この夏の重賞展望。クイーンS、キングジョージ、ジムダンディ。




最近競馬を少しお休み中(?)なので、久々にレース前に書いてみます。
今週は各国でなかなか興味深いレースがあり、この夏の重賞展望を書くには丁度いい気がしました。

予想というよりは展望です。

 

クイーンステークス(G3・札幌・芝1800m)

牝馬限定戦の夏の陣です。
なんといってもアドマイヤリードアエロリットというこの春マイルG1勝ちの馬が揃って出てきました。

注目の1戦です。

アエロリットは初の1800mです。
ただ、牝馬のG3ですし、52kg。レースの上手な馬ですので大崩れはない気がします。

2000年以降3歳馬はオースミハルカ、アプリコットフィズ、アヴェンチュラ、アイムユアーズの4勝。
この並びであれば、同じ斤量で出られるアエロリットなら当然勝ち負け。

対して初めてヴィクトリアマイルを同年制した馬も出てきました。
年明けてからの走りは文句のつけようがありませんが、如何せん追い込み馬。そして開幕週の札幌。
力はあるのは間違いないものの、紛れそうな雰囲気を醸し出します。

逃げるのはクロコスミアですかね。前走は高速馬場の函館だったとはいえ60秒切るペースでスイスイと逃げ、最後は2馬身半。1000万下でしたが、強い勝ち方でした。
札幌も得意そうな馬ですし、穴として狙いそうな馬です。

そうは言っても重賞です。
前走シルバーステートに敗れたものの、先行できるエテルナミノルや秋華賞2着のパールコード。マーメイドステークスを先行して抜け出したマキシマムドパリ。フローラSで2番手から2着したヤマカツグレース

楽に逃げられる感じもなく、パールコードやマキシマムドパリ辺りは切れ味勝負が分が悪いと思って1800mなら少し早めに仕掛ける気が。
そうなると、3~4コーナーで前が凝縮し、逃げ馬には辛い展開に。内でワンテンポ遅らせて乗れる馬が突っ込んでくるイメージができます。

メイショウスザンナ(4コーナー10頭中7番手)で1着、後方から突っ込んで来たアロマティコにスマートレイアー、最後方から直線で2着まで追い込んだスピードリッパー。

アエロリットが最内枠に入ったりしたらそういうレースをしてきそうですが、先に抜け出したパールコードとマキシマムドパリをめがけ、内からアエロリットに外からアドマイヤリードが追い込む、みたいな展開になる?かな。

 

King George VI And Queen Elizabeth Stakes(G1・アスコット・1m3f211y)

欧州でも3歳牝馬Enable(イネイブル)が主役になっている夏のアスコットミーティング。
キングジョージです。

最近は「こんなメンバーじゃあなぁ」という感じでしたが、今年はまずまず揃いました。

このプロモーションでワクワク。
ガリレオとファンタスティックライトの叩きあいもいいですねー。そしてニジンスキーの楽勝っぷり。

英愛オークス馬Enableがヨークシャーオークスではなくこちらへやってきました。デットーリ騎手。
キングジョージの牝馬の挑戦は実は非常に少なく、凱旋門賞とは全く違います。
2000年以降牝馬の出走自体こんなものです。

2000 Shiva (5yo) 7th, 14-1
2002 Aquarelliste (4yo) 4th, 8-1
2004 Vallee Enchantee (4yo) 5th, 6-1
2005 Eswarah (3yo) 8th, 9-1
2009 Look Here (4yo) 6th, 7-1
2010 Daryakana (4yo) 4th, 14-1
2012 Danedream (4yo) 1st, 9-1
2014 Taghrooda (3yo) 1st, 7-2
2015 Madame Chiang (4yo) 4th, 8-1

前年のフランスオークス馬で凱旋門賞2着したAquarelliste(アクワレリスト)、香港ヴァーズを勝ちのVallee Enchantee(ヴァレーアンシャンテ)、英オークス馬Eswarah(エスワラー)、香港ヴァーズ勝ちのDaryakana(ダルヤカナ)などなど散っています。

勝ったのは凱旋門賞馬Danedream(デインドリーム)に英オークス3馬身3/4差で勝利した当時無敗のTaghrooda(タグルーダ)
Danedreamは前年の覇者NathanielにSt Nicholas Abbeyと揃っていましたが、Taghroodaの時はTelescopeが1番人気というイマイチメンバー。だから3歳牝馬でもやれたとも言えなくもありません。

 

今年は昨年の勝ち馬Highland Reel(ハイランドリール)がいます。プリンスオブウェールズSも勝ち、アスコットは得意です。

ドバイシーマクラシック勝ちのJack Hobbs(ジャックホブス)はプリンスオブウェールズSビリからの巻き返しを狙います。
こちらは全てG1(英チャンピオンS2回、プリンスオブウェールズS)とはいえ3着、3着、8着とアスコットでは3着より上がありません。

昨年の英ダービー3着馬で前走アスコットのハードウィックS(G2)を制したHighland Reelの全弟Idaho(アイダホ)
前走エクリプスSでG1初制覇をしたUlysses(ユリシーズ)も上位人気です。

人気はないですが、南アフリカでG1複数勝ちのあるSixties Song(シックスティーズソング)も。

プロモーションというので言えば、これも良かったと思います。
再生回数500回程度なので、世界中でそれほど見られていませんが、個人的にはステキだと思いました。

 

Jim Dandy Stakes(G2・サラトガ・1 1/8 m)

真夏のダービーでお馴染みトラヴァーズSの前哨戦でもあるこのレース。
今年は5頭立てです。

完全な2強対決になっています。

1頭は今年のケンタッキーダービー馬Always Dreaming(オールウェイズドリーミング)
フロリダダービー→ケンタッキーダービーと勝利したものの、2冠を狙ったプリークネスSでは直線待たずして潰れて8着。
仕切り直しの1戦です。

第143回 ケンタッキーダービー レース感想

2017.05.07

もう1頭はそのプリークネスSを勝ったCloud Computing(クラウドコンピューティング)
4戦2勝ですし、タイトルはそれだけ。果たして本物なのかどうか?というのも注目です。

第142回 プリークネスS レース感想

2017.05.21

 

Haskell Invitational Stakes(G1・モンマスパーク・1 1/8 m)

北米の3歳夏のG1として確立しているハスケル招待ステークスです。

少頭数ですが、好メンバーが揃いました。

ケンタッキーダービー3着で前走のアファームドS(G3)を楽勝したBattle Of Midway(バトルオブミッドウェイ)。
BCジュベナイル3着、ケンタッキーダービー5着でこちらも前走ドワイアーS(G3)を勝ってきたPractical Joke(プラクティカルジョーク)
ケンタッキーダービーで上位人気も8着に敗れたものの、こちらも前走G3勝ちのMcCraken(マッククラーケン)

Girvin(ガービン)はケンタッキーダービーは13着でしたがルイジアナダービーを勝ち、前走オハイオダービー(G3)2着です。
ケンタッキーダービー11着、プリークネスS9着と結果は出ていませんが、前走のアイオワダービー(G3)勝ちのHence(ヘンス)

そして上位人気2頭。

ウッドメモリアル勝ちでベルモントステークス2着だったIrish War Cry(アイリッシュウォークライ)
BCクラシック目標ですが、ここは勝っておきたい所です。

もう1頭は4戦負け無し。前々走ピーターパンS(G3)、前走ペガサスS(G3)と重賞も連勝中のTimeline(タイムライン)。
前走ハスケル招待と同じモンマスパークでの勝ち時計1:41.32は最近だとかなり速い時計でした。