2016 キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス レース回顧




2016 キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1・アスコット・1m4f・Good To Firm)

出れば圧勝がほぼ見えていたPostponed(ポストポンド)が出走を取り消したため、今年もかなり手薄というかこれからのメンバー構成となりました。

最終的に出走馬は7頭です。
わざわざここを使わない馬もいますし、なんとなく徐々にキングジョージの意味が薄れてきている可能性もあります。

キングジョージ

人気はDartmouth(ダートマス)です。
オリビエ・ペリエ、マイケル・スタウトにエリザベス女王とバックグランドは抜群。
前走はハードウィックSではここでのライバルの1頭Highland Reel(ハイランドリール)を破りました。
3連勝中ですが、G1は未勝利。アスコットでの勝ちがある分上位、という感じです。

そしてHighland Reel(ハイランドリール)もライバルの回避で急浮上してきました。
2400mであればそう大きく崩れる心配はありませんが、トップクラスと戦うと分が悪いレースを強いられていました。
が、ここはそんなに相手がいません。胸を張って上位でしょう。

他は…。

一応3歳馬ではWings of Desire(ウイングオブデザイア)が出てきますが、英ダービーで完敗していますので、もしここで勝つようなら古馬の薄さは半端ないという事になります。斤量差を埋めるほどの力はないと思うものの、この相手なら何とかなりそうなのも事実です。

天気は晴れていて馬場も良さそうです。
最終的な人気はHighland Reel(ハイランドリール)、Erupt(イラプト)、Wings of Desire(ウイングオブデザイア)、Dartmouth(ダートマス)の順になりました。

 

で、レースと言えばスタートからHighland Reel(ハイランドリール)が先手を取ります。
Erupt(イラプト)、Wings of Desire(ウイングオブデザイア)の後ろにDartmouth(ダートマス)。

Sir Isaac Newton(サーアイザックニュートン)、Second Step (セカンドステップ)と続き、最後方にWestern Hymn(ウエスタンヒム)という展開です。

やや発汗も目立つHighland Reelですが、スイスイと逃げます。
欧州は主にペースメーカーがこういうG1では先導することが多い中、最終的に1番人気になった馬が逃げるというのもなんか新鮮です。

道中走っている内にDartmouthは後方になってしまいました。もう少し積極的にいってほしかったですね。

4コーナーに向けて徐々に差が詰まり(というか恐らくペースを落とし)、最後の直線へ。

逃げるHighland Reelに3歳馬のWings of Desireが差を詰めます。
2頭以外は最内がSir Isaac Newton、真ん中にErupt、最後大外から差を詰めて来たのがDartmouthですが、勝負には加われず。

勝ったのはオブライエン厩舎の外回り担当で頑張っていたHighland Reelです。

今年はドバイシーマクラシックで4着、香港のQE2世Cで8着とG1ではいい所ありませんでした。
前走はG2のハードウィックSで2着になり、なんとか格好をつけてここに。
前に行くスイルを最近はとってますが、逃げ切るとは。

勝ち時計は2:28.97。かなり良い時計です。一昨年のタグルーダと一緒位ですね。

もともとどんな馬場でもある程度は走れる馬ですが、多少高速決着向きなのは確かです。

ただし、次は決まっていません。
エース格として期待されているUs Army Rangerとかがメインで欧州で走るので、恐らくまた英国を出る事になるでしょう。

Winning trainer Aidan O’Brien: “He can do Japan, Australia, Hong Kong – he has so many options.”

と言っていますので、JCも可能性「は」ありそうです。
出てきてもまぁ勝ち負けはどうでしょうね。一応前に行ける分目立つとは思いますが、3着候補位からは抜け出すのは難しいと思います。

2着は1馬身1/4差で3歳馬のWings of Desire。
ハッキリ言って、この位の馬が後続をさらに離して2着に来るレースですので、レベルは強調できません。

3着は更に2馬身3/4差でDartmouth。
道中もう少し積極的にいってれば良かったかもしれないという印象しかありません。
スタート直後はいい番手を取っていただけに、後半下げてしまったのが悔やまれます。

後ろはSir Isaac Newton、Eruptの順。

新しい馬が勝ってくれれば良かったんですが、やや底が知れている感があるHighland Reelの勝利で終わったキングジョージ。
欧州でこの距離のトップクラスはポストポンドとファウンド以外はパッとしないレースが続いています。