写真で振り返る 第67回安田記念 レース回顧




レース

スタートはグレーターロンドンとアンビシャスが出遅れ。
他は揃ったいいスタートでした。人気のイスラボニータも悪くありません。この馬もかつて下手になったこともありましたが、最近は安定しだしました。

内からディサイファに最内トーキングドラム、サンライズメジャーと内枠の馬が積極的に行く中、外からロゴタイプが更に積極的に行きます。
ブラックスピネルも好位を取りに行きました。

ロゴタイプの乗り方を見ていると、スタートから行く気だったのでしょう。
後続の馬も昨年の事はあれど、前半の勢いは昨年の比ではありません。ペースを考えたら、後続は無理に行くのは避けた様子。

道中はエアスピネルが好スタートを切ったのですが、外から殺到され、あれよあれよと後方へ。
ポジションを取りに行こうにも外のサトノアラジン、ロジチャリスに蓋をされ、内にはグレーターロンドンに蓋をされ、そうこうしているとレッドファルクスが前に入りました。
内をグレーターロンドンは開けていたのもあり、最内をロスなく走る事もできませんでした。

先頭はロゴタイプが立ち2番手にサンライズメジャー。
外からブラックスピネルとヤングマンパワー、内から白い帽子のディサイファにコンテントメント。
イスラボニータも続き、外からステファノス、トーキングドラム、クラレント、ビューティーオンリー。

中段外にロジチャリス、レッドファルクスにグレーターロンドンが内。
外にサトノアラジンで後方内目にエアスピネル。後方にアンビシャスに最後方がロンギングダンサーという展開です。

ペースは昨年から一転して流れました。
最初の入りが33.9。予想よりずいぶん流れてしまいました。
馬場も良かったというのはあると思いますが、すぐ後ろにサンライズメジャーがいたのもあり、ロゴタイプとしても落とすに落とせなかったのもあると思います。
昨年はそこにモーリスがいましたが、モーリスは抑えていましたので、ロゴタイプも一緒に抑えていれば良く、道中大きくペースダウンさせることができました。

今年は後ろから楽をさせなかったため、中盤もラップは落ちずに45.5 – 57.1で1000m通過。
これはいくら馬場が良くても前が潰れるかな?と思いながら見ていました。

3コーナーでイスラボニータは悪くない位置に見えますが、外のヤングマンパワーがタイトに寄せています。
ただ、コーナーですので、普通に走っていればブラックスピネルの外側は開いたと思いますが、コンテントメントがきつくブラックスピネルとサンライズメジャーとの間を突いてきました。
それによりブラックスピネルがやや外に膨れたため、イスラボニータの進路が失われました。
そうこうしている内に外からステファノスにも被せられ、前後左右行き場がありません。

サトノアラジンは迷うことなく大外へ。
一足先にロジチャリスが前に行ったので、これも助かったように思えます。
もしロジチャリスに待たれていたら、コーナーで抜く必要があるため、更に膨れます。それを先に行ってくれたので、コーナーは後ろを走れば十分。
結果レッドファルクスを内へ追いやり、アンビシャスを外に出すのを防ぐようにコーナーリング。直線で外に出せばロスを最小限に留める事ができたように思えました。

逃げるロゴタイプ。手応え十分に400mを通過します。

追いかけるサンライズメジャーにコンテントメント、ブラックスピネルにヤングマンパワー。
横一杯に広がり、ペースも速いのもあってバテた馬も出てきました。
そこを突くしかないのですが、ゲームではありません。G1に出てくる馬ですので、なかなか一気にバテません。
後方でエアスピネルは行き場がありませんでした。内にディサイファ、サンライズメジャーが前にいて外にコンテントメントとブラックスピネル。自然と包囲網に。

イスラボニータもステファノスとヤングマンパワーの間しかありませんでした。そこをグレーターロンドンと取り合う形に。
レッドファルクスはもう間の走路は取れないということで大外へ進路変更。
迷いますね。イスラボニータは外も塞がれてしまっていたので、グレーターロンドンが捌けない限り難しかったと思います。

ロゴタイプが昨年の再現のような逃げっぷりをみせます。
サンライズメジャーが僅かによれた影響でコンテントメント⇒ブラックスピネルと玉突きでブラックスピネルが脱落。
不利を受けたような形にはなりましたが、もし脚が残っていれば既に前に行っていたはずで、若干深追いが響いた印象です。

脱落したおかげでできたスペースをエアスピネルが入りますが、「そんなバテないけど切れない馬」にとって大きいロスです。
ヤングマンパワーの外側のスペースはイスラボニータの前にグレーターロンドンが取りました。これでイスラボニータはほぼ万事休す。

内側で進路取りで戦っているのを横目見ながら、大外からサトノアラジンがエンジン全開。

クビをグッと下げて最後の頑張りをみせるロゴタイプ。
外からサトノアラジン、間からグレーターロンドン、大外からレッドファルクスと末脚自慢の馬達がその力を発揮します。
ここから先はどれだけ切れるか?の勝負です。

しかしロゴタイプがここまで粘るとは思いませんでした。
前半34.0を切って走っていたので、馬場が良くてもマイルだと楽ではありません。
ストライドが大きくリズミカルに走る馬なので、実はこういうタイプの逃げ馬なのかもしれません。
レース上手なイメージが強い馬ですが、力任せで押し切るレースをさせた方がもしかしたら…と思わせるだけのスピードと粘りだったと思います。
残り150m付近で手前を替えてからの走りはいつも通り。それでもゴール前リズムが若干悪くなりましたね。

大外に持ち出したレッドファルクスはマイル戦とか関係なかったですね。
道中はじっくりと後方にいて、コーナーは内を選択。
外に出すタイミングはどうしてもサトノアラジンが抜け出す直前以外なく、そこから抜き去るというのは相手が末脚自慢なだけに難しかったですね。
内枠ではなく外枠だったら、と思わせる敗戦。それでも上がり33.7で1:31.6で走り抜けました。
重馬場も問題なし、時計勝負も大丈夫。ダートもスプリント戦もいけるという自在性。

グレーターロンドンは出られるのか?という状況からこの走り。
イスラボニータの後ろにいて、開いたタイミングで一気に抜き去った脚は素晴らしい。
4コーナーでややかかり気味に上がっていったのが結果的に良かったですね。待っていたらエアスピネルと同じ運命だったような。
馬群を抜けてから脚が鈍ったので、やはり58kgだし、G1を一気に突き抜けるとなると甘くないという印象を受けました。
それでも将来的には無事ならG1は手が届くでしょう。

サトノアラジンが一気にクビを下げて耳を絞って走っています。

エアスピネルが前が開いてからの脚は悪くなかったのですが、前半と4コーナーが。
外に持ち出してナンボの馬じゃないので、馬群を突くのは分かります。
これをミスだと言えばミスなのかもしれませんが、直線入ってすぐ外を狙っていたらまた違っていたかもしれません。これは結果論ですね。
ただ、この馬も追い出してから一気に加速しているので、反応の良さは相変わらずですし、今回のレースがいいきっかけになればいいなと。
この馬もレース上手で評価されていますし、私はそう思っていますが、これ位の位置から行く差し馬なのかも。
ゴール前で甘くなる感じもなりませんでしたし、中途半端な事をせず、マイル位なら差してきた方がG1には手が届きそうな気がしました。
といってももっと長い距離の方が魅力的ですけどね。私は宝塚記念とかの方が面白いと思っています。

ステファノスは外枠から積極的に進めましたが、追い出してからビューティーオンリーにも差されてしまいました。
若干スケジュールが空いたのも影響したかな?
マイルは忙しいですね。マイルでも2000mでも同じ脚が使えるので、距離が長い方が目立ちます。

イスラボニータはコース取りが全て、というものでもありません。
最後同じような位置からエアスピネルと並んで走っていましたが、ゴール前で半馬身位遅れています。
ズバンと切れる馬ではないとはいえ、東京だとやはり最後止まりますね。
時計は1:32.0を切れているので、スピードが及ばないという事は無いと思いますが、完敗です。

初めて戦った2013年の東スポ杯。その時は人気のサトノアラジン相手に0.4秒差完勝。
しかし、昨年の安田記念で先着を許し、ついに0.4秒離されてしまいました。馬の成長とこのライバル物語。
お互いが決め手不足なので、勝ったり負けたりのライバル関係ではありませんが、なかなか深い戦いを演じているとしみじみ。

アンビシャスは後方のまま。
さすがにあれだけ後ろからだと相当切れないと難しいですね。
走るスイートスポットの狭い馬なので、度外視してもいい気がしますが、この馬の難しい事よ。
サトノアラジン同様に外枠からのびのび走らせてみた方がいいんでしょうかね。

サトノアラジンはついに念願のG1制覇。
外枠が走るのを知っていましたが、ここまで炸裂するとはお見事です。勝ち時計1:31.5。上がり33.5。
馬場が良いからといっても簡単に出る時計ではありません。

力があるのは分かっているものの、馬場が影響したとはいえ前走が不甲斐なさ過ぎたのもあってか常に人気になる馬が7番人気。
4コーナーのコーナーリングが勝負の分かれ目だと思っています。無理せずに溜めたのが最後まで止まらなかった要因でしょう。
この馬も走るタイミングが非常に分かりにくいですが、とにかく全力で直線走れそうなら買いです。

ジャック・ル・マロワ賞に行けるのであれば、行ってみたら面白いんですけどね。
高速馬場である夏のドーヴィル。そして直線1マイル。誰にも邪魔されずに一直線走ればいいので、この馬には向いているはず。でも5000万の賞金じゃあね。

香港勢だとビューティーオンリーはステファノスを退けたので、立派だと思います。
コンテントメントも積極的に進めていて、見せ場が全くなかった訳ではないですが、時計が出過ぎたか。
ある程度前目で押し切る馬なので、ペース含めて先行馬であるこの馬には向きませんでした。

戻ってきてガッシリ握手。
もっとガッツポーズとかしても良かった気もしますが、ルメール騎手でお腹いっぱいなので、こういうのもいいですね。

今週で東京のG1も終わり。
暫くは行かないか?と思いつつもユニコーンSには行くかもしれん。




2 件のコメント

  • レース映像何度も観たあとにこの回顧を読むと、自分もその場にいたような錯覚に…✴
    速い時計なのに、4角回ったあと、去年と同じパターン⁉💦って(笑)
    凄いですよね、ロゴタイプ7才。
    調教も抜群な走りに見えましたし⤴
    勝ったサトノアラジンよりも凄さを感じてしまいました。
    芦毛ということもあり、レッドファルクスの走りがスマートレイヤーの頑張りに重なってしまいます。
    グレーターロンドンはこれからが楽しみ❗
    宝塚記念までひと休みですね🌛

    • ありがとうございます。
      なるべくその場の雰囲気も伝えたいので、少しでも伝われば幸いです。
      ロゴタイプには驚かされました。何度も見ている馬ですが、衰えも全く見せず、やる気が戻ってきた感じがします。
      グレーターロンドンは脚さえ無事ならその内G1でももっとやれそうです。
      >宝塚記念までひと休みですね🌛
      観戦は休みの予定です。週明けは競馬場疲れを取らないといけませんでしたが、来週は大丈夫そうです。

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