第58回宝塚記念 レース回顧




第58回宝塚記念(G1・阪神・芝2200m・稍重)

西日本は大雨という予報もありましたが、阪神競馬場付近はそうでもないみたいですね。
稍重の馬場でのレースになりました。

1つ前も2つ前も武豊騎手-幸騎手で決まっていたので、キタサンブラック – スピリッツミノルがあるか?という流れですが、そんなうまくいきません。
中央競馬の2017年度上半期最終戦です。

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第58回宝塚記念 展開予想

2017.06.24

馬場は同日9Rの皆生特別のダイアナヘイローが1:08.9。
前走同じ阪神の500万下で1:07.7。
単純比較はできませんが、イメージはプラス1.0秒という馬場。

キタサンブラックが体重が更に増え、542kg。デビュー最高体重になりました。デビュー時から30kgも増えているので、もはや当時とは別馬です。
サトノクラウンは前走マイナス12kgと減ったのもあり、もう1回戻してきたという感じ。

パドックはゴールドアクターはホライゾネットの効果もあるでしょうが、雰囲気は悪くありません。
ミッキークイーンは少しいつもよりイライラというか元気一杯。紅一点ですし、少し気になります。
そう言っているとグリーンチャンネルに地震情報。

ザ・チャンピオンが流れる中での本馬場入場。
キタサンブラックは行きたがる感じは見せていましたが、もともと前向きな気性です。
シャケトラはジャンプするようにキャンターへ。黒くて大きくて良い馬です。
ゴールドアクターは思っていたより大分落ち着いていい感じに見えました。

ファンファーレも最初は違和感ありましたが、最近は慣れたものです。
レース毎、競馬場毎に違ってもいいかもしれませんね。

スタートはキタサンブラックは好スタート。
他の馬もまずまず。クラリティシチーや気合を入れてミッキーロケットも好スタートです。
真ん中からシュヴァルグランにシャケトラも前目。
キタサンブラックは外枠だから、といっても11頭立ての10番。ただ、逃げる感じにはスタート直後から見えませんでした。

内でミッキーロケットとゴールドアクターがジワっと外へ。
馬場もあると思いますので、最内は避けながらキタサンブラックの後ろへ。

1コーナーはクラリティシチーを制してシュヴァルグランが先頭で走ります。
2番手にシャケトラ、内でクラリティシチーにミッキーロケット、その外へキタサンブラックがややかかり気味。
その外からサトノクラウンがじっくりとキタサンブラックの外へ。この動きがキタサンブラックを楽にさせなかったというのもありますかね。
ただ、自身も脚を使っているのには変わりませんので、有利でも不利でもないと思います。

その後ろにゴールドアクター、スピリッツミノルにミッキークイーン。レインボーライン続いて最後方にヒットザターゲット。

道中動きがありました。
キタサンブラックというマークする馬が前にいるというのもありますし、楽に逃がして何も良い事はありません。
最初の入りの3Fが35.2。去年より遅いですし、平均位。
そこから13.1と息が入ってキタサンブラックが少しかかるシーンが見られました。12.3と少し上がった所でサトノクラウンが外から。

キタサンブラックとしては最初から無理せず、ペースが落ちた所でかかり気味に上がりながら、1000m通過60.6。
去年よりは楽だし、天皇賞と比較しても無理をしたとは思えません。
ここから11秒台のラップが続きますが、外を回っているというのはあるにしろサトノクラウンも同じですし、シャケトラとも差がある位置ではありません。

サトノクラウンは一旦キタサンブラックに並びかけるような位置からもう1回下げています。
ペースが上がりだしているので、近くにいれば無理して追走する必要もありません。
遅くなった所で並ぶ位まで近づき、ペースが上がった時に無理しないでも決定的に離されるのを防いだ?のかな。

4コーナー付近で外からレインボーラインやシャケトラ、外からキタサンブラックが手が動いているのに対し、内でジックリと構えたゴールドアクターと直線まで追うのを我慢していたようなサトノクラウン。
レインボーラインを先に行かせてから動き出したミッキークイーン。

直線入り口で内のクラリティシチー、スピリッツミノル、シュヴァルグランが下がる中、外からシャケトラにキタサンブラックが並びかけます。
後方では同じミッキーのロケットがよれてクイーンが少し挟まりました。それでもほぼ押し負けなかったミッキークイーンの力強さ。ヴィクトリアマイルとは馬が違いましたね。
レインボーラインはロングスパートし過ぎたようで、サトノクラウンに並びかけるまで。外々をずっと走り、さらに押し切る程強ければ既にG1を勝っています。

ゴールドアクターの動きは素晴らしかったと思います。
決め打ちでしょうが、内の3頭が4コーナーで潰れたので、待って待って直線で内へ。

シャケトラが先頭で走りますが、キタサンブラックの動きが悪く、外から一気にサトノクラウン。
内からゴールドアクターも頑張りますが、ここは脚が違いました。
キタサンブラックは最後止まるようになってしまい、外からミッキークイーンが前に。シャケトラを交わします。

ゴールドアクターが粘りながらも最後は外から3/4馬身差でサトノクラウンの勝利。
香港以来のG1勝ちですが、馬場も多少力のいる状態というのもプラスに働いたとは思いますが、勝ち時計2:11.4は馬場を考えるとかなり優秀。
特に後半11秒台がずっと続くというのも久々です。メイショウドトウが勝った時以来です。

レース後の印象は何とも言えません。
別に1番人気が負けたからではなく、ラップだけ見ると前の馬がそこまで大崩れする感じはしませんが、軒並み着外に。
馬場を考えると、このクラスでも11秒台を持続し続けるのは相当大変なのでしょう。
だからこそ勝負所で待った連中が最後ひと踏ん張りできている、ということなのかな。
シャケトラは結果的に頑張ったものの、日経賞みたいなレースなら勝っていたかもしれません。無理しすぎた印象すら受けます。

サトノクラウンは遅くなった時に射程に入れてジックリ待てたのは大きかったのかと思います。
ペースが上がって無理もせず、小回りなのもありコーナーは無理せず。レインボーラインに外から来られても余裕十分ですので、開くまで待てばいいという走り。
上がり35.4ですので、これ位の消耗戦になると真価を発揮します。
「アテにならない」と一刀両断しましたが、香港ヴァーズを見るまでもなく力はあるので、驚きもなく、ただただ眺めていました。

かつてブログでサトノクラウンについて

皐月賞というか中山はいいだろう。あの競馬場は一瞬の脚が使える馬は強い。

と書いていました。同じですね。阪神内回り。

ゴールドアクターはパドックから随分落ち着いていて、良く見えました。
今回位落ち着いていれば、まだまだ老け込む馬ではありません。
走りも最近バラバラになるシーンもありましたが、今回はきちんとクビを使っていつもの動き。
4コーナーに向かうにつれて徐々に内に入るというエスコート。内側の前がバテそうという中での動きでしょうが、ミッキーロケットの後ろに入った所がポイントだったと思います。

ミッキークイーンは前走とは打って変わっての走り。
直線フワフワしていた前走とは全く違いました。元々馬群を割れるタイプですので、ミッキーロケットに寄られてもへこたれません。
2000m以上欲しい+少頭数で馬群を割ってこそ、なのでヴェルメイユ賞とかに行けばいいのに。

シャケトラは先行勢唯一の生き残りで4着。
キタサンブラックに内のスペースを与えず、ペースを落とさずに潰した格好になりました。
この馬がいなければキタサンブラックがどうなっていたかは分かりません。単純に差してこいというのも違う気がします。

レインボーラインはスパートするのはいいですが、長い距離過ぎましたかね。
それでも最後ミッキーロケットは交わしているので、そこは最低限の結果は出せたかと。
難しい馬ですが、今回のようにどのレースでもそこそこ対応できそうな走りではなく、もっと決め打ちの方がいいと思いました。

シュヴァルグランは仕方ないですかね。
行ってしまったのはやむを得ないですが、前に行くのと逃げるのとでは違います。
もちろん天皇賞の疲れもあったかもしれませんが、逃げがそもそも向かない馬もいます。先頭を走るのは消耗しますし。
キタサンブラックにそれでも先着していたので、驚きました。

キタサンブラックは道中行きっぷりも悪くなかったですが、ダイアナヘイローのイメージで乗っていたのかな。
このメンバーですし、もともと切れ味で勝ってきた訳ではないので、「溜めてどうするのかな?」と不安な道中したが、現実に。
ディープのようなタイプではなく、自在性と内目や経済コースを渋く走るのが身上ですので、外々回って直線勝負というのはファンとしては「なんか釈然としない」という思いが出ても仕方ない所。
もちろんレース回顧なので結果論ですが、相手関係を考えて個人的には逃げて欲しかったです。

そして最後歩くようにゴールをしたのは心配です。
天皇賞の消耗が相当激しかった可能性はあるにしろ7週間ありました。
幸いにして春シーズン最後ですので、もう1回仕上げなおす時間はありますが、バーンアウトのようになってしまう場合もあります。
研ぎ澄まして神戸新聞杯を戦った後に乗り切れないワンアンドオンリーもそうですが、天皇賞で仕上げすぎて風船が割れてしまった、という事のないように秋を楽しみにしたいです。

 

レースを終わって1つ思ったことは、「見やすい」です。この頭数はかなり見やすい。全ての馬が分かるというのは観戦においてここまで楽なのかと感じました。
結果は仕方ありません。圧倒的1番人気が負けるというのも競馬です。
ここまで大きく崩れたのは信じられませんが、強いと言っても多くの場合着差は1馬身程度。何かあると一発で逆転されてしまいますね。

この春G1は難しかった。1番人気がしっかりいてその馬が崩れて2番人気も崩れても3連複は29番人気の10670円。
「え、もっとつくと思ったのに」という人がいそうですね。私はそう思いました。




2 件のコメント

  • サブちゃんたち、ほんとはフランスに行きたくなかったんでしょうね。
    キタサン、スタートしてからいつもの迫力がなく左に顔向いちゃってましたよね❔
    とにかくゆっくり休んで欲しいです。

    • こんにちは。
      またまた遅くなってしまいました。
      >ほんとはフランスに行きたくなかったんでしょうね。
      それでも全然OKだと思っています。日本のレベルと大差ないので、どちらを選ぶかだけです。
      私は今年フランス遠征予定ですが、キタサンブラックはそういう意味では少し残念ではあります。
      疲れもあったかと思いますし、夏休み挟んでまた日本で見られるというだけで十分。楽しみですよ。

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