札幌記念 レース回顧

第52回札幌記念(G2・札幌・芝2000m・やや重)

甲子園の決勝戦でもありますし、オリンピックもそろそろ終わりです。
ついでに日本周辺には3つの台風というということで、これは日本列島が色々と騒がしい週末でした。

モーリスの参戦で非常に興味深いレースになりました。

一応サマー2000シリーズの重要な1戦なのですが、恐らく誰もそれを気にしていないはずです。
毎年思っていますが、そろそろこのシリーズを見直してほしいですね。

雨脚が強まり、困ったものです。

パドックだとやはりヌーヴォレコルトがマイナス14キロが気になります。
今まで走っていた馬体ではありますが、今までは体重に上下動が少ない馬だったのに、ここ3戦は増えたり減ったりが出てきました。
モーリスは1人で引きながらゆったり歩いていて、とても良く見えます。
ネオリアリズムがチャカチャカしていました。1年前にはかなり期待したんですが、そこが解消されないと安定するのは難しいですね。

と、ここまでがレース前に感じた事です。どれだけ見る目がないか?ですね。

スタートはほぼ横一線です。気持ちロジチャリスが少し悪いのが気になった程度です。
モーリスはかつてはスタート下手と言われていましたが、今や普通に出ます。
ヌーヴォレコルトが最内からやや押して位置を取りに行っています。包まれる可能性がある1枠1番なので、これはいいと思います。

行きそうなのはマイネルフロスト位しか見当たらないレースなので、さてさて展開はどうなるか?と思っていたらマイネルフロストが前に行くところをネオリアリズムが先頭に。

ネオリアリズムとしては、内側のレッドソロモンが鞭打っても前に行かない位の出足+スーパームーンもそんなに行かないということで、すんなりと内に切れ込みながら走れました。

「多少前に行く」と「先頭で走る」は違います。
群れる動物である馬なので、前に誰もいない中で走らないといけないとなると、ある程度気持ちが強くないといけません。
そう考えると、常にチャカチャカしているし、もしかしたらこういう競馬が合っているのかもしれません。

1コーナーまででとても上手に位置が取れたのは内のレインボーラインでしょう。
スタートからじわっと下げていき、ヒットザターゲットやスーパームーンとロジチャリス、ハギノハブリッド、ダービーフィズの間にぽっかり空いたスペースがあり、そこで上手に外に出しました。
これは上手だなと思いながらの1コーナーです。

ネオリアリズムが少し離して先頭に立ち、2番手マイネルフロスト。
そこからレッドリヴェール、ヌーヴォレコルトが内、外目にヤマカツエース。

トーセンレーヴにダンツキャンサー、メイショウスザンナに真ん中ヒットザターゲット。
その外へモーリス。枠も外ですから終始外は仕方ありません。
内からダービーフィズ、レインボーライン。スーパームーンがややのめりながら走っていてちょっと走りにくそうです。

後方がロジチャリスにレッドソロモン、最後方にハギノハブリッドという展開です。

前半は35.6 – 59.9。
馬場が読みにくいですが、どちらにしても良馬場ではないですし、若干流れていいペースです。
12秒前半をきっちりと続けていますので、差を詰めるタイミングがあまりありませんでした。

道中だとヤマカツエースがいい感じに見えました。
馬場が悪化しても大丈夫そうな馬ですし、雰囲気はとても良かったです。
結果的には最後やられましたが、この距離の馬場が悪化すると切れ不足は補える反面、スタミナの問題が出そうですね。

ネオリアリズムのペースは絶妙でした。
12秒前半を続けながら、コーナー手前位から一旦ペースを落とします。
12.7 -12.5 と下げつつ後続を待ちました。後ろの馬が前を抜くためには外から頑張ってスピードアップして抜かないといけません。
ネオリアリズムは内をピッタリ走っていますので、後ろが少しでもロスすれば儲けものです。

札幌競馬場は丸い競馬場なので、長いことカーブを走ります。
例えば中山競馬場内回りは3コーナーと4コーナーの距離が約470m。1周1,680m位。
対して札幌競馬場は3コーナーと4コーナーの距離が約530m。1周1,650m位。

たった60mですが、されど60mです。
1コーナーと2コーナーの分を合わせると、中山競馬場に比べると約100m以上はコーナーの距離が長い競馬場です。
内外の差はコーナーで出ますので、余分に走る距離が長い札幌競馬場の方が、例えば中山競馬場に比べると大きくなります。加えて直線260m程度の短さ。

もちろんコーナーが緩いので加速しやすいというメリットもありますが、モーリスはネオリアリズムに比べて6頭分位外回っていますので、楽ではありません。

4コーナーではダービーフィズが詰まりました。
これも不運です。岩田騎手の最近の流れの悪さを象徴しているような感じがしました。
レッドリヴェールが下がってきたため、メイショウスザンナが少し内によけた所で詰まりました。
そこから盛り返しているだけに、あのロスが無ければあと1つは着順が上げられた可能性があります。
馬券とは関係ない位置ですが、それでも…でしょう。

逃げるネオリアリズムはラスト12.1 – 12.3とお釣りをきっちりと使っての粘り込みです。
外からモーリスやレインボーラインが追い詰めますが、上がりにしてもそこまで決定的な差が付きませんでした。
モーリスを後ろに2馬身従えての勝利です。勝ち時計2:01.7。

次の最終レースの500万下の1200mで1:11.0です。
過去大体同日の1200mは1:09.0前後は出てますので、時計としては馬場差2.5秒位ある気がします。
そう考えると、例年通り位の時計だと考えます。

ネオリアリズムは気性が勝っているので、これ位馬の気のままに走らせた方がいいかもしれませんね。抑えて騎手と喧嘩してたら終了というレースもありましたが、位置取りとかこの際関係ない馬になればいいと思います。走りそのものがいいのはみんな知っている事ですから。

レインボーラインは3着でしたが、非常にいいレースでした。

同年代の上位には末脚が切れ負けた馬ですが、この世代の強さを改めて感じました。
ダービーで33.7の末脚は上位陣と0.3秒位及ばない2番手集団の時計ですが、これ位走れてしまいます。
地味で人気になってもこういうレースが続きそうなのが心配です。

ヌーヴォレコルトは吉田隼人騎手に乗り替わって終始内を突くのは問題ないと思います。
ですが、他の馬より早く鞭が入っているように、反応が良くありません。
怯んだようには見えませんので、純粋についていけなかったように見えます。
ブリーダーズカップはまた別のレースですが、芝のレースはどちらかと言えば上がりの競馬になります。ある程度自分でレースを作りたい所です。

ヤマカツエースはいい感じに見えたんですが、最後は疲れてしまいました。
ヌーヴォレコルトを交わしたのに差し返されたので、上位陣と比べると少し負けてしまいますね。
もう少しシュンと交わせるといいのですが、これも馬の特性ですからね。

 

モーリスは着差だけ見れば完敗です。
一応外を回った分だという言い訳を言いたくなる所でしょうが、ネオリアリズムは別にしてもレインボーラインにクビ差は言い訳ができません。同じように外から追い込んできましたし。
ここでの3キロの斤量差と言ったって、例えば欧州だとこの時期で3.5キロ程度はありますし、なんと言ってもレインボーラインはこの距離で3歳馬のエースではありません。

右回りの方が走りがスムーズなのは間違いないですが、正直これ位のパフォーマンスだと東京2000mだと辛いでしょうね。左回りの方が下手なので、余計にそう思います。

モーリスはゴール前ラスト1Fまで走りが乱れずに加速してフィニッシュするというのが特徴でしたが、札幌記念に関してはヤマカツエースを抜いてから走りが乱れて勢いを失いました。
私は距離は問題なくこなせると思いましたが、400mは意外に大きかったですね。思っていた以上にマイルのスペシャリストなのかもしれません。

 

とはいえ終わってみれば上位人気5頭での決着です。
札幌記念で重賞初制覇は2001年のエアエミネム以来の事。流石にG2です。
重賞初勝利でここまで一気に到達する事は無いってことです。