第22回エルムステークス、第52回関屋記念 レース回顧

第22回エルムステークス(G3・札幌・ダート1700m・重)

パドックはテイエムジンソクから3頭芦毛が並んだのが気になりました。しかも似たようなネズミ色。

パッと見てコスモカナディアンとロンドンタウンがすっきりしていた印象です。
テイエムジンソクは1人でゆったり引いていました。

ピオネロは元気いっぱいに見えますし、クリノスターオーも絞れて雰囲気は悪くありません。
上位人気はきっちりと仕上げてきた感じがします。

返し馬は分からないです。
特別すごい目立っていた馬はいませんでした。まぁここで目立ってもお金になりません。

スタートからかなり思い切って三浦皇成騎手のドリームキラリが行きます。
若干お隣のドリームキラリと比較してスタート直後のズブさが目立ったテイエムジンソク。
あれで外から被せられてしまうとかなりつらい所ですが、自分のすぐ外がタマモホルンですので、コーナーで入られなければ十分、という位置で先頭は狙わずに切り替えました。

ロンドンタウンもテイエムジンソクよりもいい感じのスタートで先手を。
やはり重馬場で高速馬場です。ある程度出したのはプラスでした。

コーナーまで短く、すんなり先頭が決まったとはいえスタート100m通過からの2F目が10.6という500万下の1000m戦でも見られなかったラップが刻まれます。

ドリームキラリの勢いそのままに2コーナーから向正面へ。

2番手でがっしり抑えているテイエムジンソク。
その後ろからタマモホルンに同じくがっしり抑えてロンドンタウン。
モンドクラッセにリッカルド、内でコスモカナディアンに外からクリノスターオー。

中段からオヤコダカとリーゼントロック、ピオネロと続いてラインハート。
後方からメイショウスミトモと最後方ショウナンアポロンという展開です。

ペースは一旦はリッカルドが上がった辺りで12.3と少し落ちましたが、それ以外は全て11秒台というおよそ芝みたいなペースで流れているのに加え、札幌1700m。

札幌競馬場はコーナーが長いという特徴があります。
この距離はスタートからずっとコーナーみたいな感じなので、ペースが落ちないと差を詰めるのが苦しいです。落ち着けばこの緩いコーナーを利用して捲りも決まりますが、これだと捲るのは至難の業。

3コーナー付近から前にいたタマモホルンが下がってしまいましたので、後続の馬はこの馬を交わすために外に行ってしまうと余計にコーナーで外へ。
黙って内からコスモカナディアンのように交わせれば楽ですが、オヤコダカとかは真っ直ぐ良ければいいものの、前にスペースはできたものの、楽ではなかったかなと思います。

4コーナーのドリームキラリとテイエムジンソクの手応えを見ると随分余裕がありそうですが、追えば伸びるというものでもありません。
私は短距離得意のヒト(野球部)でしたが、400m走とかトレーニングですると、ペースが少し遅いのでついていけるものの、ラストスパートで全力を出そうと思っても体力が削られてしまっているので、スピードアップはできずそのままゴール、という経験を何度も。

とはいえ交わせるだろうと思ってテイエムジンソクを見ていましたが、ドリームキラリが三浦騎手復帰で頑張ったのでしょう、素晴らしい粘りを見せます。
テイエムジンソクが頑張って追いかけますが、脚色が一緒に。「こりゃ抜けない」と思った所で外からロンドンタウンが一気に伸びてきて、それに呼応するようにテイエムジンソクがもう一伸び。

最後は余裕を持ったロンドンタウンが1:40.9という時計で駆け抜けました。
2着にはテイエムジンソクが意地を見せ、3着に粘ったドリームキラリ。
ラストこそ12.4と落としましたが、それ以外は前を交わす準備をする場面がほぼありませんでした。

仕掛けた組だとリッカルドがやや落ちた所で前に行きましたが、そこからペースアップが続かずに直線で差が開き、0.6秒遅れてしまいました。

勝ったロンドンタウンは前半から良い位置を取り、終始内。
スタート直後はコスモカナディアンも出していたので、そこで譲ってたら終わりでしたが、きっちりと前を取りました。
中央の重賞だと勝てそうで少し足りませんでしたが、今回はこのペースに上手に付き合ったのに尽きると思います。

テイエムジンソクは負けて強しの内容でした。
しっかり2着は確保していますし、このペースでも戸惑うことなくしっかりと走れています。
スタートの反応が悪くてもリカバリーも早いですし、ロンドンタウンと並んでもう1回頑張っていたのも素晴らしいと思いました。
4コーナーで並びかけている所で、行き切ってしまっても頑張れそうな雰囲気はありましたので、それ位かな。何度やり直してもきっちり連対はしそうです。

ドリームキラリはお見事でした。
ペース配分というより、スタートから200mで他の馬が行く気を失せるようなダッシュを決めたので、単騎で行けました。変に抑えるとテイエムジンソクもそうですが、他のも絡んできますので、あそこまで思い切ると他の馬も躊躇します。
三浦騎手が4コーナーでかなり低い姿勢で乗っているのが印象深かったです。

コスモカナディアンも内からじっくり追走し、4コーナーで上手に外へ。
頑張って走っていましたが、最後はスピードの差かも。
そういう馬場とはいえ、いきなり1:41.0付近で走るのは素質も必要です。

ショウナンアポロンは最後方でポツンといました。
4コーナーで内を突くレースをして一気に前を抜き去り、35.1という圧倒的な末脚で5着。
グリーンチャンネルのパドックで「やる気がない」的な事を言われていましたし、私も「前に行く気も無くなったか」と思ってみていたら、その評価を覆す末脚。どうしたんでしょうか?

オヤコダカは4コーナーの上がっていく所までは頑張っていましたが、直線で疲れて失速。
ただ、こちらもペースに戸惑いも無さそうでしたし、中央勢を地方で返り討ちにできるのではないかと思わせる走りでした。

 

第52回関屋記念(G3・新潟・芝1600m・良)

ヤングマンパワーが相変わらず大きくて見栄えがします。
ロードクエストはどうでしょう。雰囲気は良いものの、こじんまりとしている印象です。バイアスがかかっているからだと思いますが…。

返し馬はダノンリバティが嫌がっていたのかな?
それ以外は特になしです。

スタートでダノンプラチナが伸びあがるように出てしまい後手。
ロードクエストもスタートは上手じゃないので後ろから行きます。

対照的に相変わらず素晴らしいスタートダッシュを決めるマルターズアポジー。
僅か6秒足らずで最後方のトーセンデュークやロードクエストと6馬身位差をつけていますので、これはすごい武器ですね。

後ろと差がある状態でマルターズアポジーが先頭を走ります。
オールザゴー、ダノンリバティに外からウインガニオン。
マイネルハニーも上がっていき、ヤングマンパワーやロサギガンティア、レッドレイヴンと続きます。
中段位まで上がってきたロードクエストにクラリティスカイ、ダノンプラチナや追い込みに戻った感じのメートルダール、ブラックムーンの人気馬。

後方にウキヨノカゼにショウナンバッハ、トーセンデュークという展開。

ペースは35.2 – 57.9。
1000万下位なら1400mで1:20.0を切るか切らないか位の馬場ですので、数字は58.0を切っているものの、そこまでビックリはしないペースです。

道中はロードクエストが抑えているのは分かるものの、楽に走れていませんでした。
後方にいながらゆったり走れないというのはどうしたってプラスには思えません。

メートルダールに関しては、前走違った面が見えたと思ったのに、あれはペースが遅かったからだけだったということでしょうかね。
今回も前に行こうとなのか少しスタート直後押していますが、位置を取れませんでした。
マイル重賞の本流のペースになってしまうと…。距離が伸びて、それこそオールカマーとか。ずっと思っていますが、この馬は中山向きです。

マルターズアポジーが先頭で後続を突き放して走ります。
ウインガニオンが2番手から。こちらも大体想定通りのレースができていたでしょう。
ただ、マルターズアポジーの脚色は衰えず、直線入って11.1 – 11.0で刻み、1400m通過が1:20.0では後続が差を詰めるとなると、それ以上の時計で走らないといけません。
不可能ではないですが、1400mの重賞クラスの走りでようやく先頭と並べるかどうかです。

ラストは脚色が鈍ったので、ウインガニオン、外からヤングマンパワー、内でダノンリバティも差を詰めます。ロードクエストもいるにはいますが、ヤングマンパワーと並んで抜かせませんでした。

マルターズアポジーが後続を振り切り1:32.2の時計で逃げ切り勝ち。ウインガニオンが2着。

マルターズアポジーはスタートセンスの素晴らしさもそうですし、一人で逃げると本当に頑張ります。
この馬は海外に行ってほしい馬No.1ですね。欧州、特にフランスなら非常に面白いレースができそうな気がします。
スタートセンスは追随を許しませんし、絡んできそうな馬もいない。ジャック・ル・マロワ賞が今夜ありますが、出ていれば面白そうだったなと。コーナー無いけど。
絡まれてしまうと脆いのは仕方ないですが、ローカル重賞とかだとこの馬は脅威です。

ウインガニオンは4連勝はなりませんでしたが、1:33.0を切った事もない馬だったのにこの時計にも問題なく対応して2着。
充実度もそうですが、レース巧者ぶりを見せつけています。やはり前に行けて自在に動けるのは強いです。
綺麗に6,7,8月に勝利が固まっている馬ではありますが、この走りなら秋も期待できると思いました。

ダノンリバティが3着ですが、これでウインガニオンには3連続で先着を許しています。
新潟は合っているのでしょう。ただ、また重賞に手が届かず。

ヤングマンパワーは相変わらずクビの高い走法で走っていました。
実績からこれ位は当然の馬ではあるものの、今年は未勝利。
もどかしいレースが続いてしまっています。
道中から直線までほぼ気になる点が無いので、更にそう思います。

ダノンプラチナはスタートであんなに遅れちゃそうそう勝てません。
順調に使えないので、一発勝負にならざるを得ませんが、この秋は順調に使えればいいですね。
道中は内目で直線もスペースを綺麗に突いているので、遅れは挽回できているのですが、上がり33.0より出すのは容易ではないです。

ロードクエストは成長力という点で疑問があります。
サラブレッドは基本早熟なので、体が大きくなるだけが成長ではないですが、それでも雰囲気そのものがずっと同じ。
道中も掛かり気味でしたし、スタートも変わらず良くない。
何か変わらないと重賞では苦しいでしょうね。ヤングマンパワーを交わせないのでは、G1でどうのこうのとは言えません。