エプソムカップ、マーメイドS レース回顧




第33回 エプソムカップ(G3・東京・芝1800m・良)

ルージュバックが昨年のきさらぎ賞以来の勝利をしました。
これは行けば良かったなと少し後悔しています。

パドックから返し馬もそこまで細かく見てませんが、ルージュバックは相変わらず汗が出てました。
いつも通りですが、道中少し心配になる感じはしました。

レースはスタートはほぼ目立った遅れはなかったですが、内のラングレーがいいスタートです。
エキストラエンド辺りも前に行く中、予定通りマイネルミラノが先手を奪います。久々ナカヤマナイトにアルマディヴァンと続きます。

ラングレーは内で5番手。その後ろにロジチャリスがいますが、かなり福永騎手が引っ張っています。その外にレコンダイト。

外にルージュバックは中段やや前と言った位置取りです。
それをマークするような形になったフルーキー。内にアルバートドック。

後方にサトノギャラントにヒストリカル、エックスマークがポツンといて、最後方にショウナンバッハというような展開です。

マイネルミラノは絡まれる事無く一人旅できました。
しかもペースは36.3-60.5。これはかなり楽です。
1マイル戦でこんなペースだと酷評されても仕方ないですが、それより1F長いだけですので、そう考えると相当ゆったり。
2000年以降で入りの600mが36秒台になったことは1度もありません。これだけ楽に逃げ馬を逃がせば最後まで粘って当然です。

同日の8R、3歳以上500万下のアールブリュットが降級馬ではありますが、前半35.6 – 59.9 で勝ち時計が 1:46.5です。
そのレースでも逃げたトーセンカナロアが1:47.0 で5着に粘っています。59.9でもそういうペースです。

ロジチャリスもそうですし、ルージュバックもやや前に行きたそうにしてしまうレースではありました。
それでもルージュバックはヴィクトリアマイルからよく我慢していたと思います。

それにしても安田記念もそうですが、逃げ馬を楽に逃がし過ぎです。
4コーナーで3馬身位後続と差が出るレースではありません。グーッと馬群が詰まっていくはずの流れにも関わらず、4コーナーでも動きが少なすぎると思います。
ある程度はスタミナに自信があるタイプ、切れ味勝負だと分が悪いというタイプの馬は動くべきじゃないかと。

直線は完全な切れ味勝負になりました。
10頭が上がり34.0を切り、600m速く走れる馬が、前にいる馬を交わせるかどうかです。

ルージュバックは切れに切れて上がり32.8。
大外を1頭馬群を真一文字に駆け抜けました。
レースのラスト1Fが11.5でラスト200m通過時点ではまだ前との差があったことを考えると、ラスト10秒台位の脚を使っているんじゃないかな。ゴールでは後続に2馬身半。
54キロだったのもありますが、勝ち方は鮮やかでした。

道中もこのペースで前に壁ができにくい中、きっちりと馬を置けましたし、外へ行くのも大外枠ですから苦になりませんでした。
内もやや荒れ始めていますので、外の方が走りやすかったでしょう。
ゴール前のストライドは大きく、最後まで伸びていますので、こういう瞬発力勝負だと強いです。
大外も良かったと思います。馬群に突っ込んで走るタイプではないと思うので、多少掛かる心配はありますが、内枠より外枠の方がレース自体はしやすいでしょう。

ただ、ヴィクトリアマイルでは上がりで他の馬に劣ったように、道中なし崩しにある程度脚を使ってしまうと最後甘くなります。
現状の感じを見ると、スローの上がり勝負が向いているんでしょうね。ちょっと厳しいレースになると、ゴール前僅か及ばずというレースになってしまいそうです。
秋の府中牝馬Sだと今回みたいな勝ち方ができそうですが、同じ距離の毎日王冠だとできそうに感じません。
G1を勝つとなると、展開の助けが大いに必要になりそう、というのが印象でした。こういう馬こそ凱旋門賞は別にして、オペラ賞とか行けば面白いと思います。

フルーキーは相手なりに走るので、今回もこんな感じでした。
58キロを背負っているので、楽ではなかったでしょう。きっちり2着を確保できたので、この馬なりには最低限の結果は出せたかなと。
東京と新潟で重賞5回走って3→4→5→2→2です。ちょっと負けてしまいます。直線は短い方がまだ勝てる気がします。

マイネルミラノはこのペースで走れたことが全てです。
馬場の悪化とかあれば一発あるでしょうが、切れ勝負だともう少しリードが欲しかったかな。

ロジチャリスは前半掛かっていました。このペースですし、もう少し位置を取りに行っても良かったと思います。
最後まで伸びているだけに、もったいない敗戦です。

ラングレーも直線見せ場がありましたが、この血は抜群に切れないので、上がり34.1止まり。
リアルスティールもそうですが、粘り込むしかないと思うんです。時計勝負も苦しいですし、こういう差し比べも苦しい馬です。
平均的な流れになった時に、良いパフォーマンスができる馬だと思うだけに、今回はレースは向かなかったですが、もう少し良いレースはできたと思います。

ルージュバックは色々と言われていますが、強い馬です。
G1に手が届くレベルですから、無事にレースを使えれば勝機はあると思います。

第21回 マーメイドステークス(G3・阪神・芝2000m・良)

リラヴァティの先行押切で重賞初制覇です。
松若騎手は引退してしまったアズマシャトルで昨年重賞勝ちましたが、今年も重賞制覇。
しかし、シンハリーズは素晴らしいお母さんです。これで3頭目の重賞勝ち。シンハライトでG1も勝ったし、キャロットクラブは激戦なんだろうなーって。

次のレースでダートやや重になる雨だったので、多少は影響はあったでしょうね。

スタートからシャイニーガールが先手を主張し、ココロノアイが最内というのもあり2番手で1コーナーへ。リラヴァティは3番手でスッと。

ナムラアンが途中少し持っていかれていて、中段にタガノエトワール。
中段に有力馬がいて内にレッドオリヴィア、真ん中ハピネスダンサー。外にシュンドルボン。
アカネイロ、メイショウマンボといて最後方にポツンと手綱ダラダラでヒルノマテーラという展開です。

前後半で 59.6 – 59.7 ですので、時計が出る馬場ではありますが、多少雨もあったことを考えると悪くないです。
早めにシャイニーガールが潰れてしまったので、押し出される形でリラヴァティが先頭に立ちましたが、後ろの馬はシャイニーガールを交わさないといけないので、特に後方の内の馬はロスが発生しました。

リラヴァティはシャイニーガールをスッと抜ける位置でしたし、そこで残り600m付近から手を動かして後方との差を広げたのが良かったと思います。
そこでココロノアイは内をシャイニーガール分空けて走り、やや抑えています。
シュンドルボンは道中もそうだったので、大外へ。
ヒルノマテーラは最後方からじわっと外に出しながらコーナー入口で加速する感じで走りました。大外に膨れるのは仕方ないという走り。

リラヴァティは粘りました。シュンドルボンに交わされると思ってみていたら内埒一杯真っ直ぐ走って凌ぎました。
ハンデ差はありますが、重賞でも見せ場があった馬です。パンパンの良馬場よりはこういう馬場も向いたと思います。
4コーナーで後続と差を広げたのが良かったかなと思います。

ヒルノマテーラは四位騎手も「馬場が」というコメントがありましたが、僅かでもいい馬場なら違いましたかね。
ペースとしては向いたと思うので、これ以上となると運ですね。上がり34.7は他馬を0.6秒以上上回るレース最速です。

ココロノアイはチューリップ賞も重馬場でしたし、こういう多少力のある馬場は得意なだけに、こちらはもう少し降れば…という馬でしょう。
1番からレースは上手に運びましたが、もともと切れがない馬なので、あと一歩抜けませんでした。
55キロも背負って良く走ったとは思います。馬場悪化すれば一気に浮上するはずなので、重賞は雨が欲しいところです。

シュンドルボンは道中外々から良いレースですが、斤量差かな。
牝馬限定戦の重賞だとトップクラスにはいますね。これ位の距離がいいので、万全の態勢でエリザベス女王杯へいってもらいたいものです。

負けた組だとレッドオリヴィアが直線全く追えてませんでした。
着順以上に負けていません。この馬も牝馬限定戦でこれ位のハンデであれば、十分勝ち負けになりそうな気がします。
なんか毎回人気になりそうですから、穴にはならないでしょうが、次は注意したい1頭です。

メイショウマンボは道中の雰囲気はいいかなと思いましたが、加速についていっていません。
引退してもいい頃だと思いますが、どうなんでしょう。外野がやいのやいの言うのは良くないのは分かっていますが、それでも。

ハンデ戦らしく上位5頭までタイム差0.2秒。上手です。