第238回英国ダービー レース回顧




2017 Investec Derby(G1・エプソムダウンズ・芝1m4f・Good)

今年も英国のダービーとなりました。

未勝利馬も出てきたりで18頭立て。
人気はダービートライアル(という一般戦)を制したフランケル産駒のCracksman(クラックスマン)。フランケルが英国ダービー馬を出すか?という期待もあったかもしれませんね。ゴスデン厩舎にデットーリ騎手。

チェスターのディーステークスを勝ってきたCliffs Of Moher(クリフスオブモハー)。オブライエン厩舎のムーア騎手。
2000ギニーは6着も2歳時にクラヴァンステークスを勝っているEminent(エミネント)。フランケル産駒。

ダンテSを勝ったPermian(パーミアン)。キャリアは10戦を超え、英国の有力馬らしからぬ走りっぷりです。
そして隠し玉として前走デビュー戦10馬身差圧勝を決めたDubai Thunder(ドバイサンダー)。これ位シンプルだと読みやすいです。

では、レースです。

レースはDouglas Macarthur(ダグラスマッカーサー)が引っ張ります。
2番手にThe Anvil(ジアンヴィル)が追走し、オブライエン厩舎でペースを作ります。

内目で服も帽子も青のBest Solution(ベストソリューション)の外につける白っぽい服に赤帽がCracksman
全部言ってるとキリがないので、外目の芦毛がCapri(カプリ)でその内側のえんじ色がCrowned Eagle(クラウンドイーグル)
後方の真っ黒勝負服がCliffs Of Moher、そして後ろの方の紫服の白帽子がWings of Eagles(ウイングスオブイーグルス)という展開。

道中は2頭が離しました。
エプソム独特のスタートしての逆コーナー、そして向正面での人の多さ。あの人たちはレースほぼ見れません。
まぁ箱根駅伝でゴールだけ見るのが良い訳ではありませんし、向正面専門のカメラマンとか居そう。

4コーナーで少しCracksmanが動きが鈍くデットーリ騎手が肩鞭?入れるような形で気合を入れます。それを外から被せる感じでCapri。
直線はDouglas Macarthurが粘る所、外から赤い帽子、ゴールデンホーンのようにCracksmanが先頭へ。
大外からちょっと前がよれたりなんだりしていたものの、大外に持ち出した黒い勝負服Cliffs Of Moher。昨年のユーエスアーミーレンジャーを見ているよう。あまりいい思い出ではないですが…。

EminentもCapriの外のスペースからCliffs Of Moherと一緒に伸びてきて、前3頭が並びかける中、大外から前の赤帽子に青勝負服のDubai Thunderがよれよれをやっとこさ外に出して一気に追い込んだWings of Eagles。
前3頭に並ぶ事無く抜き去り、3/4馬身差で1着。
2着にCliffs Of Moher、3着にCracksmanが入りました。オブライエン厩舎、ワンツー。

勝ったWings of Eaglesはこれで6戦2勝。前走チェスターヴァーズを2着でした。
父はPour Moi(プールモア)。フランス調教馬として35年ぶりに英国ダービーを制した父に続きました。
勝ち方が父に似ている気もします。

勝ち時計2:33.02。時計もいいですね。
昨日から良かったので、まぁ馬場が変わらんのでこんなもんか。

終わりましたが、何とも言いにくいレースです。
今年はワクワク感は少なかった印象です。

というのも、メンバー構成を見ているとなんというか、日本の方がまだ遥かにマシです。

  • エイダン・オブライエン厩舎(クールモア):6頭
  • ジョセフ・オブライエン厩舎(息子):1頭
  • ジョン・ゴスデン厩舎(色々):5頭
  • スルール厩舎(ゴドルフィン):3頭

です。
つまり、3厩舎(オブライエン親子を1つ)で18頭中15頭を占めます。本当に極僅かの関係者の勝負にしかなっていません。
「社台の運動会」と揶揄されたとしても、少なくとも厩舎は分かれています。
英国はそれすら分かれていないので、こういうことに。英国に住んでるならともかく、これでワクワクしろとか。

フランケル産駒は3着、4着とまたしても英国でのタイトル獲得ならず。
凱旋門賞で脅威になるか?というと微妙ですね。もう1回見てみないと何とも言えません。
3着のCracksmanが雰囲気は一番いいかも。




2 件のコメント

  •  「英国ダービー回顧」、ありがとうございました。
     さて、常日頃メディアにおける「輩出」誤用の蔓延にはゲンナリしておりましたが、ついに愛読する当ブログでも目にしてしまい、躊躇ったものの蛮勇を揮って書かせていただきます。
     「輩出」とは<才能のあるすぐれた人が続々と世に出ること>(広辞苑:第五版)とあるように単数には使いません。フランケルは初年度産駒が3歳なので、数年後には「輩出」する結果となることがあっても今年の場合は適切ではないですね。
     「排出」と混同されている向きもあるようですが、厳密にいえばこれも適当ではなく、単に「出す」で好いのではないでしょうか。
     失敬とは存じながらも、つい老婆心から(元国語教師ということもあり)申し上げました。ご容赦ください。

    • ご指摘ありがとうございます。
      すみません、お見苦しい誤用をしてしまっていて。勉強になりました。
      日本語、難しいですね。
      多少そのような認識間違いで使わない言葉を使っている場合があるかと思いますので、ご指摘いただければ。

  • Leave a Reply to まさゆき Cancel reply

    Your email address will not be published. Required fields are marked *