アポロの呪いとディープっ仔。2018ケンタッキーダービーと英国2000ギニー。




2018 Kentucky Derby(G1・チャーチルダウンズ・ダート2000m)

ケンタッキーダービーです。
157,813人の観衆が集まりました。

馬場を見てびっくり。どろんこ。ソフトの馬場。

細かい出走馬の情報はこっち参照で。英2000ギニーも。

ケンタッキーダービーに英2000ギニー。欧米でクラシック開幕。

2018.05.01

スタート直後に外がガチャガチャしました。
内は非常にスムーズでしたが、外側が内に入るところでかなりいろいろな不利やらなんやら。
一般的に外枠は不利が少ないのが有利な点ですが、一切そういう所がありませんでした。

欧州から挑戦のMendelssohn(メンデルスゾーン)は外から大きく挟まれます。
ここは欧州ではなく、バリードイルとはいえそこまで神通力の通じないアメリカ。この馬場でこの流れだと、スタート直後に終戦です。

内からするするとPromises Fulfilled(プロミセスフルフィールド)が逃げ2番手にJustify(ジャスティファイ)
Good Magic(グッドマジック)Bolt d’Oro(ボルトドーロ)辺りも前に。

スタートから一気に泥んこになったため、ほとんど勝負服で見分けがつかず。
観戦にはつらいレースになりました。

ペースは22.24-45.77。
馬場を考えると、なかなか高速な入りだと思います。
参考までに昨年は23.16-46.66。

同日の10レースの3歳マイルのG3がありましたが、Funny Duck(ファニーダック)という馬が勝った勝ち時計が1:37.16。22.10-45.42で入った逃げ馬がつぶれ、後方から追い込んでの勝利でした。

それをJustifyもそうですが、Good MagicやFlameaway(フレイムアウェイ)辺りも離れずについていきました。
4コーナーで先頭に立ったJustifyに外から辛うじて黄色の勝負服に見えなくもないGood Magicがスッとつけます。

直線は完全な消耗戦。
後方から追い込んできたのは最内ついたAudible(オーディブル)位で、他はバテバテの直線。

逃げるJustifyがGood Magicを振り切り、歓喜のゴールへ。
「アポロの呪い」と言われ、136年間も3歳デビューの馬はこの壁を突破できませんでしたが、4連勝で一気に頂点まで到達しました。

勝ち時計2:04.20は悪いですが、馬場もありますからね。
最近だとSuper Saverが勝った凄まじい泥んこ馬場の時が2:04.45。似たようなコンディションだったって事で。あの時悲惨だったからな。

Scat Daddy産駒です。
ラストクロップの1世代前ですが、見事ケンタッキーダービーも制しました。
今年デビューする(147頭のどれだけデビューできるか分かりませんが)馬がラストクロップ。牡馬として後継としては面白いとは思います。母系はPulpit(Tapitの父)にGhostzapper。

レース全体を見ると枠は恵まれましたが、それでもしっかり勝ち切り、そして無敗で制したのは素晴らしいと思います。

2着に2馬身半差でGood Magic、3着にAudibleと続きます。
もう1頭の無敗の3歳デビューのMagnum Moon(マグナムムーン)はスタートから判別できずに49馬身半遅れたブービー。
その後ろにライアン・ムーア騎乗のMendelssohn。遅れること73馬身1/4差でビリ。
馬場もこのソフトの馬場では苦しかったのかもしれませんが、全部が全部北米の馬とはいえこの馬場を経験していませんし、Justifyだってチャーチルダウンズ初出走です。
この1戦でUAEダービーの走りを否定できませんが、ドバイのような軽い馬場が合っていたのかぁ。

難しいです。
当てるのも相当難しいですが、観戦が相当難しい。

 

ちなみに、ケンタッキーダービー前にはこういうのも行われています。
アメリカ人も好きねー。こういうの。

Puppies Predict the 2018 Kentucky Derby

Jimmy welcomes back his panel of puppies to predict the results of the 144th Kentucky Derby.

The Tonight Show Starring Jimmy Fallonさんの投稿 2018年5月4日(金)

 

Old Forester Turf Classic Stakes(G1・チャーチルダウンズ・芝1800m)

G1です。
オールドフォレスターターフクラシック。

勝ったのは日本産馬ハーツクライ産駒のYoshida(ヨシダ)です。

結構人気がなくて、どうかなぁと思っていましたが、素晴らしいです。
2番手にいるの10番が人気のBeach Patrol(ビーチパトロール)。昨年のBCターフ2着馬です。

今や北米芝のトップと言っていいこの馬を、直線叩き合って勝利しました。
今年は昨年以上にやるかもしれません。

 

2018 Qipco 2000 Guineas Stakes(G1・ニューマーケット・芝1600m)

英国2000ギニーです。
既にニュースでは流れていますが、ディープインパクト産駒のSaxon Warrior(サクソンウォーリアー)が勝利しました。ディープインパクトの仔は今年は日本クラシックではかなり苦戦していますが、転んでもただでは起きません。

直線のマイル戦は非常に見にくい。
さすがにペースメーカーがしっかり仕事をして、好スタートからMurilloという8番の馬がしっかり逃げます。
その後ろにシマシマ帽子のElarqam(エラーカム)、外埒沿いの青い勝負服7番が人気のMasar(マサー)です。
若干どちらも行きたがっている様子には見えました。

その付近にいる全身紺のGustav Klimt(グスタフクリムト)、その近くにいるやや真ん中よりの紫がSaxon Warrior。

一番外埒沿いのエンジ色のがRoaring Lion(ロアリングライオン)。

ペースメーカーを上手に使いながら、Elarqamの前にスッと入り、粘りこみ。
馬を縫ってきたTip Two Win(ティップトゥーウィン)という馬が一気に2番手に上がりました。
この馬前走ドーハでローカルG2を完勝していますね。わかんない。その前にニューマーケットでも走ってるけど。

1馬身半差をつけて、Saxon Warriorが1着。勝ち時計1:36.55。

Tip Two Win2着で人気のMasarは3着、以下、Elarqam、Roaring Lion、Gustav Klimt、James Garfieldと上位人気が続きました。
なので、割と上位がしっかりしていた、というべきでしょうね。

オブライエン厩舎はこれでG1を300勝という途方もない数字になっています。
息子のドナチャ・オブライエン騎手は初クラシック制覇。

無敗で制したSaxon Warriorは当然英国ダービーでは圧倒的な1番人気です。

The swaggering hunk of a horse that is Saxon Warrior is now odds-on with some bookmakers and no bigger than 11-10 to maintain his unbeaten record at Epsom, where further success could conceivably prompt connections to consider a Triple Crown challenge.

そしてそこを制したら「Triple Crown challenge」と明言されています。
ニジンスキー以来出現のない英国三冠。キャメロットで取り損なったので、オブライエンは取りに来るということでしょう。日本の三冠馬の仔が英国で三冠となれば、面白いですね。

ガリレオの血に相性がいいということもあるのかもしれません。
バリードイル陣営は以下のように話しています。

Buckley confirmed that more Coolmore-owned mares by Galileo were in foal to Deep Impact this year – the brilliant talents Minding and Winter, as well as Maybe’s sisters Fluff and Promise To Be True and Found’s sister Best In The World.

マインディングにウィンター、メイビーの妹であるフラッフにプロミストゥビートゥルー、凱旋門賞馬ファウンドの妹であるベストインザワールド。
ガリレオ牝馬が続々とディープ産駒を求めてきます。日本が手薄になるわけだ。

最新の英国ダービーのオッズだと1強ムード。
2番人気が10倍を超える中、ただ1頭だけ2倍前後。勝って当然と言わんばかりのオッズです。

 

2000ギニーのハイライトです。
こういうのがすぐ出るのがいいですが、日本もやってくれないかな。

#2000Guineas Day closer

#2000Guineas day at Newmarket – what was your highlight?

Racing UKさんの投稿 2018年5月5日(土)