だからパドックは難しい。そう思う3つの理由。

難しいというか分からない

G1シーズン前になりました。
各競馬場でG1のトライアルレースが行われ、そろそろ春のG1シーズンが始まります。

そんなこんなで私は競馬を見ていますが、パドックはさっぱり。皆さんしっかり見ていらっしゃいますが、私はG2以下だと写真用に1枚撮ってさっさと戻りますし、G1はモニターを見てるだけ。
分かる人もいるのかもしれませんが、当然素人の私にはとてもとても。超難問です。

歩いている事は分かりますが、それ以上の情報はほとんどありません。

 

理由1:その馬のいつもの姿が分からない

これがなんせ1番大きいです。
競馬をきちんとメモ取りながら、データベースにまとめながら見ていないので、ここで脱落します。

「あなたより私の方が調子いいよね」ということが調子においては成り立ちません。
片方が病気で寝込んでるのならともかく、1番さんと2番さんで相対的に比較をするものではありません。

ここが難しい。
中の人なら多分分かるはずですし、乗馬でも定期的に乗っている馬であれば、跨ってからほどなくして「今日はやけに元気だな」とか「今日は反応が鈍いぞ」とか分かるものです。

しかし、パドックで周回している多くの馬はほぼ初見(もしくは記憶にない)。
何か喋ってくれるでもなく、当然無言で歩くだけ。初めて見た授業参観みたいなもの。

A君は毎日給食のご飯を2杯食べます。対してB君はいつも少食で半分残してしまいます。

ある日、給食込みの授業参観をしたとします。
A君はご飯を1.5杯食べました。2杯目は食べきらずに残してしまいました。
B君は0.8杯食べました。あと一口位まで食べました。

さて、どちらが調子がいいでしょうか?

というような質問です。

初めて見た我々はA君の方が調子がいいと判断すると思います。B君は残しているのにA君はお代わりしています。残したとはいえ1杯は食べきっています。
でも教室の中の反応は違うはずで、A君には「今日調子悪いの?」とか言っていて、B君には「おお、今日頑張ったな」とか言っているはずです。

普段の姿を知らないと往々にして起こりえます。
普段から眠そうにしている人が眠そうに仕事してても何も思いませんが、いつもハキハキしている人がそんな調子なら「どうしたの?」と声をかけるのと一緒。

パドックで良く褒められる「外をキビキビ歩いている」。
これも単純に「調子がいい」というものでもなく、普段の姿なら「普通」ですし、いつもダラダラしている馬がその姿なら「かなり調子が良さそう」と同じ動きでも評価が変わってしまいます。

これを未勝利戦からG1まで知っている人がどれだけいるのか?って話です。
そういうのもあり、私はG1などで知っている馬以外、パドックで予想を変える事は一切ありません。いつもの姿知らない以上、評価ができません。

 

理由2:パドックの姿がレースにどう結びつくのかが分からない

かつてエイシンフラッシュという素晴らしい馬がいました。
調教VTRからパドックまでほぼ完璧。特にパドックでの姿は毎回文句なしだったと記憶しています。

しかし、レースでのパフォーマンスはマチマチ。
ハマれば素晴らしい末脚を披露してくれるものの、自身のパフォーマンスがレースの流れ1つで大きく変わってしまい、パドックの雰囲気など全く当てになりませんでした。

「エイシンフラッシュに騙される会」なんてのも検索すれば出てくるように、多くの人が騙されたと思います。
そりゃあれだけ綺麗なら騙されますって。

 

一方でブエナビスタ。
G1を6勝した名牝ですが、パドックなどではどう見ても素晴らしい馬には見えませんでした。

身体は華奢でいい意味で落ち着いているのでしょうが、特に目立つ事もなく、ゼッケンを外して歩いていたら、どう考えても本命はないのではなかろうか?という馬でした。
しかし、レースでは毎回きっちり走って素晴らしい成績。

 

エイシンフラッシュみたいな馬はいくらパドック見ても分かりません。
いつもの姿は分かりますので、「いつも通り相変わらず素晴らしい」というのは分かります。ただ、それがレースでどう影響するかが分からないため、ここで破綻です。

パドックの姿が素直にレースに響いてくれればいいんですが、そう単純でもなく、パドックではイライラしててもレースでは大丈夫とか、はたまたその逆とか。
仮に理由1が解決したところで実際は分からないという馬もいます。

普段の姿が分かる⇒そこから今日の調子が分かる⇒レースでこういうパフォーマンスになる

ここまで分かっている馬しか分からないとなると、絶望的な確率に。

私がなんとなくでも分かるのは現役だと多分1頭だけ。ゴールドアクター。
あの馬はパドックでは常にイライラしていますが、度が過ぎると天皇賞の様に惨敗します。天皇賞の時はイライラがピークに達していたように見えましたので、レースでもかかり通しでした。
恐らくパドックでの雰囲気がレースでも影響しているんだと思います。ただ、イライラ具合は定量的に表せるものでもないので、「度が過ぎる」というのは勘です。

 

理由3:自分の「良い」が必ずしも走ることに直結しない

18頭をパーッと眺めると、「あ、いいな」と思う馬がいます。
全然理由もないし、言葉で説明することはできないけど、何かを感じる馬が。

しかし、これが走りません。これは私に限った話です。

つまり、私は「競走能力に関係ない箇所」を自分の中で高く評価しているという事です。
具体的にどこが良いかというのは分かりませんので、恐らく全体的にでしょう。

異性を「顔」で判断する人もいれば「スタイル」という人もいるでしょうし、「性格」という人もいます。
それと一緒でパドックでは「どこで判断しているのか?」が重要ですが、私が見ているのは例えば「顔」ということになるんですかね。

しかし、顔の良さはレースには一切関係ありません。
見た目がカッコイイ馬が強いのであれば、トウショウファルコ最強になるかもしれませんが、彼は最強ではありません。

「足の速い馬」をしっかり判断できるのであればそれを素直に信じていいと思います。
自分の「良い」のヒット率がどんなものかを知れば、インスピレーションが信じられるかどうかが分かります。

そして私は実際それで全然ダメだったので、直感もほぼ信じていません。
私の目は馬の「足の速さ」を射抜く目ではないからです。

 

でも極稀にあること

これは特に10月ごろの新馬戦及び未勝利戦で発生します。
多くの競馬ファンは1度はあると思いますが、パドックで明らかに馬の造りが違うという馬がいます。
将来ダービーのゲートに入り、そこで掲示板に入るであろう馬と、これから1回も掲示板に入れないであろう馬とでは、同じ動物として一緒にいると明確な差を感じる場合があります。
「これは逆転不可能だろう」と瞬時に感じるだけの差。

大抵その馬は単勝で2倍を切っていますが、そこだけは信じてます。
ただ、本当に稀な出来事で、最近は年に1頭出会うかどうかです。

結構幸運な瞬間ですね。

 

思わず参考にすること

と、まぁつらつらとパドックでは分からないと書いてきましたが、たまーに参考にする事があります。

それは「ほぼ初心者さんが放った一言」です。
パドックにいると、みんな馬を見ている後ろに「オッズ」という強力なフィルターが掛かっています。
これはもう強力なフィルターで、買いたくないから「悪い」と見えてしまう人が絶対にいるはず。競馬をちょっと知っている人ほどフィルターにはまり易い気がします。

「曇りなき眼で見定め、決める」

ともののけ姫のアシタカ氏は言ってましたが、そりゃ旦那、難しいって。
なまじ情報を処理できてしまう分、バイアスから逃れるのは簡単ではありません。
多くの場合1番人気は良く見えるものです。グリーンチャンネルとか見るといっつもそうですし。

ほんのわずかでも「強いんだろうな」と思っていたら最後。もうバイアスがかかっていると思って間違いありません。
私には強力なやつがかかっています。それが分かっているからこそ、自分の評価なんぞあてにしないというだけです。

でもオッズすら読めない初心者さんは違います。

まだヒトが野生だった頃、「強く速い馬」を直感で見定めていた目を持っていたのではないかと。
現代では当然そんなものは必要なくなり、今は脳の奥底へ押しやられているはず。
しかし、ヒトの脳なんてそんなに進化しているとは思いません。ウマを間近で見れば忘れかけていた能力が発揮するかも、と思っています。

だからいかにも「私、競馬知ってます」の人が「あの馬いいぜー」とかより、初心者さんの「あ、あの子いいな~」という方が「なるほど、そう見えるんだ」と参考にしたりしてます。

まぁ参考も参考です。
それをオッズで見てしまい、「やっぱやーめた。さすがに来ない。」となり、大きな魚を取り逃がすなんて事も。

 

だから難しい。
見てる人は偉いと思いますもん。