海外競馬の馬券が売り出されることについてのメモ(1)

海外レースの馬券発売をめぐる課題(農林水産省)というのが昨年出されていますが、これと私が色々と見ながら思ったことをメモしていきます。

実際問題どうなるんだろうという思いもありますし、気になるところもあるので、それについてです。

法律案の概要資料には以下の通りの記載があります。

日本中央競馬会又は地方競馬主催者は、農林水産大臣の認可を受けて、海外競馬 の競走(国内競走馬の出走により畜産振興に寄与すると見込まれるものとして農林水 産大臣が指定するもの)についての勝馬投票券を発売することができることとする。(第 3条の2、第6条(第22条において準用する場合を含む。)及び第20条の2関係)

国内における海外競馬の勝馬投票券発売イメージ

出典:競馬法の一部を改正する法律案の概要

JRAのノミ行為なんじゃないの???って思ったりしますが、これは置いておいて、右下に「公平性の確保」とありますが、これで揉めなければいいなと思います。

 

スクラッチについて

これは海外競馬を見ていれば当然のようにあり、「雨が降った」「馬場が固すぎる」などの理由で案外あっさりと直前回避してしまいます。

調教師さんがレース前のインタビューでそのように答えたりするインタビュー記事が載ってたりしますが、どれだけ多くの人が見るのか?というのも当然ありますし、情報をどれだけJRA側から出てくるのか?というのは非常に興味があります。

「雨なら回避を考える」というのは要は雨が苦手と言っているに等しいので、知らないで賭けるのが悪いといえばそれまでですが、売ろうと思ったらある程度は情報を出さないと売れないでしょうし、どうするんでしょうね。
個人のブロガーに任せるというのであれば、それはそれで頑張りますが、公式に出してくれると色々と助かる気もします。

 

ペースメーカーとカップリングについて

これも海外競馬だと避けて考える事ができません。

チームオーダーという考え方は普通にあります。
自分達の有力馬を勝たせるために、ペースを作ってサポートするなんていう馬が出てきます。

オルフェーヴルの時のアヴェンティーノですね。

アヴェンティーノはこういう風に予想新聞みたいなものには書かれていました。

The pacemaker for Japanese challenger Orfevre, doing just a reasonable job for that horse in one of last month’s Arc trials before finishing last of five. That will be his job again.

オルフェーヴルのペースメーカーであり、前回もきっちり仕事をしたので、もう1回同じ役目だと。

ちなみに、その前の年Shareta(シャレータ)がDanedream(デインドリーム)の2着に粘りましたが、その時シャレータは同じアガ・カーン陣営のSarafina(サラフィナ)のペースメーカーと目されていました。見事グリーンベルトを激走して2着になり、サラフィナは追い込み届かず6着に敗れています。
このレースの2番手の緑のシャドーロールです。

このレースは2着だから問題ありませんが、ペースメーカーが1着になっても単勝オッズはチームでオッズがつきます。

例えばTreveが勝った時は3頭出しでした。
下の「A」となっている同じ勝負服の馬は同じチームとみなされています。

カップリング

結果はこうなります。

払い戻し

2番のルーラーオブザワールドが勝っても4ユーロ、11番のエクトーが勝っても4ユーロです。

このケースは1着と9着と17着でしたが、仮に1着と2着で抜け出した場合など、馬主さんの意向で順位を入れ替えられてしまうので、こういう措置が取られているんだと思います。
ブックメーカーも例えばbet365などのルールを見ると、以下の記述があります。詳しくはリンクを見てください。

Coupled Horses
Some horses may be coupled in all Tote pools. If a bet is placed on two or more coupled selections and one is a non-runner then the bet will stand on the remaining selection(s). When coupled horses finish first and second (11A or vice versa) then for settlement purposes Exactas and Quinellas will apply to the 3rd place horse.

出典:https://help.bet365.com/en/rules/rules-sports/horse-racing

つまり、1着2着がカップルの場合、馬連とかは3着馬にapply to(適用されます)と書かれています。

日本で売り出す場合、カップリングの考え方は無いと思いますが、海外競馬はこういう考えでやっているということを知っていると違うかなと思います。
AとBの2頭いる場合、陣営はAを勝たせたいと思っているということが分かれば、2頭抜け出した時はAが1着でゴールする可能性が高いということですし。

降着について

これがあった場合が厄介ですね。
きちんとパトロールビデオが流れるわけでもなく、何が起きてるか分からず降着になっているなんてこともありそうです。

このケースは失格です、というサンプルです。
2010年凱旋門賞。ワークフォースが勝った年です。ナカヤマフェスタが2着だった年、と言った方が馴染みがあると思いますが、あのレースでは実は失格がありました。

Planteur(プラントゥール)が失格になっています。7着入線でしたが、失格です。

3番人気に支持された有力馬で、4コーナー先頭を走っている最内の青い勝負服の白帽子の馬です。
映像だと2:20頃に横に寄れます。これを踏まえて映像を見た方が分かります。

失格のシーン

映像はこちらです。
見覚えある方は多いでしょう。でもナカヤマフェスタを見てましたかね。

Fame and Glory辺りがかなり大きな不利を受けています。
これくらいやるとフランスでも全然問題なく(?)失格です。
日本だとどうでしょうね。いくら「甘い」「やったもんがち」なんて言われても、これはさすがに降着は免れないでしょう。
大きくは変わらないと思いますが、特に凱旋門賞は内がごちゃつくので、ここまででもなくても激しいシーンが多い印象です。

その場合はJRAはどう対応するのかな?って思っています。
当然審議は出せませんので、甘んじて受け入れるしかありません。公平っちゃ公平ですが、どれ位まで説明できるかが注目ではあります。

昨年1つ気になるレースがありました。英国の廃れても名門G1であるセントレジャー競走です。
解説というか色々な角度から映像が出ています。

このレースは赤い勝負服のSimple Verse(シンプルヴァース)が1回降着になっています。

実は同日にレパーズタウンで愛チャンピオンSが行われましたが、そこでGolden Horn(ゴールデンホーン)がとんでもない斜行をして降着にならなかったもんだからfacebookなんかには「なんで?」と書かれていました。

 

セントレジャーは一旦「Simple Verseは降着」として確定したと思います。
カンカンに調教師さんが怒っていましたが、まぁそりゃそうでしょう。

私もその結果をみて、「厳しい!」とブログに書きました。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/ced9331/article/210/page/2

これを書いた後に寝て、翌朝起きたから「やっぱり降着はなし」として、1着Simple Verseに再度入れ替わったというレースです。

これ、もし起きたら?と考えてしまいます。
恐らくレース後1時間位は降着だったと思います。そこから戻ったという稀有な事例ではありますが、起こり得ない事ではないという事です。
海外は審議もマチマチなので、JRAがどうハンドリングするのかは注目したいと思います。

凱旋門賞はハードなレースなので、不利は結構あります。
説明するのかしないのか?など含めて1回目は注目です。

 

20億円も売れるんですかね?

海外競馬の勝馬投票券発 売についてもその売上げを通じた畜産振興等の公益への貢献が果たせるのかという観点 から、売上げとJRAの収支の見込みについて、質疑があった。JRAとしては、地方 競馬のGⅠレースである東京大賞典17の売上げが約 20 億円であることから、この額を発 売金の目標の目安としている旨の答弁があった。

これどうなんでしょう?

東京大賞典はある意味ではJRA勢を買っていればいいから大勝負!みたいなことが出来そうですが、凱旋門賞ですからね。
余程海外競馬に詳しいならともかく、そんなに馴染みのない馬で勝負できるか?と思います。
私はある程度知っている側だと思っていますが、そんなに賭けられません。

それならスプリンターズステークスに勝負してるでしょうし。

やや見積もり甘くないかなぁというのが正直な感想です。
でも1回目は目新しいから売れるかもしれませんね。問題は2回目以降のような気はします。

なにはともあれあと2ヶ月ですので、もう少しJRAからの発表があればいいんですが…。