藤田菜七子騎手フィーバーについて思うこと

レース名までするなんてやりすぎ?

藤田菜七子騎手が地方行脚をするたびに非常に盛り上がっています。

金沢では売上が1億5000万円も上がったとかさすがにこの数字には驚かざるを得ません。

レース名に名前が入ることは賛否両論かもしれませんね。
船橋での騎乗は落馬もしちゃったみたいで、騎手に言うのもなんですが、体に気を付けて無事に頑張ってもらいたいです。

これはやり過ぎなのか否か。意見は分かれそうです。
もちろん私見ですが、これ位盛り上げなくてどうする?という考えです。
むしろもっとやれ、と言いたいです。

「一人の騎手ばかり取り上げてけしからん、贔屓だ!」という声もあるでしょうが、贔屓はもちろんありという考えです。
プロです。アマチュアではありません。

お金をここまで落としてくれるスーパーコンテンツを放っておく方がどうなの?と思います。
よくブームが終わったらポイされる、のはマイナスのイメージの人はいますが、私は一過性で全然OKだと思います。
一過性でないと今度はその人が大変です。
すぐ飽きるからやっていられるのであり、これが続いたらさすがに藤田菜七子騎手だって大変でしょう。
数か月で終息するからいいんです。

一過性のブームによりニワカファンが増えるなんて素晴らしいことです。
「ニワカ」と毛嫌いする人も多いですが、最初はニワカです。その中から1人でもファンになってもらわないと盛り上がりません。
0から1の難しさはほとんどの人が知っているでしょうし、まずは1にするためのきっかけはなんでもいいでしょう。
そのためのフックとなるなら使わない手はないと思います。

 競馬は文化か興業か

この手の事をやると、競馬は文化か興業かという捉えかたによって大きく判断が分かれそうな感じはします。
欧州は文化的側面が大きく、アメリカでは興行的側面が大きいと感じます。
日本は興業寄りでしょうが、多少は文化的面もあるとは思います。

私は欧州もアメリカも競馬を見に行きましたが、アメリカの方が性に合ってたと思います。
チャーチルダウンズだって大井競馬場みたいなもんでしたから。

日本も、特に地方競馬については、もっと柔軟に色々とやってみたらいいんじゃないかなと思います。

海外競馬を見る見ないに関わらず、アメリカと欧州とでは価値観が大きく違うなと感じることがあります。
アメリカはとにかく興業主義丸出し、とまでは言い切りませんが、文化の側面より興業の側面の方が多いと感じます。

ベルモントパークは1周2400mありますが、それ以外は基本1周1600mのダート。
あれは、「レース全体が見やすいから」という理由もあるとどこかで見た記憶があります。
欧州とかだと、スタート直後は遥か彼方を走ってるのでスタンドからだと何やってるか分からないということがありますが、アメリカはそれはありません。

競馬場で特にイベントもなければ特別美味しいものもありませんでしたが、まぁ競馬だけと割り切ればあんなもんでも楽しめました。
それに比べると日本の競馬場は色々とイベントもあって楽しくできているのに、たまに欧州に憧れているようなコメントとかあると少し信じられません。
凱旋門賞はともかく、アスコットなんて堅苦しくて行ってられないと思います。
ドレスコードがタキシードかモーニングとか…持ってないでしょうし。
私も大好きではありますが、所詮は競馬です。賭け事と娯楽なんだから、そこまで固く考えなくてもいいのになーって思います。

 思い起こすアメリカの3例

アメリカはいいかどうかは置いておいて柔軟です。

思い出す1つ目は「サイテーションチャレンジ」でしょう。
ご存知かもしれませんが、15連勝を続けていたシガーに用意されたレースです。
16連勝目は「是非ここで」という事でシガーがサイテーションの16連勝へのチャレンジのための用意しました。

これは小学生の時でしたが驚きました。
「日本競馬は毎年同じレースをやってるのに、こうやって作っちゃうんだ」と。
レースはシガーが予定通り勝ち面目を保ちましたが、負けてたらどうなっていたのやら。
一応10頭立てだったので、当時のシガーの強さなら安泰とはいえ、何が起きるかわかりません。
八百長ではないですが、これは相当な賭けだなと思った記憶があります。

そしてもう1つは私が行ったブリーダーズカップでの出来事。
その日は伝説のゼニヤッタ引退レースでしたが、入場したと同時にA3位の「Let’s Go ZENYATTA!」みたいなポスターとDVDが配られました。

現役の馬です。これから、まさに今日引退レースする馬です。贔屓し過ぎどころではありません。日本で言うならディープインパクト引退レースで「ディープ頑張れ。感動をありがとう!」というポスターが配られたらさすがに他の陣営からクレームが来るのではないでしょうか?

実物はこんなのです。「ゼニヤッタ、生きる伝説」というDVDでした。
「おいおい、これから走る馬じゃないの???」と思いましたが、有難く頂きました。

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3つ目ですが、つい最近だとこんな例があったのを覚えている方も多いと思います。

カリフォルニアクロームがベルモントSでネーザルストリップを使えるか否かという話。

2冠を制覇した馬が、それをベルモントパークで使えないのなら出走回避するかもと言っていたら、「ベルモントSに限り許可する」というものです。
URL:http://www.drf.com/news/california-chrome-can-wear-nasal-strip-belmont

なんと依怙贔屓だこと。
2冠馬が出ないと盛り上がらないので、もういっそルールを変えろという分かりやすい例でした。
ちなみに、アイルハヴアナザーも同じように使用していたのですが、当時は許可されませんでした。カリフォルニアクロームは成り上がりであるため、とても人気があったんです。
一応許可に際し、訳の分からない理由をつけていますが、これは建前でしょう。
ダブルスタンダードではありますが、こういうのもありなのがアメリカ競馬かなと思います。

私はこの3つの例、全てが正しいと思っている訳ではありません。

ただ、競馬は興業の側面もあるため、盛り上げるための努力と考えれば、やり方は強引ですが方法として考えられるかなと思います。
いい馬に出走してもらいたい、盛り上がってもらいたい、いい瞬間を見せたい、という関係者の思いは伝わります。
少なくともどこどこのアイドルを呼ぶとかではなく、「競馬で盛り上がって欲しい」というのはいいと思います。

ちなみに、そうなるとお目当てが負けたりすると本当に悲惨です。
ゼニヤッタの時なんて散々煽りまくって負けたから、競馬場のシーンとした具合がディープの有馬記念の比ではなかったです。
私の斜め前にいた男性はゴールした瞬間、頭に両手を乗せて「オーマイガッ!」って言いましたから。いや、本当に。
「アメリカ人はやっぱりそう言うんだ~」って思いましたもの。
その後は彼女さんと2人涙を流して一切拍手もせず2人の傷心が外からでも見て取れました。馬券外したとかではない悲しみ。切なかったです。

あんなに盛り下がるブリーダーズクラシックを見たのは貴重な体験でした。
みんなで応援するリスクはもちろんあります。

地方競馬はもっと遊んでいいんじゃない?

私はそう思います。

何もガチガチにする必要はないと思います。今回の藤田菜七子騎手記念みたいな取り組みはとてもいいことだと思いました。
お客さんを呼べるというのは特権ですし、こればっかりは残念ですが、頑張ってできるものではありません。従って代わりはいません。
こういうコンテンツは使っていくべきですし、盛り上げられるだけ盛り上げた方が競馬のためになると思っています。

例えばマリーンCでは無念の取り消しとなったブチコ。この馬も人を呼べる馬です。
だったら、ブチコ特別記念と称してブチコが来たら1着賞金4000万円、来なければ500万円、というレースがあっていいと思います。
その結果売り上げが増えて、お客さんも楽しんで、競馬が活性化するのであれば十分元を取れるでしょう。
それに藤田菜七子騎手を乗せたらそれだけで2000万円、勝ったら2000万円とかでいいんじゃないでしょうか。それでも金沢位の盛り上がりがあれば、十分元が取れます。
「藤田菜七子騎手初重賞勝利チャレンジ協賛 ○○杯」とかにしてさ。

とにかくせっかくのコンテンツですし、ファンは頑張って応援するだけです。
不定期であってもこういうのがたまーにあると、競馬も注目されると思いますので、上手に盛り上げていってほしいなと思います。