写真で振り返る 第23回NHKマイルカップ レース回顧




レース

スタートで痛恨のカツジとプリモシーンの出遅れ。
「あぁ、またプリモシーンのnetkeiba掲示板が荒れそうだ」と思いながら見ていました。
ケイアイノーテックも悪いですし、外のデルタバローズも遅れて左右に少し挟まれてしまい後方へ。

後ろ脚でヨイショというようなスタートなので、プリモシーンはどうしても遅れてしまいます。
こればっかりはセンスもありますからね。前脚でチョコチョコとスタート後に走れれば安定しますが、なかなか難しいです。
「いつの間にか上手になっていた」というのもいますが、下手な馬はずっと下手な可能性は大いにあります。

一方でポンと飛び出したダノンスマッシュ。
カシアスやテトラドラクマを制して最初は先頭に。外のミスターメロディも非常に良いスタートです。

すぐさまダノンスマッシュが抑えにかかり、テトラドラクマやフロンティア辺りが前に。
外でミスターメロディもガッシリ手綱を抑えて、なんとか我慢させている状態です。
カシアスは行くかなと思っていましたが、抑えましたね。これは作戦でしょうし、どうこうはありません。

前の馬が抑えていて、23秒~24秒付近で先頭が2F目を通過していたので、比較的ゆったりの流れだなと思いました。

テトラドラクマが先頭に立ち、ダノンスマッシュ、フロンティア、内でファストアプローチも行きたがる素振りを見せます。
ギベオンも前に行きながら抑え、その外からミスターメロディとカシアスも抑えつつ前に。

パクスアメリカーナと内でカツジ、外からロックディスタウンが上がっていき、リョーノテソーロが抑えているというか違和感のある走り。
内でこちらも抑えっぱなしのタワーオブロンドン。内に入れて嫌な予感はしましたが…。

外からレッドヴェイロンが上がり、間アンコールプリュ。
後方にプリモシーンとルーカスのシルク勢。後方にケイアイノーテックと最後方にデルタバローズという展開です。

ペースは34.4-46.3-58.0。最低限の平均位では流れたとは思います。
抑える馬が多かった印象ですし、ここまではペース読みはほぼピタリでしたが、馬群が密集してて嫌な感じ。本命がタワーオブロンドンだから尚更。
これだとある程度の上がりが求められるでしょうし、自由に走れなさそうなカツジ、タワーオブロンドン、プリモシーン辺りは結果を考えると流れが向きませんでした。
もう少し流れて馬群がばらければ、どこかで外に出すチャンスはあったと思いますが、少なくとも前半は全くありませんでした。

テトラドラクマが先頭で4コーナー。
外からミスターメロディもグーッと上がっていき、大外ロックディスタウンも顔を出します。

直線ではテトラドラクマが先頭で粘り込みを狙いますが、ダノンスマッシュの外からミスターメロディが一気に先頭に立ちます。
ミスターメロディの動きが良く、しかも外に直線で出したので、その開いたスペースをギベオンが一気に取ります。
その後ろからカシアスも追ってきますが、手応えの差があります。

大外にケイアイノーテックが出しています。
ロックディスタウンも直線入る所までは悪くない感じでしたが、この辺りで走る気を無くしたように失速。
タワーオブロンドンは出てこれない感じがしました。

ギベオンが内に切れ込みながら先頭へ。
ミスターメロディが少しギベオンに離されます。

外ではレッドヴェイロンとパクスアメリカーナが併せながら前を追いかけます。
パクスアメリカーナが外を向いていますが、レッドヴェイロンがこちらも内に切れ込んでいるので、押し返しながらという感じ。

その後ろで赤い帽子のプリモシーンがようやく外へ。あのまま内を突っ込めば桜花賞の二の舞でしたので、ロスが大きかったですが、これは仕方ありません。
その外からルーカスを振り切ったケイアイノーテックが一気に加速します。

残り200m付近でギベオンが一気に内に切れ込みました。
右鞭で手前を替えてから内にささりました。

ファストアプローチが大きく立ち上がりシーンがあり、タワーオブロンドンもかなり狭いスペースしかありません。
内側に密集していて、カツジ、カシアス、ファストアプローチにタワーオブロンドン、フロンティアと全くスペースがありませんでした。

それに加えてレッドヴェイロンが外からこちらも内にささりながらなので、徐々に狭くなる内側。
その外で全く不利のない中を走れているケイアイノーテック。18頭もいると、こういうことが往々にして起きてしまいますね。

今回はレースの流れの中の事象ということで、審議の青ランプが点灯しなかったですが、やはり出してもいいんじゃないかなと思います。
これ自体は降着という事象はないにしろ、複数の馬が不利を被っている訳で、しかも多くの方が気付くレベルであり、あまりいい気分はしません。
「一応見てますよ」位のポーズはあっても良いのかなと。

ギベオンが切れ込んだためにダノンスマッシュがブレーキがかかり、そのあおりでファストアプローチもこういう感じに。
ブレーキの連鎖は渋滞を発生させるということは良く知られていますが、GW最終日に東北自動車道だけでなく、東京競馬場でも起きました。

タワーオブロンドンは後ろで前の馬が鞭を打っている中、抑えています。これでは厳しい。

パクスアメリカーナがスゴイ方向を向いて走っていますが、レッドヴェイロンに寄られ続けてよく粘ったというところでしょうね。
結果的に6着でしたが、レッドヴェイロンに前は取られている訳ですので、完敗は完敗です。
差し負けなければ良かった、と言えばそれまで。
馬体を見ると、丸っこいのが気になりますし、それでもそこそこ走れているので、順調に成長してくれたら面白い馬にはなりそうな感じは受けました。

ダノンスマッシュもここらで終わってしまいましたが、積極的なレース運びで見せ場は作りました。
ギベオンに寄られた時には脚もなく、このペースで最後まで持たないのを見ると、やはり100m位は長いかもしれません。
ただ、スタートも今回非常に上手でしたし、もっと短い所でそのスピードを生かしてほしいです。
安田隆行厩舎ですので、短距離は得意でしょうし。

ミスターメロディもギベオンがよれた時に差を詰めていますが、それ以外は抜かれてから差を詰められていませんので、現状はマイル戦では力負け。
前半から積極的に進め、直線でもやや馬場の良い所を走り、最後まで頑張りました。
直線入り口でもう少し内を詰めてギベオンを外に追いやる位の事ができていたら、また違ったかも。
真後ろにギベオンがいたので、コーナーから直線入り口で少し外に振ってスペースを作ってしまったのが勝負を分けた?かもしれません。

テトラドラクマは直線半ば位で力尽きてしまいました。
休み明けと55kgならクイーンCの時計分走ったとも言えますが、やはり前哨戦含めてスムーズにいかないと簡単ではないってことですね。
ペース自体は平均で流していますし、無理したとは思いませんが、直線頑張り切れませんでした。

外から一気にケイアイノーテックが。

プリモシーンがその後ろから追い詰めていますが、良く走ったと思います。
直線で外に出すまでに時間を要したので、最後及びませんでした。
出遅れは「ついてない」で括れませんが、もう少し素直に力が発揮できていれば、桜花賞も掲示板だったはずですし、ここももう1つ位は順位を上げていたかもしれません。
「いつか来るかも」「力を出し切れば強い」という馬こそ面倒くさい馬はいませんが、まさにプリモシーンはこのタイプ。

レッドヴェイロンは内に切れ込んだのはちょっとよろしくないですが、それ以外は道中外からじっくりと乗り、直線はロックディスタウンが沈むのに合わせて進出し、ロスなく走れました。
やはりこの血は侮れません。特に東京マイルだと。
ゴール前は差されたものの、ケイアイノーテックに交わされた時に再度グイッと伸びましたし、まだ500万下の身ですが、秋には連勝をしてきそうな雰囲気は感じます。
勝ち切れないタイプではありますが、スピードだけで1000万下位までは突破できるでしょ。

外からケイアイノーテックが先頭に。

ギベオンは内にささった以外はさすがのレース振りで、スタートから前に行き、直線も早め先頭から粘って2着。
これでブラストワンピースの株も勝手に上がりそうですが、そう簡単にはいきません。
強いレースだったと思います。
距離が足りないと思っていましたが、ペースも平均で適度にスタミナも問われ、適度にスピードも問われというレースだったのも、結果的には向きました。

一方でタワーオブロンドンは直線全く行き場がなく、何もせずに終了。
道中でのアンコールプリュが曲者でした。
真横に付けられてしまい、外に出すにも出せず、内にしかスペースがなかったので、導かれるように内へ入ってしまいました。
直線は外から内に切れ込む馬の影響を受け続け、レースにならず。まぁここで終わる馬じゃないと思いますので、次走で少しでも人気が落ちたら買いたいです。
ここまで悪ければ仕方ないので、割り切ってアスコットへ行ったらいいと思います。

ゴールは若干ぶれてる。

勝ったケイアイノーテックです。
素晴らしい追い込みで上がり33.7。
ニュージーランドトロフィーは負けたものの、外枠からきっちり走って2着。
相手なりに走るタイプには見えますので、これからも楽しめそうです。
馬体重もこれ以上減るのは…という所で増減なしで出走できていましたし、直線で全く不利なく走り切れたというのは、今回大きなプラスでした。

ウイニングランはとても静かに走ってきて、ガッツポーズもなし。
ただ、花道へ向かう途中で手を上げ、いいシーンでした。
スーパーホーネットとか、印象深い馬もいますが、G1には手が届きませんでしたし、クリンチャーでも菊花賞2着。
前日のステイフーリッシュといい、今年は印象深いレースが多いです。

スタートで遅れてもロスなく進めていますので、最後弾けたんでしょう。好騎乗でした。

レース後もシュッとして、パドックより落ち着いていたケイアイノーテック。
少し斜に構えて写真を撮られるタイプなのか、撮られ方が様になっています。
強い馬は写真の撮られ方が良いのが多いので、この馬もなかなか。

馬券的にはタワーオブロンドンからだったので、ハズレ。
仕方ないですが、他の上位馬全て流していたので、なんというか…。切ないレースでした。