第148回 ベルモントステークス レース回顧

第148回ベルモントステークス(G1・ベルモントパーク・1 1/2m (Dirt))

ラニが出走しました。
ダート2400mというマイノリティのレースです。

アイキャッチは優勝レイで使われるホワイトカーネーションです。

出走馬は以下の13頭です。意外に出てきました。
Exaggerator(エグザジェレイター)が人気を背負っていますが、見た目以上に「混戦」ということでしょう。

ベルモントステークス出走馬

結果としては勝ったのはCreator(クリエイター)。タピット産駒の芦毛。
2着がDestin(デスティン)。こちらも芦毛。父はジャイアンツコーズウェイ。
3着にラニ。タピット産駒の芦毛。

ワンツースリーと芦毛が占めました。タピットという素晴らしい種牡馬がいることはいますが、さすがにワンツースリーは珍しいと思います。

勝ち時計は2:28.51。悪くないですが、この馬場にしてはもう少し出てもおかしくなかったかもしれません。

ラップタイムは 24.09 – 24.39 – 24.90 – 24.58 – 25.10 – 25.45 でした。
前後半だと1:13.38 – 1:15.13 ですので、淡々と流れながらも後半につれて徐々にペースが落ちていくというレースです。

ラニもUAEダービーから3冠の4戦の中では一番まともにスタートは出たと思います。
内のDestin(デスティン)Gettysburg(ゲッティースバーグ)が好スタートを切ります。Gettysburgは勝ったCreatorと同じ勝負服ですからね。好スタートを決めないと。
Exaggerator(エグザジェレイター)も好スタートから外目を回ることになりました。ラニは1コーナーでブービーの位置取りです。

大外だったCreatorはラニとTrojan Nationの後方組と、Forever d’Oroとの間のポッカリと開いたスペースを上手に内に入りながら最内へ。
画像

向正面ではDestinは2番手で折り合い、Exaggeratorは外目の5番手。Creatorは内の10番手ではありますが、徐々に馬群との差を詰めていきます。

ラニは800m過ぎたあたりから徐々に進出しました。このレースはUAEダービーと一緒ですし、非常に積極的な良い攻めだと思います。
他の馬は結構じっとしている中、ラニの動きはなかなか見るものがありました。

NYRAの出している個別の馬のラップタイムで見ると、800m~1200m、1200m~1600mまでのラップタイムは主要な馬は以下の通りです。
少し公式と違いますが、大体合っているので、参考にしています。
Creator … 24.73 – 24.16
Destin … 24.53 – 24.44
Lani … 24.04 – 24.27
Gettysburg  … 24.76 – 24.48 (先頭=レース)

ラニは800mから1200mの所でレースより0.7秒も速い脚を使っています。
そこでは勝ったCreatorはそれ以前に脚を使ったのはありますが、レースとほぼ同じ。ジッと待っていました。
しかし、その次でレースより0.3秒程度速い脚を使い、前との差を詰めていきます。

内を突いたために前半脚を使ったとしても、1コーナーで最内を取れた馬とそうでない馬との差が僅かながら出たと思います。
1マイル時点ではラニとCreatorは位置取りとしては同じですが、内外の差がありました。

4コーナー手前で先頭はペースメーカーのGettysburgで、2番手にDestin(デスティン/2着)、3番手にGovernor Malibu(ガヴァナーマリブ/4着)、4番手にStradivari(ストラディヴァリ/5着)が先頭集団。その後ろに人気のExaggerator(エグザジェレイター/11着)が外、内にCreator(クリエイター/1着)。その後ろの外目にLani(ラニ/3着)です。

今年も逃げ馬は力不足なのでいいですが、それ以外は上位は前にいた馬です。

勝ったCreatorは4コーナーで内に突っ込んだのに対し、ラニはどうしても馬の特性もあり外へ。
この差が最後に響きます。

公式ではないですが、アメリカはこういうのが出ます。

ベルモントステークススタッツ

黒枠がCreatorとラニとのラスト4Fの走った距離です。Creatorとの差は距離にして24ft(7.3m)余分に走っています。
1馬身は約2.4mと言われていますので、3馬身差です。

右の赤い枠が全部の合計ですが、レース全体で50ft(15.2m)だけ余分に走っています。

「内を走れ」というのは理想です。
ただ13頭も同レベルの馬がいて、馬の特性(性格やストライド)を考えると、望み通りいかないものです。
力としてはラニは勝っていてもおかしくなかったと思いますが、レース運び含めて競走能力ということを考えると、僅か及ばなかったかなと思います。

それでも4コーナーで前に行くという武豊騎手の意思含めて考え得る理想的なレースだったと思います。
もう少し少頭数で、4コーナーがもう少しだけ内を走れる状態であればあるいは…。そう思わせるだけには十分な負け方でした。美しい負け方、というべきでしょうかね。

勝ったCreatorは父がTapit 母はMorenaという馬で、ラトロワンヌステークス(G2)ではRachel Alexandraとかと走って3着したりしています。
アーカンソーダービーでG1勝っていますので、これで2勝目です。ケンタッキーダービーでは少し人気になりましたが全くいいところがなく13着でした。そこからの巻き返しです。

これでTapitは一昨年のTonalistについで2勝目。去年も2着にしているし、3年連続で連対中です。この芦毛が止まりません。

ラニは本当に惜しかったと思います。
アメリカ3冠を走り切りましたし、ベルモントステークスでは馬券になりました。どうするでしょうね?
日本で見たいものです。その時の新聞には3冠が並ぶわけですから、かなり貴重な新聞になると思います。
スタート下手だから日本の競馬では安定して勝てないと思うけど、応援はします。

レース後急な夕立で虹が出てるシーンがありました。綺麗でした。

過去2戦はこちらからからどうぞ

第141回 プリークネスステークス レース回顧

2016.05.22

第142回 ケンタッキーダービー レース回顧

2016.05.08

 

同日にベルモントパークで行われた別のレースです。

メトロポリタンハンディキャップ(G1・ベルモントパーク・1 m (Dirt))

ドバイワールドカップは5着だった昨年のベルモントステークス2着馬のFrosted(フロステッド)が直線みるみる突き放して14馬身差の大楽勝でした。

勝ち時計1:32.73。
ベルモントパークのダートは時計は出る方だと思いますが、それにしても速いです。

マンハッタンステークス(G1・ベルモントパーク・1 1/4 m (Turf) )

アメリカへ移籍したFlintshire(フリントシャー)が順当勝ちでした。
昨年の香港ヴァーズ(2着)以来の出走でしたが、さすがに凱旋門賞2着をしていません。
2着が非常に多い馬ではありますが、アメリカの芝なら過去に強い勝ち方してましたから、小回り(ベルモントパークはそうでもないですが…)があっているのかもしれませんね。

勝ち時計1:58.92という固い馬場ですからさすがに得意です。
この馬JCはピッタリだと思うし、アメリカ所属なら候補に入っているのかも、と期待だけしておきます。

ウッドフォードリザーブ・ターフクラシック(G1)勝ち馬のDivisidero(ディヴィシデロ)はビリ、マンノウォーS(G1)勝ちのWake Forest(ウェイクフォレスト)は3着でした。