BeholderにNyquist登場。ハスケル招待にクレメント・L・ハーシュステークス レース回顧




2016 ハスケル招待S(G1・ダート1 1/8 m・モンマスパーク)

ハスケル招待

少ないながらもいいメンバーが揃いました。
まずはケンタッキーダービー馬Nyquist(ナイキスト)、プリークネスS馬のExaggerator(エグザジェレイター)が中心です。

それに対してケンタッキーダービー3着後にG3で圧勝してきたGun Runner(ガンランナー)。
American Freedom(アメリカンフリーダム)
もG3であるアイオワダービーを圧勝してきました。

見ての通り非常に悪い馬場で、「Sloppy」。不良馬場です。

スタートでは大外のExaggeratorが遅れ、最内からNyquistが好スタートを切りました。

前はガツガツとやりあい、向正面でNyquistを交わしてAmerican Freedomが先頭に立ちました。
Exaggeratorはスタートからゆっくり入り、向正面から徐々に進出しています。

最初の2Fが22.78で入り、American Freedom、Gun Runnerに絡まれたのもあるでしょう。
Nyquistといえど4コーナーで勢いがなくなりました。

大外から加速しながらコーナーを回ったExaggeratorが直線でも脚が衰えることなく粘るAmerican Freedomを1馬身半交わしてゴール。
ベルモントSは大きく崩れましたが、前半無理せず追走し、ペースが落ちた所で上がっていくという追い込み馬の鉄則を守った走りでした。
これでプリークネスSを含むG1を3勝目です。

2着はAmerican Freedomでした。
こちらは今年デビューのG1は初挑戦でしたが、果敢に先行して粘って2着。これはなかなか強いレースだったんじゃないでしょうか。

3着がSunny Ridge(サニーリッジ)とこちらは人気薄です。
2歳時のシャンパンS(G1)で勝ち馬から4馬身半離された2着というのはありますが、格下でしょう。
最後方から4コーナーも内を走り差を詰め、Nyquistをクビ差交わしました。

ケンタッキーダービー馬のNyquistは失速と言っていい4着。
どうしたもんでしょうね。絡まれたのは事実ですが、ケンタッキーダービーでの強さを考えると、ここは調子落ちなのか、成長力に疑問があるのか判断できません。
陣営は前向きなコメントも出していますが、個人的にはもうこの距離だと厳しい感じがしました。

勝ったExaggeratorは次は「真夏のダービー」であるトラヴァーズSからBCクラシックでしょう。
北米も徐々にですが、有力馬が絞られてくる時期に入りました。

 

2016 クレメント・L・ハーシュステークス(G1・ダート1 1/16 m・デルマー)

Clement L. Hirsch Stakes

ヴァニティーステークスの再戦という感じのレースです。
Beholder(ビホルダー)はアメリカ最強古馬牝馬ですので、ここも必勝パターンでしょう。
現在8連勝中。とにかく牝馬同士なら負ける感じがしません。
次のパシフィッククラシックでカリフォルニアクロームと戦う訳ですから、ここで負けていられません。

ライバル筆頭がStellar Wind(ステラウィンド)
昨年のBCディスタフ2着で今年初戦が前走のヴァニティーステークスですので、一叩きして調子が上がっているかどうかです。

レースはアメリカで2頭が強いとこうなるパターンのマッチレースになりました。

逃げるBeholderに追いかけるStellar Wind

直線までびっしり併せ馬をして、最後はStellar Windが体半分差し切りました
その後ろは10馬身位遅れているので、完全なマッチレース、でしょう。

勝ち時計の1:41.24はかなり優秀です。
これに近い時計というと、
2003年 アゼリ(ロイカバードのお母さま) 1:42.12
2008年 ゼニヤッタ 1:41.48
というのがありますが、41秒台はそう簡単に出る時計ではないです。

Beholderは負けちゃいましたがそこはハンデ戦。
一応2ポンド(0.9kg)だけ差がありました。が、わずか1kgです。
前走もそうでしたが、かつてのパフォーマンスは徐々にできなくなってきたかもしれません。6歳牝馬ですし、まぁ仕方ないことかもしれません。

今回負けて連勝はストップしましたが、予定通り次はパシフィッククラシックでしょう。

勝ったStellar Windはというと

Stellar Wind is unlikely to try Beholder (again) and the boys in the Pacific Classic but will rather wait for the Grade 1 Zenyatta Stakes.

と書かれています。
「unlikely to」ですので、パシフィッククラシックへ行く可能性は低い、というか無いでしょうね。
ゼニヤッタS→BCディスタフでしょう。

 

2016 ジムダンディステークス(G2・ダート1 1/8 m・サラトガ)

ジムダンディー

こちらもG2ですがベルモントSの1着Creator(クリエイター),2着Destin(デスティン),4着Governor Malibu(ガバナーマリブ)が出てきます。ラニ以外上位陣の登場です。
ケンタッキーダービー以来のMohaymen(モヘイメン)も注目です。

レースは何とも言えない結果になりました。

逃げた最低人気でここまで7戦未勝利(!)のLaoban(ラオバン)です。
最内のCreatorがスタートからイマイチでしたが、まぁそこはベルモントS馬ですし、それなりに格好をつけてくるだろうと思いながら見てました。

4コーナーで逃げるLaoban以外が手が動きだし、直線に入った時には「あ…後ろだめだ」という感じに。

逃げるLaobanに2番手で外からDestin、内からGovernor Malibuが走りますが、前との差は然程詰まらず。
その後ろとは大きく離れてしまい、終わってみればビリにCreatorという有様。

勝ったLaobanは父がUncle Moです。
7戦勝ち無しでしたが、一応プリークネスS6着というのが前々走にあります。ラニの1つ後ろでゴールしていました。

このメンバーで勝ち負けになるとは思いませんでしたし、ほぼ知らない馬でした。そりゃ未勝利ですからね。
ハスケル招待と比較して多少は落ちるものの、そこまでではないと思っていただけに、継続して勝ち続ける難しさですね。

 

2016 ボーリンググリーンハンディキャップ(G2・芝1 3/8 m・サラトガ)

アメリカに渡ったFlintshire(フリントシャー)が足慣らしとして出てきました。

超絶スローペースです。
実況も「very, very slow」と言っていますが、1200m通過が1:19.44、1600m通過が1:44.20ですので、いかにスローなのかがわかります。

どの位の馬場なのかというと、前日の芝1700mのレースの勝ち時計が1:40.26が一般戦で出てます。
大体1600mで1:34.0位の馬場です。

勝ち時計が2:18.24。
最後だけ一生懸命走りました。最後方から軽く仕掛けて前を抜き去りました。

Flintshireは現地時間8/13のアーリントンミリオンに向かう予定です。
ここには登録だけだと思いますが、キングジョージを勝ったHighland Reel(ハイランドリール)の名前もあります。