写真で振り返る 第83回東京優駿(日本ダービー) レース回顧




スタートから1コーナー

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4番のレインボーラインと9番のマウントロブソンが伸びあがるようにスタートを切ってしまい後手に。
外目のレッドエルディストも下手です。イモータルも遅め。

対してマイネルハニーが好スタートを切り、サトノダイヤモンドとエアスピネルのスタート姿勢が素晴らしくスッと前に出ます。
リオンディーズは既にこの時点で上を向いて掛かっているように見えます。

マイネルハニーが横目見ながら先頭を。アグネスフォルテが2番手に。
スマートオーディンやロードクエストもそこまで思い切り下げることなく走っていて、「あら」と思いました。
最内1番のディーマジェスティは顔が外を向いていますが、外へ外へ行き、早々にマカヒキと内外入れ替えます。
サトノダイヤモンドは良い位置ですし、エアスピネルもレース巧者ですからこの枠だとスッと前目の内をゲットします。さすがです。
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リオンディーズ周辺

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下げるだろうと思いましたし、実際思い切って下げました。
下げたはいいんですが、こんな様子です。行きたくて仕方ないというのが分かるというか、やや目が怖い…。
でもやや強引でも抑える以外ないでしょう。こんな調子では前にスペースが出来たらすっ飛んでいきそうな気配すらします。
気ままに走らせると距離は持ちませんので、教え込んでいくしかないのかもしれません。エピファネイアとは少しタイプが違う気性難という感じです。

スマートオーディン周辺

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こちらもスタート直後はいい感じだったんですが、ディーマジェスティに寄られ、少しカット気味に前に入られた所でややヒートアップしました。
京都新聞杯もこんな感じではあるんですが、この辺がやはり距離云々言われてしまう点です。
もう少しだけリラックスして走るだけで、とんでもない強さだと思うだけにもどかしい。

リオンディーズは1コーナーでもガッとヒートアップしており、少なくとも400mは「気分良く」とは程遠い前半です。
サトノダイヤモンド、マカヒキ、エアスピネルといった馬がなんてことなく好スタートから好ポジションを難なく取っているのを見ると、「素質はあってもなぁ」というレースだったのは確かです。
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向正面とペース

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前にマイネルハニー、プロフェット、アグネスフォルテがいますが、それ以降の馬です。
外から内に入りながらプロディガルサンがいて、エアスピネル、アジュールローズと続きます。
エアスピネルは1頭で気持ち良さそうに走っています。ここ3戦では一番の前半でしょう。

サトノダイヤモンドが中段。内にマカヒキが早め進出し、ヴァンキッシュラン、ディーマジェスティ。
ロードクエストがやや持っていかれています。同じくスマートオーディンも。
内にレインボーラインにイモータル、前半が青葉賞の時よりはマシに見えたレッドエルディスト。

後方にリオンディーズ、出遅れたマウントロブソンに最後方がブレイブスマッシュという展開です。

私のレース前予想と大きな差は無かったかなと思います。ここまではシメシメと思ってました。
出遅れ等は分からないので仕方ないです。

エアスピネルが非常に良く見えました。弥生賞の時とは雲泥の差です。

ペースもばっちり想定通りの1:00.0。

しかし、その後であれ?っと。
1200m通過が1:13.0付近で通過し、1400m通過が1:25.0を超えてから通過したので、前半から考えると非常に落ちたなと思いながら見ていました。
そこから12.9-13.1とガタッとペースを落としました。
これはマイネルハニーは負けたけど上手くいったと思ったでしょう。そこからペースを上げて逃げ切りを狙うには、落とせる時に落とした方がいいですから。

アグネスフォルテが我慢できないように上がっていきましたが、ある程度前に行った連中からすれば落とし過ぎに感じても不思議ではありません。
レースを壊したというのではなく、ここに入って力上位ではない逃げ馬としては、当然の作戦です。

そのため、後半が加速しました。

例えば、近年のダービー良馬場のラスト5Fだけで比較すると以下のようになります。
並びはたまたま開いた順ですので、意味はありません。

勝ち馬 5F 4F 3F 2F 1F 合計
マカヒキ 11.8 12.0 11.6 11.0 11.6 58.0
キズナ 12.3 11.9 11.6 11.7 11.9 59.4
ドゥラメンテ 12.4 12.4 11.9 11.0 11.7 59.4
ワンアンドオンリー 13.6 12.2 11.6 11.1 11.7 60.2
ディープブリランテ 12.4 12.3 11.7 12.0 12.4 60.8
エイシンフラッシュ 12.9 12.4 11.3 10.8 11.3 58.7

今年はあのスローの上がり勝負と言われたエイシンフラッシュの時を上回ります。
1400m走った馬の究極の上がり5F勝負であり、そこで求められるのは「最も遅くても12.0で最速11.0で走れ」というものです。

前目で進み、好位置からの抜け出しを図ったエアスピネルを除くレッドエルディストまでの上位9頭が上がり34.0を切っているように、最低でその走りが求められるというレースでした。

ロードクエストのように「マイルなら…」という馬でも厳しいですし、そもそも出ない馬はハナから勝負に加われません。
かなり厳しい戦いだと思います。ある程度上位人気が上位を占めるのは分かる結果です。

マイネルハニーの作戦は成功か失敗かは難しいところです。
ラスト4Fで45秒台を求められるレースに持ち込んでしまったと見るべきか、スタミナを温存したと見るべきか。
成功ではないですが、これ以上はどうすることもできなかったと思いますが、もう少し消耗戦もありだったかもしれません。