京成杯オータムハンデ、セントウルステークス レース回顧

京成杯オータムハンデキャップ(G3・中山・芝1600m・良)

3歳馬ロードクエストが55キロを背負っての快勝でした。
これは強い勝ち方です。

夏競馬でも3歳馬の走りが目立ちましたが、G1連対した馬が55キロで走れればなんてことはありませんでした。
ハンデキャッパーは外してないですが、あと1キロ位なら背負ってもこの着差で勝ってそうに見えました。秋が楽しみになる走りです。

スタートはシベリアンスパーブがポンと出てカフェブリリアントもいいスタートです。

対してダノンプラチナもあまり良くありませんし、トウショウドラフタ、ロードクエストの3歳馬2頭も後手の部類です。
大外リーサルウェポンも遅れてしまいました。中山1600mなので、大外から前に出ても苦しいですし、かといってここまで遅れるのも楽ではありません。
この競馬場の1600mの大外は難しいでしょう。

ロードクエストは伸びあがるようにスタートを切りましたので、これは癖ですから仕方ありません。毎度ゲートで後ろ脚に体重が大きく掛かります。
この程度の遅れは毎回覚悟しないといけないでしょうし、馬のタイプからいってこれはもう「個性」です。

シベリアンスパーブを制してピークトラムが逃げます。ワキノブレイブが2番手。
15番からスタートのペイシャフェリスは大外1頭離しながらコーナーにアウトインアウトの方式で外から切れ込んで3番手に。
上手にコーナーにスピード落とさずにペイシャフェリスは入れているので、これができるとこの競馬場でも不利は少ないと思います。

シベリアンスパーブが4番手に収まり、外からダノンリバティがやや持っていかれているような上がり方。
ダンスアミーガとクラリティスカイがいて、内にカフェブリリアント。

少し離れてスマートオリオンに内ダイワリベラル、外にロードクエスト。
ロードクエストはスタート遅れましたが、その後少し掛かるというか行きっぷりが良くスルスルと順位を上げてきました。

ここは外枠が恵まれていました。
他の馬に被せられるでもなく、内で包まれるでもなく、スムーズに走れました。
一般的に有利と言われる内枠だったらここまで楽にはいかなかったと思います。ダイワリベラルと交換していたら、カフェブリリアントの後ろなるでしょうが隣が恐らくダノンプラチナ。
前のカフェブリリアントと外のダノンプラチナだと出るのに苦労しただろうなと。

その後ろに内からリーサルウェポン、ラングレー、ダノンプラチナ。最後方ポツンとトウショウドラフタ。

ダノンプラチナはいい子すぎる位の走りです。
トウショウドラフタはスタートも悪いですが、800m過ぎで少し促しているように抑えているというよりは行きっぷりが悪い印象です。

ペースは最初の1Fがゆったりの12.5。
そこからは11秒台を続けていますので、悪くはないですが開幕週のマイルとしてはやや遅め。35.1 – 46.4。
かつてあったような1:31.0を切る超高速馬場ではありませんが、同日の1000万下が46.2ですし、前半35秒台だとやや遅めという判断になります。

残り600m付近からダノンリバティの後ろをスーッと上がるロードクエスト。
非常にいい雰囲気が画面越しに伝わりました。
3コーナー付近の印象は「中山で強い馬」の走り。まるで親父さんであるマツリダゴッホを見ているかのようでした。

対照的に後ろで蛯名騎手が促して促して上がっていくダノンプラチナ。
前半もそうですがこのペースなので、道中引っ掛かる位の行きっぷりが欲しいですが、反応の悪さが際立ってしまいました。

他だとダンスアミーガが追走に苦戦してます。
ピークトラムもそうですが、夏マイル重賞を転戦しながら2回走って3戦目。馬群に包まれて楽なレースじゃないとは思いますが、体も結構キツイんだと思います。

後方ではダイワリベラルがカフェブリリアントの内に入ろうとした所でリーサルウェポンが少し窮屈そうな仕草を。
仕方ないっちゃ仕方ないでしょう。15頭走ってれば内は簡単に開きませんし。この位は覚悟しないと内は突けないので、今回はダメだったと。

外のロードクエストが一気に馬場の真ん中を舌を出しながら走って突き抜けます。
内から上手にカフェブリリアントが出てきましたが、最後まで前に行かす事無くゴール。

カフェブリリアントは並んでからも僅かながら着差が広がっていたので、半馬身差でも力の差を感じました。
それでもこれは上手でしたね。さすがは戸崎騎手としか言い様がありません。
コーナーでの膨れを利用したように前のダンスアミーガを交わし、ワキノブレイブがバテると見越したんでしょうが、前の馬が下がれる進路をきっちり確保した状態でスッと抜いてから追い出し。
ギリギリまで待って追い出したので、遮二無二走らせての2着ではなく、コース取りとタイミングだけで持ってきたように思えます。

ダノンプラチナは後方から追い込んできてますが3着まで。
反応が鈍いです。58キロ背負ってゴール前では後続を離していますので力は上位ですが、このままで国内G1を勝てるかというと…。
この馬は安定して使えていないので、秋にコンスタントに走れるか?も問題ですけどね。

こういう馬が海外行けばいいと思うんです。ムーラン・ド・ロンシャン賞とかなら走りやすいと思うんだけどなー。これだけ鈍くてもフォルスストレートから追い出せばなんとかなるでしょ。
そういう遠征をJRAは手助けすりゃいいのに。ディープは飽和状態になるのは目に見えてるので、そのまま欧州で種牡馬になればダノンプラチナだったらアメリカ血統で面白いだろうなと想像します。

ダイワリベラルとクラリティスカイが並んで同着で4着。

クラリティスカイは転厩効果が効いてきたのか徐々に走りは良くなってきました。
一時期全然ダメでしたが、前走も0.5秒負けで留めてますし、今回も0.5秒負け。
爆発的なスピードがあるタイプじゃないので、毎回こんな感じでしょう。乗り方1つで2着とかができそうな所まで来たと思います。

トウショウドラフタは最後いい脚で伸びていますが、ゴール前50mでダノンプラチナに離されました。
上がりはダノンプラチナと同じですが、最後の踏ん張りがありませんでした。NHKマイルカップで最後バテたのは東京の1マイルだからで、中山ならシュンと切れる馬でなんとかなる舞台だけにもう少しやれると思いましたが、現時点だとあれだけ待ったのに最後止まったのを見ると、少し長いんでしょうね。右回りがどうのこうのはないと思います。

勝ったロードクエストの不安点はNHKマイルCでも1:32.9ですし、今回も1:33.0。
来年の安田記念とかを考えると、もっと時計が求められる場合が多いです。時計勝負は向かないと思うもののG1勝つには避けては通れません。どの程度まで耐えうるのかがまだ分かりません。

それにしてもあっさりとしすぎる位の走りで重賞制覇。
マイルではメジャーエンブレムとレインボーラインの間にいる馬なので当然でしょうが、皐月賞8着馬ですからね。
それが1番人気で外回ってきっちり勝ち切るのがこの世代ということでしょう。

 

セントウルS(G2・阪神・芝1200m・良)

ビッグアーサーが58キロ背負って逃げ切り勝ち。強いですね。
逃げてどうなの?というのはあると思いますが、このレースに関しては内枠と持ち前のスピードを生かしたレース運びだったと思います。

逃げる必要があったかどうかは別ですが、変に抑えるよりはこの馬は良いでしょう。
最初の1Fが探りを入れる12.3。
ネロとかラヴァーズポイントとかが先手を伺うならまだしも追いかけてきたのがスノードラゴン。

逃げるビッグアーサー以上にスノードラゴンが2番手という方がかなり異様な光景でしたが、スノードラゴンが逃げる事はさすがにないでしょうし、「それならば」と「馬自身が」逃げた感じです。
騎手の反応より先にビッグアーサー自身がスノードラゴンに交わされた後にピッチを上げたように見えました。

逃げが身上の馬なら分からないでもないですが、それが本番での心配事項です。
2F目から10秒台3つ続けて前半33.1ですので、追いかける方も楽じゃないペースです。

このペースで先頭で走れる馬を考えると、今年のスプリンターズステークスも先頭、もしくは2番手辺りでのレースになると思います。
全盛期のハクサンムーンとかならこれを上回りますが、生粋の短距離逃げ馬出ない限り、こんなラップは刻みません。
玉砕戦法を誰かに取られた場合にこれよりラップが上がります。その時に追いかけそうな勢いになってしまいそうに感じました。抑えきれるかどうかだけです。

シュウジも速いですが、33秒を切って走る事はないでしょう。
ミッキーアイルはそもそもそういうペースは刻めません。
ネロも栗東坂路なら違うでしょうが、さすがに中山では分があります。

そのネロは5番手から徐々に進出し、残り200mを切ってからグイグイ前を追いかけて2着。
安定して2着ですね。森秀行厩舎も暫く重賞で勝ちがないですが、この馬で、と思う所でしょう。

ラヴァーズポイントはある程度前に行った方が有利な開幕週の馬場でしたが、それにしても3キロも斤量が増えてこんなに走るとは立派です。
きちんと前に行けるので、気持ちよく走れればいいんでしょうね。
3番手で前と少し離れてプレッシャーのかからない位置に収まっていました。

5着に負けてしまいましたが、スノードラゴンはどんどんスタイルを変えてきます。
ダートの追い込み馬→芝が重ければ何とかなる→1:08.0を切っても追い込んできた→ビッグアーサーを追いかけて2番手で走った
と普通逆だろ!というような進化をしている気がしますが、どうしたらこう変われるんでしょうね。8歳になりもう真っ白なのに。

ダンスディレクターはスタートがやや後手で後方から追い込んで7着。
同じ休み明けでも怪我あっての約8ヶ月振り。言い方は悪いですが回ってきただけです。
1回走って変わってくるとは思いますが、どこまで変わるでしょうか。ただ、中山の方がいいと思います。
生粋のスプリンターではないと思っていますので、ちょっと時計がかかるとか、紛れるとかすると一気に差し切りもありそうです。

エイシンブルズアイも苦しんでいますが、次は中山です。
オーシャンSの走りはフロックではないと思っています。今回も上がりも出てたし、負けても0.4秒に留めてますから。

 

その他

3歳馬が猛威を振るっています。強いです。

野分特別のノガロも圧巻でした。
木更津特別のドーヴァーも強いと思いますが、2着のアッラサルーテは桜花賞で357倍のビリ人気でビリだった馬ですからね。それがここまできっちり立て直すとは。

昨日の500万下も3馬身差突き抜けたダノンヨーヨーの下のビップライブリーも勝ち時計1:32.6で3歳馬上位独占でした。
3着のダノンスパークもミッキーアイルの下です。

それよりなにより日曜日阪神最終レース500万下のミエノサクシードが私の中では衝撃でした。

手前を替えてからの走りが圧巻。
時計も野分特別より早いし、何よりラスト1Fの走りは久々に痺れました。何者なんだ?と。ローズSがこれを上回るのも案外楽じゃないです。

こんな走りが毎回できたら脅威でしかありませんが、3回に1回位できれば重賞でもやれそうです。