写真で振り返る 第52回クイーンカップ レース回顧




レース

スタートはレーヌミノルが好スタートです。
ディヴァインハイツがやや後手。アエロリットもそんなにいいスタートではありませんでした。

好スタートからレーヌミノルが先頭に立ち、内から2番のアルミューテンも行きました。
アルミューテンの勝浦騎手が抑えているので、やや追いかけてしまっただけなんでしょう。レーヌミノルに前を譲ります。

外からセイウンキラビヤカ、スズカグラーテ、スズカゼにサクセスラインと続きます。
その後ろの前が窮屈な所にフローレスマジックがいて、外から持っていかれ加減にも見えるアエロリット。真ん中巻き返してきたディヴァインハイツ。
フローレスマジックは折り合いを欠いている訳ではないものの、少し気合が入っているようには見えます。

最内でハナレイムーン、外からアドマイヤミヤビ。
トーホウアイレス、モリトシラユキ、パフォームにコマノレジーナ、最後方がヴィーナスアローという展開です。

ペースは実況が「スロー」と言っていましたが、なんのなんの34.8-59.1。
レーヌミノルが刻んだ流れはこの時期の3歳牝馬としては十分すぎる程良いペースです。
去年のメジャーエンブレムは例外的に34.4でしたが、それを除けば過去10年で35.0を切った事はありません。

後ろもそんなに離れていませんし、結果として厳しさとしては古馬1600万下位のレースになってしまいました。
こうなると現在の力の差+将来の素質の差というのがモロに出ます。

この時期の重賞は将来重賞で戦える馬と500万下~1000万下の馬が混在していますので、耐えられない馬が出てきます。

残り600m付近でアドマイヤミヤビが1回手が動いてエンジンを吹かし始めました。
そこでスーッと反応したからでしょう、もう1回3コーナー後半辺りでもう1回溜めるようなレース運び。

ずっと内側にいたハナレイムーンが静かに外に進出。
詰まるところもなく非常にスムーズなエスコートだったと思います。

スズカゼの後ろに入っていたフローレスマジックは、前後左右スペースが少ない中4コーナーへ。

直線に入り、レーヌミノルが突き放します。
4コーナーから直線入り口にかけて1.0秒も加速し、後続を突き放そうとするのは逃げ馬としては当然ですし、スムーズにコーナーでも加速していい馬ですね。

スズカゼの外からアエロリットが伸びてきます。

ここでフローレスマジックがやや進路で迷うシーンが。
もちろん難しいですけどね。後ろを振り返っていましたので、外出そうと思っていたっぽい。
無理に外に出さなくても、スズカゼとアエロリットの間には1頭分あったといえばありました。

ただ、シュンと先にアエロリットに入られて内を締められてしまったのもありますし、そもそも馬の反応がそこまで鋭くなかったので、真っ直ぐ出そうが何しようが結局外に行かざるを得なかったと思います。

当然休み明けのプラス18kgは影響はあったでしょうし、元々こんな所が目標の訳ありませんから、仕方ないっちゃ仕方ないでしょう。

内埒一杯を粘るレーヌミノルに、外からアエロリットが追い詰め、その外からアドマイヤミヤビが。
4コーナーで真後ろについたハナレイムーンも外から頑張って追いかけていますが、鞭1発毎にジワジワと離されてしまいました。

残り200m付近でレーヌミノルの脚が少し鈍りますが、一生懸命走っている感じが伝わります。
11.3-11.2と高速ラップを刻んでいますし、仕方ないでしょう。

最後の3Fは11.3-11.2-12.1=34.6。
落としたといえばそうですが、斤量は他の馬より1kg重い55kgでこの結果なら騎手含めて力を出し切ったでしょう。
誤魔化せる相手なら十分マイルでやれますが、このライバルに加えてソウルスターリングとリスグラシューが加わるとなると、これ位は走れそうという感じはするものの、ワンパンチ足りないと思います。
本職であろう1200m~1400mで見たいですね。私なら全力でフィリーズレビューに向かうと思いますが、どうでしょうか。

フローレスマジックは33.3でかなり切れた前走に比べると、休み明けの分もあるでしょう。やや反応の鈍さを感じました。
それでも1:33.6で走れていますし、前に離されても追いかけています。
アドマイヤミヤビ、リスグラシュー、ソウルスターリングと比較すると迫力というか、感じるものは及びませんが、そんなものは当てになりません。

溜めてドカンの戦法でも大負けはないでしょうが、サトノアラジンの二の舞になりそうですし、今回みたいなレースの方が18頭で紛れる場合は有効でしょう。
完敗に見えますが、脱落したとも思えないので、十分本番は巻き返すハズ。

ハナレイムーンはアドマイヤミヤビとの性能差が即ち上がりの0.4秒差。
とても良い馬で、クラシックでもある程度の結果は残しそうですが、ここから選択を間違うとG1に出られません。
桜花賞を目標にしてしまうと無理が生じそうで、オークス1本目指していけば面白いんじゃないでしょうか。ゆったり走れていましたし、長くなってもしっかり走れそうです。
まぁ金子オーナーに堀厩舎ですから。素人がどうこう言うべきじゃない。

2着のアエロリットはこれで3戦連続の2着。相手なりに走ります。
とはいえここまで耐えうる馬だとは思いませんでした。
今回も負けたものの、アドマイヤミヤビに一旦前に行かれてから再度エンジンが着火しているように、そういうタイプなんでしょう。
抜け出すと気が抜けてしまっていそうで、瞬発力があるもんだから抜け出してしまうジレンマ。

スタートも悪く、道中も恐らく意図してないような雰囲気で前に。
前走負けた時点で、やや底が見えた感じもしたのに、馬体を併せてこの走り。全く分かりませんが、桜花賞は一発あると思います。
強い馬と併せる形に持ち込めれば、頑張りそう。

アドマイヤミヤビは1600mは短そうでしたが、1:33.2で上がり33.6。時計も文句のつけようがありません。
特にルメール騎手が左鞭を一発入れて、スパンと手前を替えてからのラスト1Fが秀逸。
ストライドが伸びて迫力満点。過去の名馬と比較しても遜色ないパワーは感じました。

道中は押す位のゆったり具合ですし、距離が伸びて折り合いを欠くとかもなさそうです。
現時点ではソウルスターリングと甲乙つけ難い。

昨年もルメール騎手がサトノダイヤモンドとマカヒキで二者択一でしたが、今年はソウルスターリングとアドマイヤミヤビでですね。
ソウルスターリングの方が海外とか色々とできそうな気がしますが、どちらを選ぶにしろもったいないですね。

上位人気がきっちりと上位入線。
特に走破時計で1:34.0を切った5着までの馬は一定水準以上の力だと思います。