レース
ゲートが開いて大きな出遅れに繋がりそうな馬は無し。
外のマイネルフロストが少し上向いてますが、これは馬であればよくあることです。
クリールカイザーやリアファル辺りが前に行きます。
最内でミライヘノツバサも少し押しながら前に行きました。
思ったよりクリールカイザーが主張したので、もっと牽制し合いながらなのかな?と戦前は思っていましたが、一転流れそうな雰囲気も漂いました。
逃げるまではいかないけどある程度前に行きたい馬が揃っていたのもあるでしょう。
前組と後組との間にスポッと入ったタンタアレグリア。
そのまま内側へスーッと入れたのはこう見るとなんて恵まれているんだと思います。
対してゼーヴィントは1コーナー手前でショウナンバッハとワンアンドオンリーに挟まれるように1歩下がりましたし、ワンアンドオンリーなんかもスタートから少し気合入れてましたが、結局1コーナー回る時にはほぼ出たなりに走っていたタンタアレグリアより半馬身位前にいました。
この後に少しゼーヴィントが狭くなりました。
それでも外回り2200mです。十分挽回可能だろうと思いながらの1コーナー。
リアファルがスタートも良かったですし、ほぼ思い通りの位置に付けられたのではないかとは思いました。最内でシングウィズジョイも窮屈そうにしていましたが、位置としては悪くありません。
向正面でクリールカイザーが内側へ入り先頭でレースを引っ張ります。
2番手にリアファル、内でミライヘノツバサ。
ヤマニンボワラクテ、シングウィズジョイ、内でクラリティスカイ。ここまでが大体先頭集団。
中段にショウナンバッハがいて、内に潜りん込んだタンタアレグリア、外からマイネルフロスト。
離れてゼーヴィント、ワンアンドオンリー、ナスノセイカンにシルクドリーマー。
ルミナスウォリアー、マイネルメダリストにホッコーブレーヴ、ポツンと11歳になったサイモントルナーレという展開。
前半は35.8-59.6。流れました。
過去10年で前半36.0を切った事が無いレースですし、クリールカイザー大逃げのレースでもないので、かなりハードなレースです。
クリールカイザーがスイスイと外から被せるように出たのに、簡単に先頭を奪えなかったように、多くの馬が「そこそこいい位置でいたい」という馬が多かったので、1コーナーまでも激しくなりました。また、リアファルとミライヘノツバサがすんなり落ち着いて走れればまた違ったと思いますが、ヤマニンボワラクテも力んでいますし、クラリティスカイもそう。マイネルフロストが外から上がってくるというように動いていたので、2番手もそこまでペースを落としにくい。必然的に先頭のクリールカイザーとしてみたら後ろがそんなに離れないので、ペースを落としにくいというような感じだったのだろうと推測します。
こうなると前は辛いです。
リアファルは早々にシュミノー騎手が後ろを振り返ったように、いかに邪魔しないで下がるか?を確認していたので、馬券は早々にハズレ決定。
ミライヘノツバサの後ろをじっくりとタンタアレグリア。
後ろからのペースではあったんですが、リアファル、ヤマニンボワラクテ、ショウナンバッハといった真ん中の馬が揃いも揃ってバテた影響もあり、ゼーヴィントやルミナスウォリアー、ナスノセイカン辺りは、前を簡単に抜ける割に比較的外を走らなければならないという4コーナーになってしまいました。
そこで待っていたらやられてしまいますので、仕掛けるのは仕方ありません。
東京なら直線まで待てばいいという選択ができますが、中山だとそうもいきません。
ゼーヴィントもスッと反応していますが、まぁ前もバテてますし。
直線
直線は言葉に詰まりました。
ただ、これは競馬ファンは目を背けられませんので、写真は載せます。
シングウィズジョイが左上腕骨々折で転倒してしまいました。
不幸中の幸いだったのは、ルメール騎手も骨折みたいな怪我がなかったことと、外の2頭(マイネルメダリストとホッコーブレーヴ)が綺麗に避けたので、大きな事故につながりませんでした。
パトロールビデオを何回も見るのも本当に心が痛みます。
ましてやシングウィズジョイですから。無事にいけばこれ程の馬ですから、余生を歩めたはずの馬だからこそ思う事もあります。
しかしレースは続きます。
内から進出したタンタアレグリアが前を行くミライヘノツバサに襲い掛かります。
外からゼーヴィントも並びかけ、更に外からルミナスウォリアー。
1800m通過が1:47.8とスプリングステークスの勝ち時計位で走った後、11.8ともう1段加速しています。
そこである程度振り切られてしまい、特に8着のショウナンバッハ以下とは明確な差が出ました。
重賞で戦える馬とそうでない馬との差が明確に分かれたと思います。
ゼーヴィントはゴール前まで止まる事もなく、やや不調な戸崎騎手の左鞭に応えて差を詰めますが、僅かなロスすらなかったタンタアレグリアとの差が体半分差。
負けたとはいえ非常に強いレースでした。
「これだけ走れれば重賞勝つのは時間の問題」というのはフィエロみたいな馬もいるので簡単に言えないものの、レースも上手ですし、今年1つ以上は勝てそうには見えます。
ただ、やはりまだG1で掲示板に入るような馬相手だと何かしらの助けは必要でしょうね。
時計も詰めて速いラップでもパフォーマンスの落ちがないのは分かりましたが、今の時点では突き抜けるまでの強さはまだありません。
ミライヘノツバサも速いラップの中、内でジッとしていられたとはいえ、クリールカイザーが12着、リアファルが13着に沈む流れをただ1頭粘って3着。
菊花賞13着馬ですからねー。
自分から前を捕まえに行き、ゴール前まで粘り込むというレースが安定してできると、かなり怖い1頭になるかもしれません。
最後は半馬身差をつけて2:11.9という好時計でタンタアレグリアが駆け抜けました。
実績は天皇賞春4着もありますし、ここでは上位ですが休み明け。
しっかりと仕上がっていたんでしょうね。
レースも道中すんなり内に入れて、ミライヘノツバサの後ろをピッタリと追走。直線も何の不利もなく走れたというのは大きかったでしょう。
これで初重賞制覇です。
この時計で走れるようだと、春は大きい所でも狙えるくらいの位置にいると思います。長距離は得意ですし。
ルミナスウォリアーも道中ゆったりから直線勝負ができたと思いますが、やはりG2となるとワンパンチ不足というところ。
これだけ走れればG3は手の届く位置にいますし、6歳ですが頑張ってほしいところ。
ワンアンドオンリーは…。
今回も0.6秒差の5着、しかも斤量は他の馬より1kg重い。さぁ次はというのを何度繰り返すのか分かりませんが、毎度毎度「次は狙い目」という微妙な着順と着差。
最後の最後で馬が止めているというか、全力で走っている感じは受けません。
良い頃の走りに比べて頭も高いですし、走りが全然違います。
ワンアンドオンリーの良い頃(弥生賞)
今回
角度は違うものの、重心の低い走りをしていたイメージがありますが、最近はクビが下がらない印象を受けます。
トーホウジャッカルも悪い時にはフワフワしてしまいましたが、それに近い。でも基本性能で1秒以内の勝負をしているというのが現実かな。ダービー馬ですから期待していますが…。
リアファルはどうもありません。
ペースというより、自分から止めたのでしょう。
今だとダートに戻っても砂被ったらすぐ止めそうですし、坂路の時計は出てもレースでこんな感じだと、深刻化するかもしれません。
最後にシングウィズジョイについてです。
本当にこれは見るのは辛い事故でした。
シングライクトーク →シングライクバードと重賞で走ってきた馬の仔としてG1でも連対した馬です。
安らかにとしか言いようがありません。
こういう事故を見ると、「命がけなんだな」と。
事故の状況も難しいですね。
タンタアレグリアがバテたクリールカイザーが下がってくるところを少し外に行った所からクラリティスカイ→マイネルフロスト→シングウィズジョイとぶつかり、外のシルクドリーマーと前のナスノセイカンとの間に挟まり、前の馬の本当に真後ろに入ってしまっての転倒。
バテた馬と伸びる馬とが半々で丁度真ん中に入ってしまったという所で起きてしまいました。本当に難しい。落馬は怖いし。
事故は無い方がいいと思いますが、競馬である以上仕方ない面も。
ファンとしてはとても複雑なレースでした。
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