ラジオNIKKEI賞、CBC賞 レース回顧

第65回ラジオNIKKEI賞(G3・福島・芝1800m・良)

夏の3歳限定のハンデ戦ということもあり、非常に難しいレースです。

牝馬で50キロのトモトモリバーから57キロのブラックスピネルとハンデ差が7キロもあります。
多くの一線級で戦った馬たちは夏休みということもあり、力関係も微妙ですし、さらに開幕週の福島競馬場。

スタートは大外という事もありブラックスピネルが悪かったのが目立ちましたが、ピックミータッチも出ませんでした。
また、アップクォークも両隣(主にジョルジュサンク)に寄られてしまい、後方からになってしまいました。

外目からロードヴァンドールが手を動かしながら前に行こうとしていますが、先手が取れません。
対してダイワドレッサーが非常にいい感じで先頭を伺い、内からジョルジュサンクに譲りますが、スムーズに1コーナーへ入れました。

1コーナーを通過した所で外からミエノドリーマーが一気に先頭に立ちました。

よくわかりません。
逃げていた馬が逃げられなかったから行ったとか、ペースが落ち着いたから行った、引っかかってどうしようもなくなったので行った、等あるでしょうが、そこまで行くポイントには見えませんでした。

これは蛯名騎手の勝負勘がそうさせたのでしょうが、少なくとも見てる側としては「なぜここで?」という思いしかありません。
前に行くのは分かりますが、せめて向正面の直線に入ってからでも遅くなかったんじゃないかなって思います。コーナーで外から抜いているので長い距離走らないといけませんし。

ジョルジュサンクが2番手でダイワドレッサーが3番手。
ロードヴァンドールは逃げることができずに4番手。

ゼーヴィントは内からロスなく中段です。キングハートの後ろをきっちりと確保し、向正面まで全くロスがありません。

ナイトオブナイツ、トモトモリバーといてストーミーシー。後方にカープストリーマー、外アーバンキッド、真ん中にアップクォークと続きます。

後方2番手にブラックスピネル、最後方がピックミータッチという展開です。

ペースは35.3 – 59.6 ですから、そこまで珍しい流れではありません。
一応60秒を切ってきたので、「それなり」という評価だと思います。

先頭に立ったミエノドリーマーが4コーナーで失速していき、ジョルジュサンクが先頭に立ちます。
それをダイワドレッサーがいい感じでついていきますが、その後ろの外にいたロードヴァンドールは手が動いて苦しい感じに見えました。

ブラックスピネルは後方から追い出しにかかりましたが、一番外ですのでやはりこれを突き抜けるのは楽ではないでしょう。アップクォークは前の馬群を捌けずにどんどん外から被せられたので、仕掛けることができませんでした。

アップクォークは4コーナーでを走っていたカープストリーマーが遅れていて、内側のスペースが開いただけに、非常にもったいなかったです。
ゼーヴィントの後ろを取れましたし、もちろん詰まる可能性も大いにありましたが、スタートも挟まれた結果の後手でしたので、思い切って内を突いて詰まったら仕方ない位の騎乗が見たかったかなと思います。

ジョルジュサンクが逃げるところをダイワドレッサーがフラフラしながら追いかけます。
それをゼーヴィントが併せて走り、ダイワドレッサーをきっちり交わしてゴール。

外からアーバンキッド、アップクォーク、ブラックスピネルと追い詰めましたが、ダイワドレッサーを交わすことができませんでした。
上がりは34秒台前半の脚が使えているので、伸びてはいるのですが、やはり枠順含めて楽な展開になりませんでした。

もっともっと流れて縦長になれば内を突くとかもありますが、下げて内を突くリスクは取りにくい流れですし、そうなる事が予想されるだけに大外は楽ではありませんね。

結果を見れば1番のゼーヴィントが1着、6番ダイワドレッサー、出遅れがあったとはいえ3番のアップクォーク、4番のジョルジュサンクと上位6頭中4頭が6番以内です。力のある2頭(15番アーバンキッドと16番ブラックスピネル)が間に挟まる結果ですので、小回りでロスなく進めたものが上位になりました。

同日の3歳未勝利で同距離のレースがありましたが、1-2-14-3-4 という並びで掲示板になり、唯一連に絡んだ14番は逃げた馬です。

そう考えると、アーバンキッドとブラックスピネルは負けはしましたがここでは当然のハンデだったということでしょう。
ブラックスピネルに与えた57キロもそんなに間違いではありませんでした。
終始外々で内に入るタイミングもなければスペースもない状態でよく走ったと思います。

菊花賞は毎年1000万下を勝った馬がゲートには入れるので、現在OP馬のブラックスピネルは菊花賞のゲートには入れるとは思います。
距離は長くても大丈夫そうですし、甘い部分もありますが、最後はしっかりしています。
この中では菊花賞で穴っぽいのはこの馬位ではないかと思います。

勝ったゼーヴィントは最内をきっちり活かしました。
4コーナーから直線入り口で前を走るミライヘノツバサとトモトモリバーの間が難なく開いたというのも向きました。トモトモリバーがもっと厳しくコーナーを走れる馬なら封じ込めたんでしょうけど。
あの瞬間で抜けるスペースがすんなりできたので、ロスなく走れたのは大きかったと思います。

母のシルキーラグーンはスプリンターズステークスで5着したこともある馬ですが、距離は全然大丈夫そうですね。
極端に長いのは将来的には向かないでしょうが、同世代であれば菊花賞もありだと思います。
ただ、今年は強いので同斤量でブラックスピネル以上の馬と戦わないといけないのはまぁ4つか5つ条件が揃ってどうなるか?位の差は今の段階でありそうです。

ダイワドレッサーは牝馬ながら頑張って2着。
オークス8着馬もここに入れば上位でした。牝馬で53キロなので、そこまで恵まれたと思いませんが、高枠から積極的に進められたのが良かったです。
秋華賞もこういうレースがしたいですね。

アーバンキッドは仕方ないでしょう。もう少し内枠なら難なく勝っていたと思います。
外枠を克服するほどの力の差ではないものの、崩れるほど弱くないという位置ですね。

他ではロードヴァンドールは逃げられずに4コーナーでほぼ終わってしまいました。
外枠でしたし、1000mを60秒を切るレースだと先手が取れないのかもしれません。

第52回CBC賞(G3・中京・芝1200m・良)

こちらもハンデ戦です。
斤量差は48キロから58.5キロと10キロを超えます。

ジョディーズロマンは48キロで当然ですが、1000万下の馬がこうやってチャレンジするとハンデ戦として面白いので、ビリですが拍手を。

馬場は今年は過去と比べて圧倒的に速いのが今年の中京です。
前日の3歳500万下で1:07.7ですので、走れる馬だと1:07.0を切るかどうかという時計が考えられる馬場状態です。従って過去どうだったか?というのは一切参考になりません。

スタートは少しだけスノードラゴンが悪かったですね。
僅かですが後ろ脚に体重が乗ってしまいました。0.1秒を競い合う短距離戦ですので、理想は五分です。

毎回スタートがいいベルカントが先頭に立ち、 ラヴァーズポイント、シンデレラボーイも早めに行きます。
エイシンブルズアイにサドンストーム、ベルルミエール、メイショウライナー、ワキノブレイブと先頭集団がややゴチャゴチャ。

そこからレッドファルクスにジョディーズロマン、スノードラゴンと続き、追走に苦労しているラインスピリットに最後方がサクラアドニスという展開です。

ラップは 33.8 – 44.7 – 55.5なので、馬場が良くても楽な流れではありません。
それでも走破時計1:07.2ということは、前後半でレース自体は 33.8 – 33.4 と加速したことになります。

勝ったレッドファルクスで34.5 – 32.7 ですから、素晴らしい脚でした。

ベルカントが4コーナーで意外にスムーズに走っており、直線へ。
大外へ持ち出したレッドファルクスですが、距離があります。
内へ突っ込んだエイシンブルズアイと斤量が軽いラヴァーズポイントが追いますが、エイシンブルズアイの伸びがありません。

逃げ粘るベルカントをラヴァーズポイントが追い詰め、サドンストームも伸びていますが、その外から一気にレッドファルクスが差し切りました。

ベルカントは最後ラヴァーズポイントに差されて3着。スノードラゴンは6着、エイシンブルズアイは伸びを欠き9着です。

勝ったレッドファルクスはスタートもフワッと出が遅く、スタートして少しして早々に軽く1発鞭が入っています。4コーナー手前でも右鞭が入りましたし、追走はそんなに楽ではなかったと思います。
それでも追ってから素晴らしいスピードでした。

中京が得意と言っても2戦中1戦はダートですし、芝のトリトンSを勝っていると言っても1:10.9のレースです。
時計を詰められる馬場とはいえ、一気に3.7秒も詰めるとは驚きでしかありません。
時計じゃない所で中京競馬場が得意なんでしょうね。一般的にはスピードが足りないと言われるだろう馬だけに、3番人気は不思議でしたが、競馬ファンの上手さに脱帽です。

母系は立派なレガシーオブストレングスの流れですし、血統としては立派なものです。
父がスウェプトオーヴァーボードですから、当然ダートの短距離だと思います。それでこの勝ちっぷり。レガシーオブストレングスはどちらかと言えば仕上がりが早い馬が多いと思いますが、5歳で重賞初勝利。競馬は血統だけではありません。

2着のラヴァーズポイントは軽ハンデを存分に生かしました。
このハンデ差だと1600万下で好勝負していればなんとかなる相手とハンデでした。

これからOP馬として戦うことになるので、ハンデはここまで軽いわけにはいかないでしょう。
勝ち味が遅い成績なので、ポンポン連勝はしないでしょうが、大きく崩れる事も少ない気がします。
1200mをこの時計で走れれば、またどこかのハンデ戦で一発あるかもしれません。

ベルカントは逃げっぷりは休み明けでしたがとても良かったです。
左回りもそこまで気になりませんでしたし、追ってからしぶとく走りました。

スタートの良さも含め、非常に高いレベルのスプリンターです。1200mが既に100m位長い感じですが、少なくともCBC賞に関していえば一番いいパフォーマンスですし、スプリンターズステークスも1:08.0を切る馬場になれば、少なくとも昨年みたいな惨敗はないと思います。

スノードラゴンは4コーナーの雰囲気は良かったですが、前が完全に壁になり、外に出すというレース運びになってしまいました。結果論ですが思い切ってレッドファルクスの外へ出してしまってもよかったかもしれません。

直線で詰まらなければ少なくとも0.4秒も負けなかったでしょう。時計への対応もできるようになり、8歳でますます安定して走れるようになりました。不思議な馬です。
馬場が悪化したら当然ですが、良馬場でも押さえないといけない馬ですね。

エイシンブルズアイはうーん。

確かに前半がスローではありませんが、ベルカントがあれだけ粘っているし、道中ほぼ同じ位置にいたサドンストームもきっちりと伸びています。
前半少しでも余分に力を使ってしまうと、良くないんですかね。
こんなに負ける馬ではないと思いますが、短距離の追い込み馬として磨いた方がいいのかもしれません。