はPhoto Call(フォトコール)のよもやの逃げ切りの前に1年2ヶ月振りに負けましたが、事故みたいなものだと考えれば、ここは負けられない1戦です。
ライバルは欧州からの参戦馬。Limato(リマト)とAlice Spring(アリススプリングス)の2頭。
Limatoは前走は凱旋門賞当日の1400mのフォレ賞(G1)を勝利している4歳セン馬。
1200mのジュライC(G1)も勝利し、1000mのナソトープS(G1)の2着もあるどちらかと言えばスプリンターです。
Alice Springはオブライエン厩舎でライアン・ムーア騎手騎乗の3歳牝馬。
ファルマスS、ロスチャイルド賞、サンチャリオットSと牝馬限定の1マイルG1を3勝。
7戦連続で牝馬限定マイルG1を使われており、こちらは筋金入りのマイラーです。
スタートでSpectre(スペクター)が出遅れ。
Tepinもまずまずの好スタートを切ります。What a View(ホワットアビュー)が大逃げというか飛ばします。
21.81 – 44.61 で半マイル通過なので、かなり速い流れです。
Tepinは1コーナーの時点で外でした。芦毛のIronicus(アイロニカス)もいつもより前にいます。
Alice Springsはスタートもあまり速くなかったですし、少し押していたのですが、結局中段になってしまいました。
Tourist(ツーリスト)はスタート直後に内にスッと入れたのはこの競馬場では大きかったです。
ロスなく走るのはこの競馬場に関わらず重要ですが、特に高速馬場だと更に重要さが増します。
逃げ馬を行かせて2番手に収まったMidnight Storm(ミッドナイトストーム)が逃げ馬をじっくり交わし、内からTourist。
大外から伸びて来たTepinは先に抜け出したTouristが11.31のラストに対し、11.06と大きく上回りましたが、届きません。
勝ち時計1:31.71。
Tepinは昨年に比べるとレースとしては厳しいものになりました。
44.61 – 47.10の前後半とはいえ、追いかけ過ぎず、後ろ過ぎずが求められます。
Breeders Cup Classic(G1・1 1/4 m Dirt)
世界最高のレーティングを保持し、それに違わぬ力を見せつけている北米最強馬California Chrome(カリフォルニアクローム)。
スピード、パワーでライバルを潰し切ってしまうため、ライバルが手の出しようがありません。
しかし、このCalifornia Chromeを超えるかもしれない馬がいます。トラヴァースSを13馬身差圧勝したArrogate (アロゲイト)です。
この時のパフォーマンスは、過去の名馬と比較しても遜色ないどころではなく、Brisnet.comがスピードレイティングで1990年以降の最高値をつけるなど、インパクトは相当なものでした。
ただ、問題は休み明けに加え、トラヴァースSがそもそもBCクラシックの鬼門。
勝ち馬が悉く沈んでいる歴史があります。サマーバード、ストリートセンス、バーナーディニ、メダグリアドーロ、イージーゴア…。
それを知ってか知らずか、昨年American Pharoah(アメリカンファラオ)が唯一負けたのがこのレースです。
好スタートからCalifornia Chromeが先頭。
Melatonin(メラトニン)を挟んでArrogateが3番手。内でFrosted(フロステッド)。他はいいんじゃないかな。
ラップは以下の通りです。
23.28 – 47.15 – 1:10.96 – 1:35.72 – 2:00.11
少しスローというかマイペースの逃げに持ち込んだCalifornia Chrome。
Arrogateは外からジワジワと前に行きますが、手応えの差を少し感じました。
4コーナーで外に膨れたMelatoninの内を突くArrogate。ここは見応えがありました。
エスピノーザ騎手が後ろをチラッと振り返り、じっくり待っての追い出しでした。
直線Arrogateのストライドが伸び、ゴール前は手に汗握るデッドヒート。解説不要ですね。
California Chromeが直線止まったかと伸びなかったというのは失礼ですね。その後ろとの差を見たら、これを抜くとなると大変です。
2着と3着との差は10馬身3/4差です。
ラスト200mはCalifornia Chromeが24.53に対し、Arrogateが24.15。0.4秒も上回るとは恐れ入りました。3番手が後方から追い込んで24.85を記録したHoppertunity(ホッパーチュニティ)。
とても1歩が大きく、手応えも微妙でしたが、どんどん差を詰めました。
Arrogateは4コーナーで内を突けたのは大きかったと思います。ロスを最小限にできたので、少頭数だったのも助かったでしょう。
後ろを振り返ってたらMelatoninも一杯一杯でしたし、Arrogateも目を見張る手応えじゃないので、勝つと思ったでしょうね。
バファート調教師はこれでBayern(バイエルン)→American Pharoah(アメリカンファラオ)に次いで3連勝。
1日目はこちらから。
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