写真で振り返る 第51回共同通信杯 レース回顧




レース

ディアシューター好スタートを切ります。
内でスワーヴリチャードも少し伸びあがるようなスタートですが、そこまで大きなミスではありません。

チャロネグロ、ビルズトレジャー、アサギリジョーが遅れてしまいました。
スタートは難しいです。

緩やかな2コーナーへ向かう時にタイセイスターリーがやや掛かり気味に。

ディアシューター先頭で、最初タイセイスターリーが抑えていましたが徐々に前に。

エトルディーニュが3番手。
やや持っていかれているムーヴザワールド、内でスワーヴリチャード。
外から勢いよく進出したサイバーエレキングの後ろに少し離れてエアウィンザー。

少し離れてビルズトレジャー、エテレインミノル、アサギリジョーで最後方にチャロネグロという展開です。

前に馬がいた時はクビを上げたりしていたタイセイスターリーが先頭に立ってある程度マイペースで走れています。
この感じだと兄貴と同じで無理に抑えない方が自分の型にフィットしそうな感じはします。
前走は差してきましたが、スタートも良いし気性も前向きで先頭に立っても驚かなさそうですし、この方が合っている可能性は感じました。

ムーヴザワールドは前半こそ掛かり気味でしたが、3コーナー手前では前もスペースがあって無理なく走っていたと思います。
位置取りも悪くなく、外に自由もあってほぼ理想通り運べたのではないでしょうか。

ペースは36.0-60.6。きっちり平均ペース。

注文の付く流れではないですし、力を出しやすいレースです。
スタート直後は掛かる素振りを見せた馬もレースが進むにつれていなくなりましたし、少頭数でばらけていたので、その分多くの馬がプレッシャーも少なかったと思います。

後は末脚をどこまで伸ばせるか?の戦いです。

4コーナーにかけて外からチャロネグロがスーッと前へ。
エアウィンザーの外から前に行き、ムーヴザワールドの真後ろに付けます。

スワーヴリチャードはディアシューターの外へ。
全体的に各馬離れていたので、道中の位置取りでは不利があったりするシーンもありませんでした。
18頭いれば違うでしょうが、これ位の頭数だとやりやすいんでしょう。

直線に入り、サイバーエレキングがバテてしまいました。
内からスワーヴリチャードが抜く時にびっくりしたような感じで外によれ、ムーヴザワールドが若干押された影響でチャロネグロが外によれる場面も。
とはいえ、大きすぎる不利でもなく、この程度であればよくあることです。

タイセイスターリーが外を向いたまま走ります。
エトルディーニュも頑張っていますが、外からスワーヴリチャードがほぼ持ったままで進出。
その外にいるムーヴザワールドが押して押してと対照的でした。

タイセイスターリーが内埒一杯で粘りますが、スワーヴリチャードが余裕綽々。
直線の残り1F位で、四位騎手が外を確認していたのが印象的です。写真にはないですが。
前はいつでもOK。ライバルと目されている外の馬の手応えで「もう十分か」というような感じでスパート。

ムーヴザワールドは見た目は大きい走りですが、ラスト1Fで走りに上下動が出て来たので、外に少し膨れたのは疲れたんでしょうね。
エアウィンザーも伸びを欠いていますので、後はゴールまで一直線です。

後方でチャロネグロがエアウィンザーとビルズトレジャーとの間でスペースがなく、再度外へ。
早く仕掛けて進路を外に取った割に直線何かとあったのが唯一この馬でした。

挟まれた時に走りがバラバラだったし、押しのけるには脚が残っていませんでした。
直線で内にささるシーンもあったので、もっと思い切り外に出しても良かったかもしれませんね。ザ・結果論ですが。
未勝利勝ったばかりで重賞の平均ペースは厳しかったのでしょう。
この時期の重賞で、一気にパフォーマンスを発揮したリアルスティールのように成り上がるのは簡単ではありません。

4着だったタイセイスターリーは走りが大きくてそれこそミッキーアイルの走りを見ているようでした。
直線で顔を外に向けて走っているという癖があれど、前脚の上げ方などよく似ています。
この馬の方が融通も利きそうですし、マイルでも2000mでもいけそうな感じはします。
兄貴はこの時期から「将来的にはスプリンターだろう」という位の馬でしたが、そういう感じはしません。
516kgの大きい身体を存分に発揮できるようになれば、重賞でも勝ち負けできると思いますが、この春か?というと…。

エアウィンザーは6着どまり。
上がり34.5はレース2番目ですが、「本当か?」という位。

これは何とも言えない馬ですね。500万下なら突破できると思いますが、その上で壁がありそうな気もするし、この馬からしたらそんな厚い壁だと思えず。
道中少し促しながら走っていた割に、直線でシュンと反応したり、そこまで離されなかったり。
力負けに感じる一方で、脱落したような素質の差を感じた訳でもないというとても不思議な敗戦です。毎日杯辺りでサッと重賞勝ちしてしまいそうな感じもしました。

エトルディーニュはタイセイスターリーに差し返されてからもう1回差し返して2着。
地味ですが良く走ります。これで9戦目、3回目の2着です。毎年こういう馬は1頭はいる貴重な基準馬です。
ワンパンチ足りないのはそうですが、最後まで諦めないとかは鍛えて簡単にどうなるものでもないと思っていますので、乱戦になれば…ですかね。

人気のムーヴザワールドは手前を替えてから走りに上下動が出てきて、脚が止まったのが気になります。
前走の東スポ杯ではスワーヴリチャードに先着は許したものの、ゴール後に差し返すような走りだったのに、どうしたものでしょう。
その雰囲気が見られなかったのが心配になります。

道中掛かり気味だったのは最初だけですし、不利もなく走れていたので、この結果は案外でした。
これで2戦連続で重賞3着で賞金加算失敗ですので、トライアルで権利を取って皐月賞かダービー一本に絞るかの選択肢しかありません。
トライアルでなまじ3着で権利を取ると、皐月賞4着以内が求められてしまうので、どっちにしても綱渡りになりそう。

勝ったスワーヴリチャードは上がり34.2で2馬身半差の圧勝でした。
内枠も器用にこなしましたし、今まで7枠と8枠だけでしたので、1枠1番もそこまで不利にはならなさそうです。今回のスタートは心配ですが、リカバリも早かったので大丈夫でしょう。

皐月賞直行らしいですが、今回はこのローテというだけでそれなりに人気になるでしょう。
東京の方が向いていると思いますが、中山より癖がない東京の方が得意というのは多くの馬に当てはまる事ですし、心配しなくてもいいと思います。
今回休み明けですが、パフォーマンスは上げてきています。皐月賞は2ヶ月先ですが、その辺も抜かりなし。

直線で鞍上の指示に素早く反応して後続を突き放したように、あれだけ自在性があれば中山でダメになる姿は想像しにくいです。
イスラボニータとかもこんな感じだったので、レース後「東京向き」と思ったけど皐月賞勝ちました。
皐月賞勝つのに「エンジンのかかりが遅い」は致命的ですが、そういうのもなさそう。
今のところスタート以外は隙がない良い馬です。

人気の馬が「あれ?」という負けだったのでそっちに目が行きがちですが、勝ちっぷりはこの上ない程鮮やかでした。
スワーヴリチャードは素直にクラシックの主役として無事にゲートに入ってほしいです。