第77回桜花賞 レース回顧




第77回桜花賞(G1・阪神・芝1600m・やや重)

この時期には毎年ある残念な雨。お花見+G1にぶつかるとはメンバーも季節も良いだけにそこだけ残念。
満開の桜の下、直前でサロニカの回避は出てしまいましたが、それを除けばクラシック開幕戦として十分すぎるワクワクがあります。
スポナビブログから自分のに移転して1年。適当な海外と当たらない予想という無駄な記事がありますが、書き続けると意外に書けるものです。

桜花賞に求められるスピードと早熟性。
サラブレッドに求められる能力を既に持っている素晴らしい牝馬達ですので、母としても期待が高まります。

馬場は同日古馬1000万下で1:34.9(47.7 – 47.2)。
上がりも上位陣は35.0を切っていますし、内よりは外の方が伸びそうではありますが、「極めて影響がある」という感じには見えませんでした。
1つ前の大阪―ハンブルクカップで1:22.4。
まぁからきしダメな子はこれでもダメでしょう。それはやってみないと分かりませんので諦め。性格とかもあります。

パドックはみんな綺麗ですね。さすがにG1です。

返し馬でのミスエルテは激しい感じで元気一杯でした。
リスグラシューは耳を前にしてスイスイと走っていたと思います。
カラクレナイの本馬場入場で百人一首の句が出るのがステキです。桜花賞にマッチしますね。

予想はこちら。

第77回桜花賞 展開予想

2017.04.06

ゲートに入る各馬。
ソウルスターリングが少し汗が目にはつきましたが、雨もあるのかな?と特になし。
アドマイヤミヤビがゲートが開く直前に尻尾をジワーっと上げていたのが気になりました。フケってことまでは分かりませんが、見た目は堂々としている一方で少し緊張していたのかな?

好スタートを切ったベルカプリと最内ミスエルテ。
アエロリットは後ろからでアドマイヤミヤビもスタートから押っ付け気味の後方。
スタートから下げる気満々のカラクレナイ。あれだけ下げる気があれば十分でしょう。

外からヴゼットジョリーも積極的でした。染分け帽のソウルスターリングも悪くありません。外目からじっくり真ん中らへんを確保できる位置にいました。

ベルカプリが果敢に先頭に立ち、ショーウェイが2番手でレースが始まります。
外からヴゼットジョリーに大外からカワキタエンカ。

内でミスエルテとジューヌエコール、がっしり抑えてレーヌミノルに真ん中リスグラシュー。
その外目にソウルスターリング。位置としては文句言われる位置ではありません。

内からライジングリーズンにミスパンテールにアロンザモナ、ゴールドケープ。
4馬身位離れてアエロリットにカラクレナイ。終始追いっぱなしだったアドマイヤミヤビに最後方ディアドラという展開。

途中からカワキタエンカが先頭に立ちました。
これも理由は分かりませんが、結果7着まで粘っているので強ち悪い作戦でもなかったのかな?と思います。
スタートから顔を外に向けながらの追走だったので、どうしようもなかったのかもしれませんが、そこまで遅いペースでもなかったので、思い切りました。

ペースは遅くないどころか速いという分類になるであろう34.7 – 46.5 – 58.3。
この辺の読みが毎回少し外れます。「G1だから多少流れるんじゃないの?」という程度の予想はしているものの、ここがバシッと当たると当たるんでしょうね。知らんけど。

そんな人間の都合はどうでもよく、カワキタエンカが離して逃げていたので、ソウルスターリング周辺で47.2位。アドマイヤミヤビで48.0を少し切る位。
掛かってしまいそうな馬も少ない中、ジューヌエコールやゴールドケープがやや抑えるシーンがありました。

道中やはり目に付いたアドマイヤミヤビ。
ペースが速いというより馬場が合わないように見えました。「ついていけない」というより「前に行かない」という様子。
走りながらもガタガタっとしているようにも見えましたし、極端な影響はなさそうとはいえ芝が濡れて滑る馬場が苦手なのかな。
阪神やや重馬場は経験済みとはいえ、同じ馬場状態でも状況が若干違います。その時はレースによっては33秒台が記録される馬場ですし、今回とは違ったかも。

ミスエルテは内目から良いスタートを切った時にはもっと行ってしまうか?と心配してたけど、気性の悪い素振りはそこまで見せず。
内から突き抜けてくるとは全く思っていませんでしたが、そこそこ走れそうな雰囲気はある前半。
ただやはり川田騎手が終始抑えているように、最内で走りにくいのも加わって「気持ち良く走っていたか?」というと見てる側からしたらそうは感じませんでした。

ソウルスターリングは悪い所もなく、内をチラッとルメール騎手が確認しながらリスグラシューを閉じ込め、スムーズに走れていたはずです。
前を行くレーヌミノルを目標にもできていましたし、先に抜け出した馬を交わすだけかなという4コーナー。
リスグラシューは追いながらあまりいい反応には見えず。

後方組だとアドマイヤミヤビが既に鞭が入り、かなり厳しいという4コーナー。
カラクレナイとアエロリットが同じような位置からアエロリットは迷わず外に行きましたが、外に馬がいたのもありカラクレナイはリスグラシューの後ろを選択。
直線入ってからじっくり待ったように、シャカリキに追うだけではない分、差し追い込み馬としての雰囲気は十分ありました。

直線はカワキタエンカが一杯になっても粘りを見せ、ヴゼットジョリーが先に潰れます。
その外からレーヌミノルが馬場の真ん中を伸びてきて、外からソウルスターリング。
レーヌミノルとの差が思ったより詰まらず、馬体を併せる事ができずに左鞭で内にささりレーヌミノルの後ろへ。この時には「なんかダメそう」と。

外の連中もそこまででもなかったものの、ゴールに向かうにつれてリスグラシューとカラクレナイ、大外アエロリットがドンドン差を詰めリスグラシューがソウルスターリングを交わしたものの、レーヌミノルまで捕らえる事ができずにゴール。
レーヌミノルが先に抜け出して粘り込みました。

勝ち時計1:34.5。前後半を単純に分割して46.5 – 48.0。
ただ、レーヌミノルは大体ソウルスターリングと同じ位置にいたので、47.2 – 47.3位。速過ぎずバテ過ぎずの丁度いい塩梅で走れていたように思います。

 

レーヌミノルは完成度の高い馬らしく、好スタートから前を無理に追いかけるでもなく、じっくりと。
前走直線の出来事で色々言われましたが、差す競馬を試せたのはかなり大きかったと思います。
今までみたいにただスピードに任せた逃げをしていたのでは、今回の結果はなかったでしょう。きっちり折り合い、マイル位までなら十分こなせるだけの馬になっていました。

ラスト12.8はレーヌミノル単独のものではないですが、ほぼレーヌミノルのラップです。最後ビシっと決まった桜花賞ではないので、やはりマイル位までの馬だと思います。
母系もロイヤルスキーにタイキシャトル、そして父にダイワメジャー。
スピード十分な血統ですし、何よりこの馬のスピードを生かすにはオークスよりNHKマイルカップで見たい。

枠も馬場も向いたとは思いますが、それを十分に生かすだけの好スタートと追い出しての反応の良さ。
ある程度前に行けるというのはなんだかんだ言っても有利です。

 

2着のリスグラシューはスタート直後にベルカプリとショーウェイが前に内に行き、外のカラクレナイが下げ、ゴールドケープも外へ行ったため、リスグラシューの周辺にぽっかりとスペースが出来ました。
レーヌミノルの後ろを取り、ソウルスターリングの内側へ閉じ込まれそうでしたが、直線でソウルスターリングと比較してかなりエンジンのかかりが鈍かったのが幸いしたように見えました。
結局外に馬がいなくなり、カラクレナイと併せる形になってから差を詰めています。
もっと4コーナーでの反応が鋭かったら直線行き場がなかったような感じもします。何がプラスに転じるか分かりません。この馬は距離伸びても大丈夫そうに見えました。

 

ソウルスターリングは追い出してすぐの反応しましたが、一瞬で止まってしまいました。
これは分かりません。
唯一敗因とできるのは馬場でしょうけど、今回はデビュー戦以来の前を追いかける状況だったのも影響してるかもしれません。
今までは後ろを待つようなレース振りが続いていましたが、今回は先に抜け出されてしまったので、馬自身も追いかける事に戸惑ったのかも。
世の中には鉄板は無いということが良く分かりました。毎回ですし、去年もそう思った気がします。
それでも最後まで頑張って3着を確保したのは、多くの競馬ファンは胸をなでおろしたことでしょう。3連複を買っていた人にとっては大きなクビ差です。

 

カラクレナイは上がり35.0の脚を繰り出して4着。
リスグラシューと並んで追い込み、ゴール前で遅れだしたので、最後まで伸びきれませんでした。
4コーナーでアエロリットと比較して内目を選択して、待ってからの追い込みだったのに、最後鈍ったのがどうでしょうね。
桜花賞としては見所のあるレースができていたと思いますし、スローの上がり勝負ならオークスでも戦えそうな気もする半面で、G1勝つには最後まで頑張れるか?も資質です。
リスグラシューなどと比較して、勝ち切るにはパワー不足も感じました。

 

同じことがアエロリットにも。
ゴール前で差がつまらなくなった所がこの馬の勝ち切れなさに感じました。
道中後ろから大外なので、力がないといい結果は出ませんが、勝つとなると…ですね。自在性があり過ぎるのも困ったものです。全く読めません。

 

カラクレナイとアエロリットを上回る上がり34.9を記録したディアドラ。
道中最後方から4コーナーやや内目を通りつつ、岩田騎手らしいエスコートで直線バシバシ。
そこから前をきっちり向いてからの伸びはかなり目立ちました。前半最後方でしたので、これだけですごい馬だと手放しで褒めるものではないものの、非常にいい伸び脚です。
「人気薄で一発がありそう」と言われて毎回来ない、来るときは3番人気、みたいな馬が多いと厄介なのですが、そういう馬っぽいなと感じました。

 

ミスエルテは4コーナーで内を突く選択は悪くありませんが、伸びそうで伸びず。
一旦5着圏内位まで上がったものの、坂を上って一気に失速。
もちろんまだ見極めるには早いのかもしれませんが、スプリント戦で極端な競馬(追い込み)をしてもらいたいなと思いました。
ポカもありつつ、勝つときは鮮やかな魅力的な馬になる資質は十分あります。

 

アドマイヤミヤビは道中からあんな感じではマイル戦とかそういう以前の問題。
直線でアエロリットと併せている内はまだマシでしたが、離されてから走りがバラバラ。クイーンCの走りの見る影もなく、バシッと変わる感じも一切ないまま終戦。
ここまで崩れるのも予想できませんでした。

 

トライアルで上位に来た馬が上位を占めていて、阪神JFの上3頭の順番変わっただけのワンツースリー。
やはり阪神1600mだと本当の番狂わせは起きにくいなと感じます。

この桜花賞がオークスに繋がるか?というと微妙です。
上位陣は距離もなんだかんだ大丈夫でしょうし、そこそこ掲示板に残りそうな一方で、勝ちそうな馬もハッキリとは見えず。
オークスは折り合いと瞬発力なので、ある程度こなせれば大体大丈夫。

ここは全然だったアドマイヤミヤビが距離伸びて巻き返すか?というとこの敗戦で信用度は下がりました。
ソウルスターリングが人気が下がるなら次も積極的に狙ってみたいと思いますが、そこまで下がるかな?

 

予想は…。
下手なりにいい線行ってるとは思います。
それでも時計の読み違いもありますし、当たってそうだけどピックアップしただけで順列含めてそうでもない、というのが続いています。
もう少しだけ掠る範囲が広くなればいいんですけどねー。難しいわ。