第2回 紫苑ステークス レース感想




第2回紫苑ステークス(G3・中山・芝2000m・良)

できた当初はなかなか秋華賞に結び付きませんでしたが、ショウナンパンドラ、ヴィブロスと2着馬が最近は本番で勝利しています。
昨年はパールコードも好走していますし、重賞となって有力馬が出てくる流れができればいいですね。

今年も面白そうな勝ち方でした。
オークス4着馬のさすがの末脚。ディアドラのハナ差でも強い勝ち方だったと思います。

開幕週ということもあるでしょう。2歳未勝利で1:34.4。最終のスプリント戦で1:08.0。
京成杯オータムハンデでは1:33.0を切るのは確実という馬場です。まぁマルターズアポジーもいるし。

ゲートが開く直前にディアドラが横向いて出遅れそうな雰囲気を出しながらも見られた側のルヴォワールが出遅れ。
13番から最高のスタートを切ったミッシングリンクが先頭でレースが進みます。

ディアドラは決して良くありませんでしたが、自分より内側が積極的に前に行ったのもあり、じっくり内に切れ込みながら走るだけで中段の外へ。
自分より外も前に行っているので、非常に楽に外を走れたと思います。
ポールヴァンドルがディアドラの斜め前に。先行してスッと内に入ったカリビアンゴールドもいい位置を取れました。

ホウオウパフュームは後方から。

向正面でディアドラの前にいたサロニカとのスペースができ、ややかかり気味。
馬の真後ろにつけば楽でしょうが、外で自由が故にいい面も苦労する面も。
そんな中、1000m通過付近で外からシンボリジュネスが上がっていきましたが、釣られません。

3コーナーから11秒台が刻まれているように、ペースアップされます。
ディアドラはそこも少し待つ感じ。内の馬群の真ん中でしっかりこちらも抑えているカリビアンゴールド。
4コーナー手前から一気に加速したディアドラ。ホウオウパフュームはその後ろから同じように進出していますが、直線の入り口でディアドラと一気に突き離されてしまいました。

直線では先に抜け出したたカリビアンゴールド。
その内側にいたブラックオニキスにカリビアンゴールドの真後ろから芦毛のポールヴァンドル。

坂を上ってから3頭の競馬に。
粘るカリビアンゴールドに外からディアドラの脚がいいです。岩田騎手の鞭と檄に応え、ハナだけ差し切りました。
勝ち時計1:59.8は昨年のビッシュと比較して0.1秒差。
ラスト5Fを12.3 – 11.9 – 11.5 – 11.4 – 11.4(58.5)という加速ラップを外から差し切りました。

勝ったディアドラはオークス4着馬ですし、これ位は走れて当然ではありますが、函館を走ってプラス12kgと体重を戻してこの走り。
4コーナーでワンテンポ待っているのがいいですね。岩田騎手らしくて。
残り400m付近から直線入り口からの加速はいい感じです。
あれだけ追われているのに直線もしっかり崩れることなく、重心の低いいい走りです。
スタートで少し後手になったのと、ファンディーナと主戦が被るため、本番誰が乗るのか?問題はありますが、岩田騎手が選ばなかったとしても怖い1頭です。
オークスは少し距離が長い感じもしましたし、2000mの秋華賞ではオークスより1つ2つ上は狙えるのではないかと思わせる走りでした。

カリビアンゴールドは負けてしまいましたが、レース振りは小回りなら見せ場を作れてもおかしくありません。
スタートの反応も悪くないですし、今回みたいなレースを秋華賞でもしたいでしょうね。
ある程度内枠で周辺の巡りが良ければ…という感じはしますが、ポールヴァンドルに抜かせなかったのは前走負けた借りを返したのでしょう。

ポールヴァンドルも前走1000万下をカリビアンゴールド相手に勝っていますし、春はスイートピーステークスで1番人気になった馬です。
スタート後に手を動かしていたように、少し鈍いのかな。今回はすんなり馬群の真ん中に入れましたが、京都内回りであまり遅いようだと苦しいですね。
4コーナーではカリビアンゴールドの真後ろを綺麗に回ってきました。
レース振りとしてはほぼ完璧に見えますし、ここまで上手に行ったのに…って感じも受けました。

ブラックオニキスは精彩を欠いていましたが、道中は内にいながら直線へ。
先行馬の後ろにスペースがありましたし、内にいてもプレッシャーを感じるであろう位には包まれませんでした。
小さい馬ですが10kg増え、頑張ったのでしょう。

ルヴォワールはスタート後手とはいえ、道中はディアドラの内。
しっかり走っていたと思いますが、4コーナーで前が壁になり、前が結果的にビリになってしまうシンボリジュネスというのも不運だったと思います。
ブレーキをかけて直線入り口で外に出していると中山だと届きません。
負けたとはいえ0.4秒差。もちろん現時点で重賞はまだ難しいかもしれませんが、直線で前を向いてからしっかり伸びていますので、自己条件なら好勝負必至です。

秋華賞はソウルスターリングが出ませんので、3歳牝馬は仕切り直しの1戦です。
レーヌミノルも距離がやはり不安もありますし、ファンディーナもローズSを見てみないとどうなるか分かりません。
ディアドラも力の差はないと思いますので、注意したいですね。