プロキオンS、七夕賞 レース回顧

プロキオンS(G3・中京・ダート1400m・良)

7月になり本当に暑いです。
馬は(この暑さだとヒトも)暑さに基本的に弱いので、大変な季節です。
30分も馬に乗るとかなり汗だくになります。騎手も大変です。

人気はドバイ帰りのカフジテイクを筆頭にOP特別で頑張った組が中心でした。

スタートは内のメイショウウタゲにベストマッチョ、マヤノオントロジーがやや出が良くありません。
対して芝スタートで好ダッシュをみせるレヴァンテライオン。
トウケイタイガーが盛んに手を動かして追走しており、レヴァンテライオンを交わして先頭を奪います。
レヴァンテライオンはかなり内に切れ込んでいたため、複数の馬に迷惑をかけることに。
それを避ける動きでは後方のメイショウウタゲなどは外を確認しながらじわっと外に持ち出して被害を避けていた感じがします。

外からナンチンノンに内でゴーインググレート、ウォータールルドと先団を形成。
巻き返したベストマッチョにアキトクレッセント、チャーリーブレイヴにこちらも遅れたメイショウウタゲ。

やや離れてイーデンホールに外からブライントライン、真ん中カフジテイクで最内キングズガード。
キクノストームがいて最後方でムチ連発で頑張っているマヤノオントロジー。

前半が34.1。
当然これ以上の時もありますが、比較的速い方です。前は決して楽なペースではありませんでした。

キングズガードはスタートから無理せずに内へスーッと。
内がごちゃごちゃしている中、メイショウウタゲが外に持ち出し、ベストマッチョが遅れを挽回していたので、ベストマッチョの後ろのスペースにすんなり入りました。

カフジテイクは外に出すタイミングが難しく、結果的に馬群に入ったまま。
出せるとしたらブライトラインに横に入られる前ですが、前にメイショウウタゲに入られ、外からイーデンホールに寄られてしまい、止む無く馬群へ、といった感じでした。
もっとすんなり外に出せていれば…というのはそんな簡単な事ではありません。
ペースが流れてもそこはダートの1400m戦。外に出たいという理由だけで必要以上に下げるのも大きなリスクです。

4コーナーでベストマッチョやアキトクレッセント、レヴァンテライオンの手応えが早々になくなり、内側の馬達がどう抜けてくるのか?が注目でした。

直線で逃げるトウケイタイガー。
カフジテイクは直線でアキトクレッセントがバテた位置をすっと反応したブライトラインが取ります。
そこからブライトラインが行くのを待って、外に持ち出しての追い出し。しかも横にスライドしながらだったので、外に出す時に2馬身位ブライトラインから離されてしまいました。

対してキングズガードはずっと内。
元々左回りは内に切れ込む癖のある馬ですが、今回も漏れなく外を向いて走り、ベストマッチョの前をカットしながら、よく言えば器用に縫ってきました。
ただでさえ真っ直ぐ走らない馬なので、良く持ってきたと思います。被害馬が失速していたので助かりました。

先に抜け出したブライトラインを目標にしてからは良く伸びました。
上がり35.6も出てますし、左に馬がいたのも良かったのかな?
外からようやくエンジンのかかったカフジテイクに1馬身半位詰め寄られてから一気に突き放した脚は目立ちました。

ゴールは2馬身差。勝ち時計1:22.9。
キングズガードは重賞初勝利です。

スタートから下げて前がポッカリとスペースのある位置に収まったこと、4コーナーで無理に外に出さなかったこと、前が適度にバテ、適度に目標となる馬が内側にいたことなど色々あると思いますが、直線で過怠金はあったものの顔が少し外向きながらもほぼ真っ直ぐ走らせ、左回りで初めて勝たせました。
1回叩いてきっちり仕上がっていたのでしょう。重賞勝ちがあるので「左回りが…」とは言えなくなりましたが、今回の走りだと問題は少ないと思います。

カフジテイクは直線で少しもたついたのは休み明けの分もあったと思います。
それでもエンジンがかかってからはこのメンバーに入ると十分格上と言っていい走り。
今回は斤量差もありましたし、次はもっといい走りができそうです。

カフジテイクと同じくゴドルフィンマイル5着のある古豪ブライトラインが3着。
息の長い活躍のあるダート戦線ですが、前を行くチャーリーブレイヴをあっという間に抜き去ってからは外でプレッシャーもかからずにスムーズに走れたのはプラスだったとは思います。
それにしても8歳馬ですからね。同期のダービー馬ディープブリランテは既に子供が走っていますので、人生というか馬生は様々。誰に重ねるか?も様々ですね。

ベストマッチョは東京以外に初めて出張しましたが良い所が無く惨敗。
スタートがあまり決まらず、そこから巻き返しての追走を内で包まれながら走ったのは楽ではないのは分かりますが、OP以上でも1:23.0を良馬場で切れていませんし、純粋に速い流れに対応する力が無いのかもしれません。

 

七夕賞(G3・福島・芝2000m・良)

4歳馬ゼーヴィントが1:58.2の好時計勝ちです。

同日の織姫賞(500万下)で1:58.8が出ていましたので、これ位は重賞は出てもおかしくありませんが、それでもほぼ価値を手中に収めたであろうマイネルフロストを最後差し切ったのはサラブレッドとしての強さを感じました。

スタート滑りながらもシルクの勝負服のペースメーカーの如く飛び出したフェイマスエンドを交わし、そりゃ行きますマルターズアポジーが先頭へ。
対照的に下げると決めたら下げる横山騎手のスズカデヴィアス。
ゼーヴィントはまずまず。普通です。

1コーナーまで殺到する各馬。
マルターズアポジーが先導します。最初の入りの3Fが33.9。さすがに息を抜かないと持ちません。必然的に縦長。

2番手にフェイマスエンドがつけ、3番手ヴォージュにマイネルフロスト。
タツゴウゲキ、フェルメッツァといてゼーヴィントが中段外目。パドルウィールがいて外からソールインパクトが雰囲気良く追走。「まぁ53kgだし」と思いつつもこの辺りだとこの馬が勝ったと思いました。
ウインインスパイアがいてバーディーイーグル。最後方ポツンとスズカデヴィアスという展開。

ペースが激流です。馬場がいいとはいえ33.9-58.0では後半潰れます。
本当はどころか抑えないといけない所でマルターズアポジーからすると最悪な展開。
マイネルフロストの仕掛けもかなり無謀に近いですが、小回り高速福島ならではのシーンだと思います。

大逃げもできず、ペースを下げた(と言っても12.0)ら寄られ、そこからまた11.6へラップを上げざるを得ない結果に。これは厳しいです。

1:22.0を切ってハロン棒を通過した時はマルターズアポジーは厳しいのは当然ですが、後ろも楽をしていませんのでかなりハードな3~4コーナーでした。

ゼーヴィントも左鞭を打ちながら上がり、その外からソールインパクトもムチ連発。
そんな中、1頭だけスズカデヴィアスは肩鞭だけで上がっていきました。

直線はマイネルフロストが疲れを見せながらも頑張ります。
残り200mを切ってから目に見えてストライドが鈍りました。しかし、残り200m。
外からゼーヴィントがジワジワと追い詰めます。ソールインパクトも頑張っていますが、外回った疲れもあったでしょう、前を交わすまでいきません。
スズカデヴィアスも道中抑えていたとはいえ11秒台のコーナーを外から抜いていますので、ゴール前は一緒の脚色に。

ゼーヴィントは一杯一杯になりながらもしっかりとした足取りでゴールまで駆け抜けました。
福島は昨年のラジオNIKKEI賞についで重賞2勝目。
秋の福島記念に期待をかけてしまいますが、それより天皇賞に出て欲しいですね。

スタートは五分でじっくり構え、勝負所で動ける強みはこういう競馬場だと本当にいい方に出ます。
ディープの仔ですが上がり34.0を切った事がありません。消耗戦向きで小回りでもへっちゃら。
日本でこの馬に合うレースがあるか?というと微妙ですね。豪州のコックスプレートとかいいんじゃない、と勝手に提案しますが今年はWinxがまだいるので、止めましょう。
こういうタイプは世界中どこでもそこそこ活躍できる馬だと思います。

マイネルフロストも福島とか中山とか上手に走りますので、この結果自体は驚きませんが積極的な良い騎乗でした。
最後疲れて13.0はかかってしまいましたが、それでもこれだけ走れればまだまだローカルでは充分主役を張れます。ブリンカーつけて頑張って走りますので、応援しがいがある馬です。

ソールインパクトは道中の雰囲気がかなり良く、これは一発あるか?と思ったらやっぱり3着。
こんなに3着取る馬がいるのか?という位の安定の3着。
前走も強いと思いましたので、これだけ走れれば1600万なら楽々突破、といかないのがこの馬です。

スズカデヴィアスは作戦は決まりましたが1頭余分に外回ったかな。
もう1頭位完全に潰れていたらロスも少なかったですが、バーディーイーグルが53kgを生かして頑張ったのもあると思います。あの辺をすんなり交わせていたら…。

 

余談ですが最終12Rの彦星賞がブラックバードが勝ちました。
織姫賞は牝馬限定戦ですから女の子が勝つのでいいですが、こっちはなんでもござれ。
それでも多くは牡馬が勝っていたこのレースですが、今年はなんとセン馬が勝ちました。
1990年以降初めてのケースです。織姫複雑だろう。
「このレース、いっそ牡馬限定戦でいいんじゃね?」ってなんか思いました。