真夏のドーヴィルマイル戦。ジャック・ル・マロワ賞。




2017 Jacques Le Marois(G1・ドーヴィル・直線1m)

真夏のドーヴィルの直線1600m戦です。

メシドール賞(G3)とジャンプラ賞(3歳G1)の2レースの上位2頭が人気になっています。
といっても6頭立て。それで4頭ですので、まぁ今年は大分こじんまりとしたレースです。

メシドール賞は昨年のダニエルウィルデンシュタイン賞から3連勝をしているTaareef(ターリーフ)
G1は勝っていませんが、前走は非常に強い勝ち方でした。

そのレース2着だった3歳馬Al Wukair(アルワクラ)
デビュー3連勝も英国2000ギニー3着、そして前走2着でした。

そのメシドール賞の映像です。

3歳勢は他にもいます。

UAEダービー馬として日本にもお馴染みでジャンプラ賞でG1勝ちを決めたThunder Snow(サンダースノー)。恐らくこれが1番人気。
そのレースで連勝がストップしたものの、大きく崩れる事無く走ったTrais Fluors(トライスフルーオルス)

ほぼ3歳馬ですが、ChurchillもBarney Royも英国際Sに向かうという事で、マイル路線がやや手薄感はあります。

直線競馬ですし、6頭立て。
フランスらしく2列に並んでの前半です。

馬場はSoft。1つ前の一般戦みたいなレースで同じ距離の勝ち時計1:36.54。
そんな馬場でのレースです。

好スタートを決めたThunder Snowが先頭へ。
2番手のシマシマがTaareef、外のえんじ色がAl Wukair。
シマシマの後ろの白い帽子がGold Luck、オレンジ帽子がTrais Fluors。最後方がInns Of Court(インスオブコート)です。

 

時計は見ての通り。
スローにも程があるスロー。
前半の3Fが40.68。マルターズアポジーが出ていたら馬場を考えても軽く25馬身は前にいます。

1000m通過が1:04.22。
馬場はパンパンな良馬場ではないものの、それでも重賞とは無縁と言っていいメンバーで1:36.54です。
この段階で残り600mを32秒台でようやく…という流れ。

残り600mから仕掛けます。
逃げるThunder Snowにえんじ帽のAl Wukairが抵抗しますが、少し遅れます。
シマシマ帽Taareefは一瞬伸びますが、止まります。
最後方から馬場の真ん中でコースを取ったInns Of Courtが一気に並びかけます。
さぁ青い勝負服、ゴドルフィンのワンツーか?という所で一気に2頭の間をランフランコ・デットーリ騎手とAl Wukair。

最後のカメラも青い勝負服を抜いていたように、Inns Of Courtが勝ったと思っていたら、勝ち馬は真ん中のAl Wukair。これは分からなかった。

レースとしてはどうでしょうね。
勝ち時計1:38.51ですので、上がり3Fが34.29。
もちろん馬場差があるので、遅いから即、という訳ではありませんが、遅すぎます。
最近だとこれ以上にダラダラだったKingmanがこれより遅かったですが、それにしてもスローだなという印象しかありません。

勝ったAl Wukairは6戦4勝。G1は初制覇です。

“I think the QEII at Ascot will be next for him. We’ve the option to go a bit further, but let’s see what the owner says. He’s in the Champion Stakes too, but I think the Irish Champion Stakes could comes a bit soon.”

と言っていますので、次はQEIIが有力ですが、英チャンピオンSもあるかも、と仄めかしています。

 

2017 Grosser Preis von Berlin(G1・ホッペガルテン・1 1/2m)

ドイツのG1であるベルリン大賞です。
2011年、このレースをぶっ千切った後、バーデン大賞→凱旋門賞と駆け抜けたデインドリームがいます。

1番人気は昨年のエクリプス賞勝ちで前走プリンセスオブウェールズS(G2)を勝ち、少しずつ復調している感のあるゴドルフィンのHawkbill(ホークビル)

ゲルリング賞(G2)ではこのレースにもエントリーしているSirius(シリウス)相手に6馬身差、ハンザ大賞(G2)ではIquitos(イキートス)に3馬身3/4差の圧勝しているDschingis Secret(チンギスシークレット)

昨年のベルリン大賞2着や英チャンピオンS6着などの成績だったRacing History(レーシングヒストリー)
転厩して割と復調してきた2014年のこのレースの勝ち馬Sirius(シリウス)

スタートで大きく出遅れたのはInstigator。内のColomanoもあまりいいスタートではないです。
対照的にポンと出た人気のHawkbill。
内の青い服に黒い袖がDschingis Secret、その外がRacing History。

Siriusと緑がColomano。後方の外がShanjoで後方の黄色がInstigatorという展開です。

Hawkbillがスイスイと逃げます。
内埒が生垣みたいなのになっているのが印象的な道中ですが、これも文化の差ですね。

直線に入り、突き放すHawkbill。
その後ろにピタッとついているDschingis Secret。外にやや遅れたRacing Historyに内からスルスルと緑の勝負服Colomano。

残り200mで並んだHawkbillとDschingis Secretがマッチレースの形になり、ラスト100mで交わしたDschingis Secretが1馬身差で勝利。
2着にHawkbill、3着はRacing Historyでした。

直線は最後方で一人外へフラフラと行ってしまった Shanjo。
ビリになりましたが、左鞭が入った時に尻尾をぶん回していて、なんという馬なんだと思いました。

勝ったDschingis Secretは2017年は1戦で負けたものの、それ以外は圧勝。
去年のドイツダービー3着など実績はありますが、今年に入って本格化した様子です。
とはいえ破ったHawkbillはG1だとガネー賞5着、コロネーションカップ3着、サンクルー大賞6着と一歩及んでいません。復調しているようですが、まだまだ。

これからだと思います。